中世の覚醒

中世の覚醒

12世紀の中世ヨーロッパ、一人の哲学者の著作が再発見され、社会に類例のない衝撃を与えた。そこに記された知識体系が、西ヨーロッパの人々の思考様式を根底から変えてしまったのである。「アリストテレス革命」というべきこの出来事は、変貌する世界に道徳的秩序と知的秩序―信仰と理性の調和―を与えるべく、トマス・アクィナスをはじめ、キリスト教思想家たちを激しい論争の渦へと巻き込んでいった。彼らの知的遺産は、現代にどのような意義を持つのであろうか。政治活動の発展と文化的覚醒が進んだ時代の思想を物語性豊かに描いた名著。

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中世の覚醒 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

     12世紀のイスラミック・スペインでアリストテレスらの古代ギリシャ哲学が再発見されたことを契機として、当時の西欧社会が神や被造世界などの信仰上の概念について理性的な立場から理解を深めていく様を描いた書。アリストテレスのテクストには当然にキリスト教信仰と明確に対立する点があったが、宗教的世界観と理性的

    0
    2025年10月27日

    Posted by ブクログ

     本書のページ数は500ページ超あり、読み終えるのに多大な時間を要した。中世における思想の百花繚乱を巡る著者の記述は圧巻であった。この本のテーマである信仰と理性は、中世という時代区分に閉ざされているわけではない。現代社会の解決困難な問題がこのテーマに関わっているという著者の主張には読者を喚起させる何

    0
    2023年01月06日

    Posted by ブクログ

    本屋で見かけて。「一四一七年、その一冊がすべてを変えた」に似ていると思って読んでみたが似ていた。ルクレティウス再発見の代わりにアリストテレス再発見。ただし1417よりさらに壮大で上を行くおもしろさ。
     
    中世は無知の暗黒時代と言われるがそうではなかった。アリストテレスの理性とキリスト教の信仰を調和さ

    0
    2022年07月10日

    Posted by ブクログ

    ヨーロッパ中世において教会からの抑圧、弾圧が強烈だったのはイメージ通り。しかし決して知的、思想史的にに停滞した時代ではなかったことがよくわかった。ただし各思想の読解は簡単ではない。何度か再読したい本。

    0
    2019年10月18日

    Posted by ブクログ

    500ページでものすごいボリューム
    でも、とても楽しかった

    カトリックしかなかったところに、全く違う完成した価値体系がある日突然、現れる

    プラトン・プロティノス 的なキリスト教と言ってもいいのか、アウグスティヌスからの伝統である「信仰」という方法に、アリストテレス的な価値体系である「理性」が出会

    0
    2019年02月24日

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    中世は暗黒ではなく現代科学に連なる葛藤の時代。プラトン思想を取り入れたアウグストゥティヌス的なキリスト教思想が下地にあるなか、アリストテレスの自然哲学が西洋に流れ込んだ。神学と自然哲学の間にある矛盾を調停しようと、信徒たちが様々に思想を展開する。革新的な思想は慣習からの距離ゆえに忌避され、時を待って

    0
    2025年03月23日

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    これは面白い!中世ヨーロッパにおけるアリストテレスの再発見と受容の話なんだけど、中世と聞いてイメージするステレオタイプの「信仰と迷信に支配され、合理的・科学的思考のない時代」を覆すストーリーを展開する本。あまりに魅力的で異端的だったアリストテレスの自然哲学を、あくまで教会内で、信仰という土台の上でど

    0
    2022年07月10日

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