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Posted by ブクログ
諏訪中央病院名誉院長である著者のエッセイ集である。著者は同病院医師、院長として、閉鎖寸前の赤字病院を地域に密着した先進的な医療拠点として甦らせた。それを支えたのは、患者は十分な情報を得た上で治療について自ら選択する権利をもつという固い信念だ。「十分な情報」という以上は、そこには当然患者本人に対する余命宣告も含まれる。それは場合によっては残酷で厳しい対応かも知れないが、患者が残された人生を自らデザインし自分らしい時間を過ごすためには不可欠なのだ。その結果、治療としては抑制的になる場面もあれば、逆に積極的に高度医療や手厚い訪問看護を必要とする場面もある。諏訪中央病院では、いずれの場面にも対応できる設備や体制が整っている。著者は言う。「ぼくら医療スタッフががんばりますから、あなたはありのままでいてください」と。「がんばらない」とは何もしないことではなく、これまで既にがんばって治療を受け生きてきた患者さんに、本来の「ありのまま」の姿で過ごしてほしいという著者の切実な願いなのである。
Posted by ブクログ
インフォームド・コンセントや自己決定という考えが医療の常識となってどれくらい経つのだろうか(常識といってもそれが実践されているかとなるとそれはまた別の話だろうけれど)。実はこういった考え方を前にすると正直戸惑うことが多い。もちろんパターナリズムとも言われる医者の権威主義は反省されるべきだと思うけれども、たとえば「生も死も自分でデザインを」なんて言われると、二の足を踏んでしまう。生も思うままにデザインできない自分が、果たして死をデザインすることが可能なのかと。
「死」から遠く離れた生活の中で、「生」と切り離せない「死」とどう向き合っていくか。その大切なテーマが失われつつあるのが現代ではないのか。そんなことを考えさせられる本でした。
Posted by ブクログ
ベストセラーになり、流行語にもなったから、その先入観で読まずにいて損しました。
もっと早く読めばよかった。もったいない。
全ての医療従事者が読むべき本。
「がんばらない」って、タイトルだけど、実は、脱力した生き方を薦める本なんかじゃなくって、逆に、筆者はめちゃくちゃがんばっているし、この本に出てくる人はもれなく頑張っている。
患者さんだって、ひたすらに自分らしい生き方、病気との付き合い方、自分らしい最期のあり方を模索しがんばっている。
もう、これ以上がんばりようがないほどがんばって生きている人に対しては、周りはこれ以上「がんばれ」とも「がんばろう」とも声をかける必要はなくて、「それ以上がんばらなくても、そのままでいいんだよ」って、そういうメッセージ。
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