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街を歩けば、アスファルトの割れ目、電柱の根元、ブロック塀の穴、石垣など、あちこちのスキマから芽生え、花開いている植物が見つかる。 一見、窮屈で居心地の悪い場所に思えるが、こうしたスキマはじつは植物たちの「楽園」なのだ。 タンポポやスミレなど春の花から、クロマツやナンテンなど冬の木まで、都会のスキマで見つけられる代表的な植物110種をカラーで紹介。 季節の植物図鑑として、通勤通学や散策のお供に。
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Posted by ブクログ
身近に生えている植物、それもアスファルトの割れ目とかブロック塀のスキマから生えている写真がたくさんあって、それらの植物の図鑑のような本です。 スキマに生えていると、私たち人間はたいへんだなぁ、がんばってるなぁと思いがちですが、当の植物たちは、周りにライバルがいなくて、日当たりも良いので、意外と快適だ...続きを読むそうです。 植物の分類では昔は花びらの数や葉の付き方など外形の類似性から分類していたのが、今は遺伝子を解析して、進化的な観点から分類していること、その結果いろんな種類が昔の科から変わっていることを知りました。
アスファルトやコンクリートの隙間から生えている植物100種あまりの写真と解説。植物にとっては決して根性がいるようなことではなく、かえって快適環境だそうですよ。
スキマ植物って目の付け所ももちろんいいけど、文章が味わい深くて素晴らしい! 学者にありがちな専門用語をならべて素人にはわからないし面白くもないというのとも、素人に媚びてやたらと柔らかくしたのとも全く違う。 専門用語はきちんと分かりやすく簡潔に説明し、読むのを妨げない。言葉づかいは上品でユーモアがある...続きを読む。植物への愛が感じられる。しかも読んで面白い。 塚谷先生、素敵! 他の本も読んでみたい。
日本から送ってもらいました。散歩の途中で見かけても、ずっと名前を知らずにいた道ばたの花の名前を知る楽しさ!ドイツにも同じ種類の植物がけっこうあるんだという驚きもあり、薄い新書ではありますがお買い得でした。
花屋や植物園では扱われない、街中に説明板もない。 でもちょーっと気になる草花たちが載っていて、日常の何気ない疑問が氷解するぞ!癒し系だ。
たまたま見つけたこの本。書名にビビッとくるものがあって、何も考えずそのまま購入しました。 やっぱり買って良かった!いままでに『頻繁に出会うのに名前のわからない雑草』にやっと名前が付いて、すごく気分がいいです。カラーなおかげで、比較して観察も出来る。面白い。楽しい。 それ以上に、植物の豆知識も著者の独...続きを読む自目線で書かれているので、読み物としても楽しめると思います。 出版は2014年なので、一緒に写っている車の車種も懐かしい。年代を感じますが、植物は何も考えず代を重て今も変わらず育っていることに感慨を感じました。
道路舗装の割れ目とか、溝に溜まった土とか、 ほんのちょっとしたスキマに植物がよく生えています。 一時、「ど根性大根」などとブームになったこともあります。 もう、あと2~3メートルいけばなんぼでも広い土があるのに、 なんでまたこんな狭いスキマに好きこのんで生えてるんや、 こいつは生存競争の“負け組”か...続きを読む、とついつい思いたくもなったりして。 でも、それは大違いのようです。むしろ、その逆。 植物学者、塚谷裕一東大大学院教授が、そんなスキマに生える植物を記録し、図鑑にして解説してくれています。 「スキマの植物図鑑」中公新書 塚谷教授によると、植物は陽光を受け、水と二酸化炭素を原料に糖分を生みだして生きている。 動けない植物にとって陽光はとくに大切で、隣に自分より背の高い植物が生えると当たらなくなり、生きてゆけない。それゆえ、ひょろひょろと茎だけ細長く伸びる植物がよくあるのだそうです。 スキマで生きれば、隣にそうした”ライバル”がいない。 だから、思いっきり太陽を独り占めできる。 また、道路の割れ目などは、雨が降ると路上の水がそのスキマに流れ込み、乾燥もしにくいので水もたっぷりいただける。 そんなわけで、まさにスキマは天国のようです。 写真の2枚目は、トラックの横に溜まった土に生えている植物。 こんなところも見逃さずに生えるのですね。 3枚目は、草かなと思うと間違い。なんと、アスファルトの割れ目に、タンスをつくるキリが生えているのです。 写真にはないけど、スミレ類はアリに種を巣まで運ばせ、そこで芽を出し、成長するらしい。 植物たちはたくましい。
「スキマ」と言っても,最近はやりの〈忙しい時間の合間〉のことではありません。文字通り,隙間〈狭い空間〉のことです。 都会のアスファルトの間で垣間見ることのできる,約100種類の植物について解説してくれます。「どのようして,こんな隙間に来たのか」,想像を巡らせているのもおもしろいです。また,その植物に...続きを読むついての生態的な話題はもちろん,文化的・歴史的な話題も豊富で,読み物としてもおもしろいです。たとえば,もととも日本産だと思っていた「ヤマトナデシコ」が,海外にも広く分布していることを知ると,「ナデシコジャパン」でいいのかなあなんて,思ったりします。 スキマで生きるこれらの植物たちは,ヒトから見た時の「けなげに,厳しい環境で生きている」わけではないようです。以下は,引用を見てください。
いわゆる雑草を中心に、コンクリートなどの人工構造物のスキマから出てきた植物の写真を見せ、解説する。 僕はキク科の雑草がどうにも好きになれなくて、今日も防草シートの上(防草シートと砂利のスキマ?)に生えたオニノゲシを抜いていた。コイツは見た目はゴツイくせにすぐ折れる。本書によると、僕の嫌いなオニノゲシ...続きを読むさんは雑草間の競争の中、構造にコストをかけずに上に伸ばすことを優先したのだろう、と。そんな感じで多数のスキマ植物の写真と解説が。写真はまさにそこら辺で見られるような風景だけど、特別でないものが集まると特別になる、という面白さがある。 さて、スキマから生えた植物を、厳しい環境のなか「ど根性○○」などと感動の対象にしたりするが、実はライバルは少ないし土は乾かないし、連中にとって、結構ウハウハな状態なのだと。
植物は街でも意外と至るところにある。自分は田舎に住んでるので植物があることが自然で大きな発見はないのですが、特に都会に住んでる人は何気ない散歩や通勤通学時に改めて発見があるのではないでしょうか。 写真がフルカラーで掲載されてるので、それこそスキマ時間にパラパラ見るのもいいかも。
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カラー版 スキマの植物図鑑
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塚谷裕一
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