Posted by ブクログ
2013年04月15日
心が満たされるのか、と言うと、微妙な内容
基本的に、登場人物が心の救いを得られているのだが、読み手サイドは「なるほど、そう言う考え方もありか」と感心する方が多いかな?
ある意味では、正統派。ちょっと穿った見方をすると、王道からは外れている料理マンガ
主人公・園場凌が良くも悪くも名前負けしていないのが...続きを読むイイ
むしろ、その場凌ぎのどこがどう悪いのか、と開き直れる。陥った窮地を、傍目からは狡い手段でも、最終的にイイ結果に持ち込めれば、人生、それはそれで勝ちなのではないか?
その場を巧く凌げるってのは、逆に才能がある人間だからこそ芸当である
ネガティブゆえの、人並み外れた瞬発力と発想力から、凌の作る料理は紛れもない本物である
何だかんだで、料理人は創意工夫を重ねて何ぼの職業である、と言う正道を地で行くシェフたる彼には好感が大いに持てる
また、そんな彼を取り巻き、サポートし、喝を入れ、敬愛している女性陣が魅力的なのも、このマンガの素晴らしさを際立たせる極上のエッセンスになっている、と言えるだろう
特に、ジャンヌは凌だけでなく、読み手もハッとさせてくる、この世に蔓延っている常識を貫くような言動が多いので、割と好きだ(現時点では、御奴さん<千恵ちゃん<ジャンヌ≦前田さんって感じ)
歴史上の偉人が『一期一会の客』として来店する、そんな突飛な設定だからこそ、藤栄センセイが資料集めや下調べをキッチリと行なっているのが、どの話からも察せられるのもポイントは間違いなく高い
この巻では、終盤、ちょっとシリアスさが前田さんから漂っており、凌に何らかの変化をもたらすような気がしている、私としては
今後、心に空腹を抱えつつ、続巻を待っていたい一作である