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「長引く円安」の真因に迫る――どこから外貨が流出しているのか? 【著者より】 経常収支黒字国や対外純資産国というステータスは一見して円の強さを担保する「仮面」のようなものであり、「正体」としてはCFが流出していたり、黒字にもかかわらず外貨のまま戻ってこなくなったりしているという実情がある。その意味で、日本は「仮面の黒字国」とも言える状況にあり、統計上の数字からだけでは見えてこない「正体」に迫る努力が必要というのが筆者の問題意識である。"
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Posted by ブクログ
最近の円安の要因を、データをもとに上手く説明している。構造的に過度な円高にはなりにくくなったことがよく理解できた。為替から見た日本の立ち位置的なことも分かるので、良い本であった。
なぜ円が弱くなったのか、構造的にわかる名著。 海外に4年ほど住んでおり、この4年で大きく円安が進み、コロナ前よりも日本が圧倒的に弱くなった、というのを肌で感じてきた。その中で、要因が一体何で、今後どうなるのかを正しく把握したくて読んだ。 結論、非常にわかりやすく、また日本人として何をすべきか考えさ...続きを読むせられるものだった。 シンプルに要約すると以下。 日本の円安は国際収支構造に基づく構造的な円安であり、元には戻らないだろう。 今の日本は、経常収支は黒字だが、蓋を開けると貿易サービス収支が9兆円と大きく赤字、すでに貿易黒字国ではなくなっている。 黒字の要因は第一次所得収支と言われるもので、投資や配当金などによる不労所得のため、実はキャッシュフローを見ると円売りが大きく、赤字になっている。 貿易サービス収支の赤字は、コストカットによる海外生産へのシフトと、デジタル赤字と呼ばれるGAFAMのような外資大企業へ支払うプラットフォーム費用などが大きい。このデジタル赤字はプラットフォーム提供者が言い値でコントロールできるため、今後は肥大すると考えられる。 元々、日本では為替がFRBの金利施策と相関が高く、FRBの金利利下げ円高、利上げが円安につながってきた。ただし、貿易黒字だった時代は、需要のために結局円買いが発生していた。一方最近は、パンデミック後にFRBが大きく金利を上げており、かつ貿易赤字だったため円売りが加速してしまい、円安が進んでしまっている。 また、第一次所得収支が黒字でも、投資したお金の多くは海外で金融資産(保険など)として再投資されているため、日本に戻ってきていない。つまり、キャッシュフローでいうと円に戻ってきていない状態である。 このような背景の中で岸田政権が進めていた政策のひとつが、家計部門の「貯蓄から投資」への政策である。しかし投資先が円建てではなく外資建てになると、さらに円安が進むことになる。NISAなどによる外資投資も円安を誘発する一つの要因である。 とはいえ日本の家計部門は54%が預貯金であり、圧倒的に流動性がない、ここを動かすために将来は円建てに対する優遇策を考えることもひとつあるのではないか。 こういった中で日本は何ができるのか? インバウンド収支はひとつ大きな施策だが、労働集約的な業務でもあり、人手不足のなかでメインにはならない。 また日本の対内直接投資はグローバルでみても非常に小さく、北朝鮮以下の水準。 円安はもう戻らないことを考えると、日本国内への外資からの投資誘致が大きなメリットになるのではないか。地政学的にも直近は友好国かどうかといった点が投資判断に大きくなっている。 また、投資をしてきている国はもはや欧米ではなくアジアが中心となってきている。アジアからの投資を、非製造業に対して行う、というのがひとつのキーポイントとなっている。 日本の将来をどうしても憂いでしまうような内容だったが、現実を把握しないと課題解決はできない。また、示唆されている対策が本当にベストかは分からない。とはいえとても勉強になった本だった。
基礎知識がないとなかなかわかりづらいですが、何とか読み切りました。いいことも悪いことも選択するのは国民を意思だと言う事ですね。選挙行かないとまずいですね。日本の今ある倦怠感がなんとなく説明されてるような気がします。
現在日本は経常収支黒字国 「新時代の赤字」=その他サービス収支赤字のこと。その中には「専門・経営コンサルティングサービス」も入っている 2023年時点でサービス収支全体で2兆9158億円の赤字。これは旅行収支における3兆6313億円からサービス収支の5兆9040億円を引いた数字。 2030年には...続きを読む約8兆円に拡大するとの試算。2021年の原油輸入実績は約6.8兆円 少子高齢化などの人口減少傾向にある世界ではイノベーションの停滞が起こりやすい。 「研究開発サービス」で劣後する国がデジタル関連収支で黒字を積み上げるのは難しい。 今まで貿易収支があってその次に過去に行った投資の成果としての第一次所得収支の動向が注目されてきた。 しかし今後はサービス収支の変化幅が非常に大きくなると思われるので、その動きも追うべき CFベースでの経常収支でみると第一次所得収支黒字の4割しか(13.9兆円)円買いに繋がっていないという事実が見えてくる。 2022年に関して言えば貿易サービス収支赤字が21.1兆円のマイナス、また第二次所得収支は約2.5兆円の赤字だったため、CFベースでは(13.9−21.1−2.5)で9.7兆円の大幅な赤字だった疑いが強い 2019年ごろから日本の対外純資産残高の半分近くは直接投資で構成されている。 そのため売られたまま戻らぬ円が増え、円安の進行が進みやすい状況 2022年から2023年にかけて名目GDPは約560兆円から592兆円に増えたが、実質GDPは549兆円かは559兆円へプラス10兆円分の増分になっていて、残り22兆円なインフレによる上乗せであり、成長とは言えない。 特に個人消費に着目した場合、名目ベースでは11.2兆円伸びているが、このうちインフレによる上乗せは9.4兆円で実質ベースでは+1.9兆円しか増えていない。
円の実需についてニュースやそこらのYouTube動画では知ることができなかった実態を知ることができた。
金融動向には疎いが、円安が日米金利差によらず続く可能性が高いこと、インフレに突入しているだろうことなど、肌感として納得できた。人口減少の中で何を強みとして国内投資を増やしていけるのか、なかなか答えは出そうに無いが、国として議論は始めていて、手をこまねいているわけではない、ということに少しホッとした。
正確な記述を心がけているせいかやや留保や繰り返しが多いが、1年前に書かれた本であるにもかかわらずとても勉強になった。 ①旅行業は労働制約があって頭打ち、 ②企業が海外で稼いだお金は内部留保にカウントされてしまうが海外で再投資される場合が多い、 ③以前は海外資産の多くが現金化しやすい金融資産だったが、...続きを読む最近は工場や現地企業の買収などが多いので、有事の円買いは起きない 政治家や一部の学者、評論家の主張は全体を見ていないことがよくわかる。
経済の話は私には難しかったけど、日本の今後を考える上で良書だと思う。安くて治安のいい土地を売りに、海外企業の誘致などをどれだけあ進められるのか、アジアの中でももしかしたらそのうち一番下の経済成長の国になる恐れはあるなと感じでしまった。
専門外では、細かい数字は難解であるが、円安の背景、厳しい日本の経済環境は、理解できる。しっかり心して対応する気持ちになる。
2024年83冊目。満足度★★★★☆ ドル円を中心とする為替レートの変動は企業も日本国民にとっても大きな関心事となっている 本書は、かつて、日本を苦しめてきた「円高」の再来などは「構造的」に起こりにくい状況になっていることを数々のデータを示して論証 昨今、海外への投資が増えている多くの個人投資...続きを読む家にとって、読んで損がないオススメの一冊
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弱い円の正体 仮面の黒字国・日本
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唐鎌大輔
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