澪つくし 深川澪通り木戸番小屋

北原亞以子

面倒見が良い木戸番夫婦には、さまざまな悩みが持ち込まれる。暴力をふるう亭主と口うるさい舅を見捨てられないおちせ（「花柊」）、子どもを亡くし、酒乱の亭主と別れ、一からやり直そうとするお才（「澪つくし」）など全８編。《解説・竹内誠》

• カテゴリ: 小説・文芸
• ジャンル: 歴史・時代 / 歴史・時代小説
• 出版社: 朝日新聞出版
• 掲載誌・レーベル: 朝日文庫
• ページ数: 312ページ
• 電子版発売日: 2024年12月09日
• コンテンツ形式: EPUB
• サイズ(目安): 2MB

[ブクログ · ★★★☆☆]

北原亜以子さんの作品には悪人が出てこない、と解説の中で書かれていたけど、同時に、単純に｢良い人｣も出てこないと思う。主人公の木戸番の夫婦は｢善人｣だけど、人に言えない過去がある一筋縄では行かない人間のようだし、他の登場人物たちも｢悪人｣ではないけれど、｢俗人｣だ。しかし、そんな｢俗人｣だらけの話でも清々しさを感じるのは、北原亜以子さんの凄さだと思う。