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「この宇宙をまんべんなく支配するもろもろの法則のうちで、ロウソクが見せてくれる現象にかかわりをもたないものは一つもないといってよいくらいです」ロンドンの貧しい鍛冶屋の家に生まれたファラデーは、1本のロウソクを用いて科学と自然、人間との深い交わりを伝えようとする。子供たちへの慈愛に満ちた語りと鮮やかな実験の数々は、科学の面白さ、そして人類の未来をも照らしだす。時を超えて読者の胸を打つ感動的名著。
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ノーベル医学生理学賞を受賞した東工大栄誉教授の大隅良典さんが学者を目指す契機となった良書
Posted by ブクログ
ロウソクの燃焼から生命活動の呼吸に到るまでのミクロ的な普遍性を、多数の実験を交えてで示しながら語る。基本的ながら奥の深すぎる、酸素、炭素、水素の不思議な役割を改めて認識させられる一冊。
自分は、中1のくせに化学の単語などは案外知っている方なので子供でも楽しく読めたが、塾に通っていて、6年の範囲の途中ぐらいのところから読めるようになるのではないかと思います。(毛細管現象が毛細引力となっていたが、そこは翻訳の問題なので楽しく読ませていてだきました。)
ロウソクの科学。ファラデー先生の著書。ノーベル化学賞を受賞した吉野彰博士が読んでいたことで話題になった一冊。ノーベル化学賞を目指す将来の科学者や研究者の卵である子供たちはもちろん、もうこれからノーベル賞受賞を目指すには難しいかもしれない大人でも科学の楽しさを感じられる良書です。
もし、小さな子どもに次の質問をされたら、どう答えますか? -「ねえ、どうしてロウソクは燃え続けられるの?」あなたならどうします? ロウソクなんだから燃えるのは当たり前、と適当に言いくるめますか? 無視しますか? それとも真剣に「ロウソクのなかの炭素に空気中の酸素が結びついて…」と、きちんと答えようと...続きを読むしますか? この本には難しい原理は出てきません。なぜならロウソクの燃焼という現象は、科学的には単純な反応だから。この本の“登場人物”も水素、酸素、炭素だけ。あとゲストに窒素かな。それらがくっついたり別れたりしてドラマができる。 「この宇宙を支配している法則のうち、ロウソクの話とかかわりのないものはないほどです。」身近なロウソクを題材に取上げ、そこから各元素がもつ絶妙な役割分担について教えてくれ、果ては生命活動としての燃焼=呼吸にまで話は及ぶ。 そして「すべての物事は、それにふさわしく適正に進行するのです。」で締めくくる。 地球上の根源的な法則――物事には一つひとつ意味があり、それらが有機的に集まって大きな力となる――科学の領域に限らず、私たち人間の日常生活にも応用できるが、1本のロウソクから話を展開して引きつけるファラデーの独創性には脱帽する。 ファラデーの話は、CO2削減など現代社会の抱える課題にもつながる。 世の親たちもマスコミからの受け売り情報だけで子どもにエラそうに能書き言う前に、子どもと同じ目の高さから“科学”してみてはいかが? (2008/7/22)
子どもを喜ばせる工夫が随所に ファラデーが,今も続くイギリスの1861年のクリスマス講演の内容.ファラデーだが電磁気ではなく化学がテーマ.ローソクを手がかりに,酸素,二酸化炭素,水素,窒素,炭素といった物質の反応を示す実験を通じて,これらの性質を紹介している.また,新しいことを観察したら,それがど...続きを読むうして起きるのかを考え疑問に思うという,科学的姿勢を子どもたち伝えたいというのが表れている. ただ漠然とした講演ではなく,子どもを喜ばせる工夫が随所にあることに気付かされる.圧力をかけて容器を壊したり,水素や金属に火を付けて爆発させているが,爆発大好きな子どもにはウけたことだろう.化学物質も,当時からすれば100年前ぐらいにその原理が分かったものなので,今からすれば相対性理論や量子力学を取り上げているようなもので,かなり攻めた内容と思う.それでも,いろいろと実験を工夫して,子どもたちに興味をもってもらえるようにしているのは,子どもが好きなんだろうなと思える.
1861年末のクリスマス休暇、ロンドンの王立研究所で催された6回の講演の記録 当時最先端の科学について、ロウソクの燃焼という身近で親しみやすくかつ直感的に分かりやすい現象に置き換えながら説明することで、受講者の理解を段階的に深めていく手法が素晴らしい 老いてもなお衰えることのない知的好奇心や...続きを読む、科学を自然現象から連続した事象であると捉える視点など、ファラデー自身から学ぶことも多い 初版発行が1962年ということで文体が硬く挿絵も古いうえ補足情報も少ないため、ある程度科学の知識がある人ではないと理解が難しいかもしれない 2020年を過ぎた現在でも新訳版や子供向けの翻案が多数出版されているようなので、そちらを読んだ方が深く理解できると思う
「ロウソクが燃える」という現象から、基礎的な理科について解説する良書。 通して読むと、ロウソクってよく出来ているんだなぁと感心する。 欲を言えば、もう少し挿絵が欲しい。 また、科学の知識が現代とは異なっている点も要注意。
6つの化学実験講座です。 どこかのこども科学教室のメモかと思いきや、大科学者であるファラデーが英国王立研究所で行ったクリスマス講演実験をまとめたものだったのでちょっと驚きました。19世紀後半は、日本の高校程度のレベルだったとおもわれます。 本文は、文庫で200頁ほどなのでさくさく読めます。 です...続きを読むます調で書かれている科学論文?を、というか、講演会の口伝のような語り調はちょっとわかりにくいので、わかりやすく替えてもいいのではないかとおもいました。なれって恐ろしいですね。 挿絵も1860年代後半の時代を表しているもので、論旨を問うならもっとわかりやすい絵を使った方がいいのではと感じました。 実験の流れは良かったかと思います。ただ、元素については、決めつけているので、ちょっと違和感はありました。 目次は、以下です。 序文 第一講 一本のロウソク その炎・原料・構造・運動・明るさ 第ニ講 一本のロウソク その炎の明るさ・燃焼に必要な空気・水の生成 第三講 生成物 燃焼からの水・水の性質・化合物・水素 第四講 ロウソクのなかの水素 燃えて水になる・水のもう一つの成分・酸素 第五講 空気中に存在する酸素・大気の性質・その特性・ロウソクのそのほかの生成物・二酸化炭素・その特性 第六講 炭素すなわち木炭・石炭ガス・呼吸および呼吸とロウソクの燃焼との類似・結び 訳註 解説
「この宇宙をまんべんなく支配するもろもろの法則のうちで、ロウソクが見せてくれる現象にかかわりをもたないものは一つもないといってよいくらいです」。これは貧しい鍛冶屋の家に生まれたファラデーの言葉である。「本当に!?」と思ったら、是非この本を読んでみてほしい。 (ほり)
1本のロウソクから次々と紡ぎ出される科学の物語に、知的好奇心がくすぐられました。ロウソク1つからこれほど多様なことが分かると一旦知れば、身の周りの様々な事象にも、違った見方が出来ることに気づかされます。さすが、歴史の風雪に耐えた名著といったところです。 実験の講義録のため、文章ではイメージし難い部...続きを読む分も多く、その点が本書を読み難いものにしています。解説本もあるようなので、そちらを見て、自分の理解が合っているか、確認したいと思います。
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ロウソクの科学
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ファラデー
三石巌
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