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一本のロウソクに火を点(とも)せば、深遠な科学の世界への扉が開く。製本工から夢を叶え、偉大な科学者になったファラデー(一七九一-一八六七)が、もっとも愛した聴衆――少年少女に語りかけ、実験をくりひろげる名講義。世界中で愛読されてきた本書は今なお科学の精神を生き生きと伝える。現代の読者のために詳細な訳注を付す。(新訳)
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Posted by ブクログ
確か小学生の頃、読んだはずだが探すのも大変だから 新訳も手伝って買ってしまった。 宣伝上手な角川文庫の方が目に付きやすいが比べたらやはり岩波文庫 そもそも古典を読むような感覚だから関心の薄い人には取っ付きにくい。 しかし岩波文庫は図版が文章と紐付けられているので助かる人も多いはずだ。 「難しそう」「...続きを読む難しいかった」という方には 「「ロウソクの科学」が教えてくれること(サイエンス・アイ新書)」をお勧めしたい。
今年のノーベル賞受賞者の吉野彰氏が,小学校の先生に勧められて読んで教えられた本として紹介されていたので,すぐに店頭から消えたという。この現象,毎度のことだけど…。 わたしの本棚にあったのは,岩波文庫版。矢島祐利訳である。 内容は,子ども向けクリスマスレクチャーの講演の様子を収めたもの。講演の場...続きを読む所は王認学会(ロイヤル・インスティテュート)で,当時は,いろいろな科学者が一般人向けに講演をしてきたらしい。 ファラデーは,製本屋にはたらきながら,そこに書かれている文章を読んで科学に興味をもったという経緯がある。その後,曲折を経てデーヴィーの助手として働き始める。そして,中学校でも習う科学的な大発見をするのだ。 本書は,「ろうそくの科学」と書かれているが,「そうそく」は単なる出発点である。6回の講演の中で,「ろうそく」が燃えると何がどうなるのか。空気とはなんなのか。燃えるとはなんなのか…など,いろいろな知識をユニークな実験を交えながら教えてくれる。本書にはところどころに分かりやすい実験器具の図も掲載されているので,ややこしい解説を読む助けになるだろう。 子どもにはちょっと難解だと思われるが,吉野氏は本書を手に取って読んだんだと思う。他の会社からも数冊,『ろうそくの科学』が出ているけど,吉野氏の小学生の頃には出版されていなかっただろうし…。(本書の発行は1933年) ここまで感想を書いてみて,気づいたことがある。それは,今,手に入るの岩波文庫版は訳者も変わっているし,ページ数も多くなっているようだ。これは読み比べてみるのもおもしろいかも。
角川文庫のかわいい表紙に騙されて、きっと角川文庫の方が易しいだろうと角川文庫を読んだが、こっちの方がずっといい。角川文庫とこちらとどちらにしようか迷っているなら、こちらが絶対いいです。 訳が新しいことはもちろんだけど、解説も充実しているし、何より訳者がとことん調べて考えた上で注釈を付けている。足りな...続きを読むい図は補ってあるし(アルガン型ランプ、角川は絵もないし、ネットでも日本語ではヒットしないし、一体どんなものかと思っていたが、こちらにはちゃんと絵がある。)、角川みたいに図に番号はあるのに本文にどれを指すか書いていないなんてこともない。とにかく、かけてる情熱と手間が角川の比じゃないんです。値段は若干高めだけど、内容の差はこんなものではない。 同じ内容なら安い方、と安易に決めないでほしい。ファラデーの伝記もついています。出し直すなら、前よりよいものを。さすが岩波文庫。
円柱型のロウソク 火をつけると、整った綺麗な形の炎があがるのは、炎の熱による上昇気流で、空気が円柱の形に沿って昇るから ロウソクの真ん中に溶けたロウがたまるけど、フチまでは溶けずに垂れないで溜まるのは、上昇気流によって周辺のロウは冷やされて溶けないから ロウソクの芯の周辺が暗いのは、そこではロウはま...続きを読むだ気化しただけで、燃えてはいないから などなど、円柱型のロウソクの奇跡的なほどの完璧さに涙がこぼれる 科学の諸要素が感動的なほどに結晶してるロウソクの佇まいに惚れ惚れ こういうのを小学校の授業とかでやらないといけないんです
こんな講義を受けてみたかった。いまだったらVRでファラデーを蘇らせてネット講座なんてことも可能だろうし、実現したら面白そう。
高校、大学と進むと力学でも電磁気学でも微分積分やベクトル解析を多用して本質が見えないことが多い。その意味で理科らしい授業は中学の時がMaxだったと思う。自分の場合、担任が理科教師で大学も研究棟も一緒だったし、この本を読むと一昨年亡くなったその恩師を思い出す。ファラデーは高等教育を受けておらず数学の知...続きを読む識が無かったが、それが逆に現象の本質に迫る方法論を身につけさせた。ロウソクが灯っている時、何が燃えているのか、知れば誰でも不思議に思うはず。大気の組成とか水の電気分解とか、理系文系の別なく読まれるといいな。
科学の啓蒙書としての古典的名著で、今で言う大学受験参考書とかによくある「ライブ形式」の元祖(か?)。一応、実験装置などは挿絵などでフォローもあるのだが、必ずしも今の人の常識に照らしてわかりやすいわけではなない。むしろこれを下地にして今風にリメイク版「ロウソクの科学」ライブをやってくれる人が現れてくれ...続きを読むることに期待。 正直、今の時代に即した内容で楽しくてためになる啓蒙書はたくさんあると思うので、評価はもう少し辛くしてもいいと思っているが、多くの人を啓蒙してきた歴史的な価値とファラデーへのリスペクトとで満点。
火などを使った科学実験の内容と,その語り口調も楽しめる一冊. 所持していたものが昭和八年初版だったので少し異なるかもしれませんがこちらで登録します.
マイケル・ファラデー氏の少年少女向けのクリスマス講演の記録。燃えるロウソクを使って、一つひとつ実験をしながら「なぜ燃えるのか」「燃えた物質はどうなるのか」を興味を惹き付けながら実演する光景が目に浮かぶ。YoutubeやTiktokがある今となっては文字面だけだと分かりにくい部分も正直あるが、化学に興...続きを読む味を持つ第一歩としてワクワクしながら読み進められる本である。色褪せない。
むかし、お仏壇のろうそくと線香でイタズラして、 初めて祖父に怒られた苦い思い出があります。 思えばそれが祖父との最期のやりとりだったかもしれません。 おかげさまで人様に大きな迷惑もかけず、こうして生きられております。 叱ってくれる人がいる、というのはありがたいことですね。 この本は、山本有三の...続きを読む『心に太陽をもて』を手にした時、 ファラデーについて描かれた内容に特に興味をひかれましたので、 いつかきっと読んでみたいと思っていました。 ここでは、ふだんなにげなく見ている、当たり前に燃えるろうそくをテーマに、 それ単体を科学的に説いた内容が主題となっていますが、 自分は控えめに言っても、不真面目な学校生活を送っていましたし、 理科はとりわけ、座学も実験もイヤイヤやってた記憶ですので、 興味があってこの本を手にとってみたはいいものの、 書かれていることは恥ずかしながら、あまり良くわかりませんでした。 科学的な内容の細部は別にさせてもらいまして、 あくまで自分が直感でつかんだ印象としては、 講義をするファラデーも受講者も、ひとつひとつがエネルギーを 燃やしている独立した生き物であり、ろうそくと大きな違いは無いこと。 ファラデー自身の燃える炎が、ひときわ明るく周囲を照らし、後進を育み、 影響を与える存在として光を放っている光景が目に浮かびます。 ここには、冷たい現代的な詰め込み教育とは真反対の、 暖かみに満ちた一体感を感じますね。 いちばん生活のそばにある物が、実は世界の真理になっている。 なるほどこういう意識が持てれば、距離感はグッと近づく。 もしも自分が、このファラデーのクリスマス講義に参加する様な、 何かのきっかけがあったとしたなら、科学に限らず、その後の意識は また違ったものに変わったかもしれません。 冒頭に述べました山本有三氏の本にあったように、 ファラデーは元々、エリート街道を歩んだのでなく、 人よりマイナスの状態から、大出世した偉人であるからこそ、 未来を生きる子どもへの育成の取り組みに熱心だったのかなと。 この本を読む限りでは、研究の成果に対する外部の妬みから不本意な 仕打ちも受けたように書かれていますが、彼の科学者としての 純粋な気持ちは、限りなく曇りのないものと言って間違いないかなと思います。 今日も世界の至るところ、科学者は地道な努力に明け暮れていることでしょう。 自分も1本のろうそくとして、持ち場を守ろうと思います。
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ファラデー
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