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12世紀の中世ヨーロッパ、一人の哲学者の著作が再発見され、社会に類例のない衝撃を与えた。そこに記された知識体系が、西ヨーロッパの人々の思考様式を根底から変えてしまったのである。「アリストテレス革命」というべきこの出来事は、変貌する世界に道徳的秩序と知的秩序―信仰と理性の調和―を与えるべく、トマス・アクィナスをはじめ、キリスト教思想家たちを激しい論争の渦へと巻き込んでいった。彼らの知的遺産は、現代にどのような意義を持つのであろうか。政治活動の発展と文化的覚醒が進んだ時代の思想を物語性豊かに描いた名著。
...続きを読むPosted by ブクログ 2023年01月06日
本書のページ数は500ページ超あり、読み終えるのに多大な時間を要した。中世における思想の百花繚乱を巡る著者の記述は圧巻であった。この本のテーマである信仰と理性は、中世という時代区分に閉ざされているわけではない。現代社会の解決困難な問題がこのテーマに関わっているという著者の主張には読者を喚起させる何...続きを読む
Posted by ブクログ 2022年07月10日
本屋で見かけて。「一四一七年、その一冊がすべてを変えた」に似ていると思って読んでみたが似ていた。ルクレティウス再発見の代わりにアリストテレス再発見。ただし1417よりさらに壮大で上を行くおもしろさ。
中世は無知の暗黒時代と言われるがそうではなかった。アリストテレスの理性とキリスト教の信仰を調和さ...続きを読む
Posted by ブクログ 2019年02月24日
500ページでものすごいボリューム
でも、とても楽しかった
カトリックしかなかったところに、全く違う完成した価値体系がある日突然、現れる
プラトン・プロティノス 的なキリスト教と言ってもいいのか、アウグスティヌスからの伝統である「信仰」という方法に、アリストテレス的な価値体系である「理性」が出会...続きを読む
Posted by ブクログ 2022年07月10日
これは面白い!中世ヨーロッパにおけるアリストテレスの再発見と受容の話なんだけど、中世と聞いてイメージするステレオタイプの「信仰と迷信に支配され、合理的・科学的思考のない時代」を覆すストーリーを展開する本。あまりに魅力的で異端的だったアリストテレスの自然哲学を、あくまで教会内で、信仰という土台の上でど...続きを読む
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