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Posted by ブクログ
元看護師だからこそ描けるリアルで、そしてどこまでも温かいホスピスの日常。
今作もページを心がぎゅっと締め付けられて、最後には温かい涙が溢れて止まりませんでした。
今回の物語では、卯月が新人ナース・麗奈の教育担当に。感情を素直に出しすぎてしまう麗奈から投げかけられた、「患者さんが亡くなることに慣れるものですか?」という真っ直ぐな問い。
その言葉に、胸を突かれるような気持ちになりました。「慣れる」ことなんてないけれど、それでも目の前の「いのち」とどう向き合い、寄り添っていくのか。卯月自身が改めて自分の仕事や心と向き合う姿に、深く共感し、何度も目頭が熱くなりました。
作中で描かれる、夢を追いかけて小説を書く患者さんのエピソードも本当に素敵で……どんなに短くても、その人が生きた証や「最期の望み」を叶えようとするナースたちの姿は、まさにヒーローそのものです。
心がちょっと疲れているとき、大切な人を思い浮かべたいときに、ぜひ読んでみてほしい1冊。
Posted by ブクログ
シリーズ第5弾。
ホスピス病棟に新しく加わった2年目ナースの神宮寺の教育担当になった卯月咲笑は、彼女と行動することで改めて自身の仕事に向き合うことになる。
神宮寺のことをけっして否定することはなく、一緒に考えることで咲笑も成長したんだなぁと思う。
死に近い患者のそばに視る思い残しも、寄り添って話を聞くことで、とても自然に解決できている。
35年ぶりの父との再会、高校時代に好きだった忘れられない女性、誰にも言えなかった過去の秘密、小説家になりたい彼に送ったクリスマスプレゼントなど、何度か涙してしまった…。
いちばんの成長は、咲笑が姪っ子を預かり一緒に生活することで、その大変さを感じ、両親や兄夫婦の凄さを実感したことだろう。
恋人の樹とも悩みながらも少しずつ寄り添えていけてる感じに応援したくなった。
Posted by ブクログ
シリーズを通して大切に描かれてきた「命に寄り添う看護」が、これまで以上に深く胸に響く作品でした。
患者さん一人ひとりの人生や家族への想い、叶えられなかった願いが丁寧に描かれるエピソードには、やっぱり自然と涙があふれてしまいます。単に悲しいだけではなく、最期までその人らしく生きようとする姿が温かく描かれているからこそ、切なさの奥にある命の温もりに触れることができました。
また、卯月自身が直面する私生活のドラマと成長ぶりも見ごたえがあります。兄夫婦の事情で姪を預かる多忙な日々や、患者家族とのトラブルを抱える恋人の樹を親身に支える場面、そして現場で新しく加わった仲間とともに悩み、支え合いながらナースとして頼もしくなっていく姿がとても印象的でした。
そして、シリーズの象徴である「思い残し」が視える設定が、今回はホスピスで生きる人々の物語へと自然に溶け込んでいたのも見事です。特殊能力を前面に押し出さないことで、人と人とのつながりや看護の温かさがよりストレートに胸へと届いてきました。
読み終えたあと、ホスピスは「亡くなるのを待つ場所」ではなく、「最期まで自分らしく生きるための場所」なのだという強い思いが心に残ります。命の終わりを描きながらも、生きることの尊さを優しく教えてくれる、シリーズらしい深い余韻に満ちた感動作でした。
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