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「企画力」とは何か。それは文字通り、「企み」を魅力的に語ることによって、人間や組織を動かす力のことである。そして、その力が結晶したものが「企画書」に他ならない。では、魅力的な企画書とは、どういう企画書なのか。それは、あたかも優れた推理小説のように、読み始めたら一気に読ませてしまうような企画書だ。本書は、そうした企画書を作るための細やかな技術と深い心得を、22の格言を通じて、全く新たな視点から語った書籍講話である。
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Posted by ブクログ
この方は本当にプロフェッショナルだなと唸った。こんな上司にビシバシしごいていただきたい。読み手のことを考えて文章をつくるという大事な行程は、企画書もPR文もメールも同じだと痛感。
この著者の講演会に先立って関連書籍を漁っておこうと思って読みました。思った以上に、私の心にクリティカルヒットしました。企画力とは、ものごとを企み、人の心を動かし、実現する力であるということを、実にバランスよくわかりやすく説明しています。必要以上に感情的にならず、バランスの良いわかりやすい文章なのです...続きを読むが、行間から情熱がにじみでているのがこの著者のすごいところだと思います。読んだ内容が「知識」ではなく、即「知恵」として定着していくような感覚を覚えます。私は「企画書」というものを書く職種の人間ではないのですが、この本を読み終わって、企画書を書いてみたくなりました。
企画書により、物語を語り、人や組織を動かす。そのための心得。ビジネスパーソンなら必読の一冊。「採用されない企画書は、紙くずにすぎない」厳しいが、常に心に留めておきたい一言。 :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: 【読書メモ】 ●当時の自...続きを読む分のナイーブさに、恥ずかしさを感じます。当時の自分は、「たとえ採用されなくとも、良い企画書は、良い企画書だ」と思っていたからです。その自分が「採用されない企画書は、紙くずにすぎない」という覚悟を教えられた。その覚悟が、それからの私の修行において、大切な支えとなりました。 ●企画力とは、「人間と組織を動かす力」のことである。 ●プロフェッショナルの世界において、「企画力」とは、「企画を立案する力」のことではなく、「企画を実現する力」のことだからです。 正確に言えば、企画を立案し、提案することを通じて、人間と組織を動かし、それによって、企画を実行し、実現する力のことなのです。 ●「理論先行型コンサルタント」や「知識偏向型コンサルタント」は、「言葉が軽い」のです。・・・言葉が軽くなる理由は、二つあります。 一つは、「実務経験の乏しさ」です。正確に言えば「体験の乏しさ」です。企業の現場での「体験」が少ないため、体で掴み取った「智恵」に乏しいのです。 もう一つは、「無意識の無責任さ」です。無意識に「私の責任は企画を立案することであり、それを実行する責任はクライアントにある」と思っているのです。そのため、その企画の実行と実現まで責任を取り切るという覚悟に欠けているのです。 ●こうした問題が生じる原因はいくつかありますが、その一つが、企画部門の「調整能力」の不足です。すなわち、立案した企画について、社内の意見を調整し、各部門の賛同を集め、現場の協力を得るという意味での「調整能力」に欠けているのです。そして、現場の協力が得られず、ときに抵抗に遭うときの原因は、多くの場合、「勝手に立てた企画を、現場に押しつけてくる」という組織心理が産まれてしまうことです。そして、この組織心理の火に油を注ぐのが、やはり、スタッフ部門のメンバーの「無意識の無責任さ」です。 ●企画力とは、人間と組織を動かす力のことである。企画とは、実行されて初めて、企画と呼ぶ。 ●プロフェッショナルは、何によって、人間や組織を動かすのか。端的に申しましょう。「物語」を語ることによってです。 これからの企業や市場や社会で、何が起こるのか。 そのとき、我々に、いかなる好機が訪れるのか。 では、その好機を前に、我々は何を為すべきか。 その結果、我々は、いかなる成果を得られるか。 その「物語」を魅力的に語ることによってです。・・・その「物語」を聞いたとき、多くの人々の間に、深い「共感」が生まれてくる。そうした「共感の物語」を語ることによって、プロフェッショナルは、人間や組織を動かすのです。 ●プロフェッショナルが身につけるべき力量には、二つの力量があるからです。一つが「技術」です。例えば、スキルやセンス、テクニックやノウハウなどと呼ばれるものです。そして、もう一つが「心得」。例えば、マインドやハート、スピリットやパーソナリティなどと呼ばれるものです。・・・身につけた「技術」の奥に、しっかりとした「心得」が備わっていなければならないのです。 ●しばしば見かけるのが、スキルやテクニックはよいが、マインドやハートが無いため、顧客の気持ちが離れていくプレゼンテーションです。例えば、顧客や聴衆に対して「とにかく説得してやろう」という自己中心の強引さが感じられるプレゼン、「教えてやろう」という密やかな傲慢さが伝わってくるプレゼンなどです。こうしたプレゼンは、かならずと言ってよいほど失敗します。 ●「最高の企画書」とは「最高の推理小説」である ●「知識」を学んで「智恵」を掴んだと錯覚するな ●企画書においては、企みを語れ。企みを、面白く、魅力的に語れ。 ●「人間」が面白くないと、「企み」を面白く語れない。「面白みのある人間」とは、「生き様」が面白いのです。・・・ただ「現実」を受け入れているだけの生き様は、面白くない。そして、ただ「夢」を見ているだけの生き様も、面白くないのです。その「夢」と「現実」の狭間で、どちらの極にも流されず、粘り腰で、したたかに、バランスを取りながら歩み続けていく。その生き様は、面白くもあり、魅力的でもある。 ●「何を行うか」よりも、「なぜ行うか」を語れ。「なぜ行うか」を、魅力的に語れ。・・・「企画書」というものが「なぜ行うのか」という「企み」を語るのに対して、「計画書」というものは、「何を行うか」についての詳細を語ります。 ●タイトルで「企み」を語る。それが、最高の「掴み」 ●聴衆が「期待」を持ったならば、そのスピーチは、すでに半分は成功している・・・読み手が、表紙のタイトルを読み、中身に期待を持ったならば、その企画書は、すでに半分成功している。 ●これから何が起こるのか。その「ビジョン」を語れ。 ●読み手に企画書を最後まで読み続けてもらうためには、「自問自答」のスタイルが効果的です。・・・端的に言えば、企画書の各ページの「見出し」で「問い」を投げかけ、「本文」で「答え」を語るというスタイルです。 ●企画書というものの隠れた重要な役割は、「問題を提起すること」なのです。 ●「自問自答」のスタイルで「問い」と「答え」を投げかけ、読み手の「思考の流れ」を導き、「問題意識」そのものを、どのように持つべきかを提案する企画書。それは、ある意味で、「最高の企画書」なのです。 ●「三の原則」を用いて企画書を削れ ・第一の原則/読み手は、一瞥して目に入る文字しか、読まない。 ・第二の原則/読み手の思考は、立体的ではなく、直線的である。 ・第三の原則/すべての項目を「三つ」に整理して書く。 ●もし、我々が、プロフェッショナルをめざすならば、企画書において問題を検討し、それを「箇条書き」にして書くとき、注意しておくべきことがあります。それは、かならず「番号」を打つことです。 その理由は、二つあります。 1)番号を打たないと読み手との議論になったときに、「参照」がしにくいから 2)番号を打たない「箇条書き」は、書き手の「思考の甘さ」が伝わってしまうから ●企画書とは、「一人歩き」するものと思え。そして、企画書とは、「一人歩き」しても、説得力を発揮するものとせよ。 ●「攻め」だけでなく「守り」に強い企画書をめざせ・・・「想定質問」を、「同志」とともに考えることが、非常に大事です。 ●「表の企画書」だけでなく「裏の企画書」をつくれ・・・「社外」ではなく、「社内」を向いた企画書をつくる。・・・その担当者の立場に立って、「社内での協調戦略」に役立つ企画書をつくる。 ●「戦略」という字を見つめてください。それはどのような意味か。「戦い」を「略(はぶ)く」 ●営業担当者を企画会議に参加させよ ●残念ながら、しばしば、そのプロフェッショナルの覚悟を感じない企画書を、目にします。どのような企画書か。「汗をかいていない企画書」です。 ●その企画書が「よく考え抜かれたもの」でないことは、企画書の何気ない部分が伝えてしまいます。それは何か。「誤字脱字」です。企画書の誤字脱字は、その企画書を作成した人間が、どの程度その企画書に時間を使ったかを明確に伝えてしまいます。 ●企画書の目的は、「企画」を売り込むことではない。その本当の目的は、企画の奥にある「人間」を売り込むことなのです。 ● 従って、顧客の立場、関心、要求、そして心境や心情。 そのことについての「明確な仮説」と「具体的なイメージ」を持つこと。 それを持つために、徹底的に考えること。想像力をめぐらせること。 そして、腹を定めること。腹を定めて企画書を書くこと。 それは、絶対に必要なことなのです。 最高の表紙とは、そして最高の企画書とは、 そうした営みからこそ、生まれてくるのです。 ●次のページをめくらせない戦い・・・顧客が思わず次のページをめくりたいと思うほど面白い企画書。しかし、そのページで語られる話に深く耳を傾けたくなるほど面白い説明。すなわち、最高の企画書と最高の説明。それは、まさに「最高の矛盾」を実現するための戦いなのです。 ●企画書の役割とは何か。企画書の究極の役割とは何か。一人のプロフェッショナルとしての思いを込めて、申し上げましょう。「縁」を結ぶことです。
【企画書の書き方】 A.企画力とは「物語のアート」である。「物語のアート」を身につけるには、「物語の技術」と「物語の心得」を磨く必要がある。 B.最高の企画書は、「最高の推理小説」である。ページをめくるたびに先が読みたくなり、気がつくと時間がたつのをさすれているような。 C.「何を行うか」より「...続きを読む何故行うのか」を語れ。 D.表紙:企みを短く、力強い言葉でかたる。1ページ:企みの背景にあるビジョンを語る。2ページ:企みを目標に翻訳して語る。3ページ:目標→戦略→戦術→行動計画 E.企画書の隠れた役割は、問題を提起することである。 F.最も稚拙な受注のやり方は「Can I help you?」であり、最も優れた受注のやり方は「Why don`t you do this?」である。 G.読み手は一瞥して目に入る文字しか読まない。 H.基本ルールは3つに整理。 I.企画書とは顧客企業の組織を説得するものである。
社員が使った時間、注いだ心のエネルギー、その企画に賭けた思いが伝わってくるもの。それが「汗をかいた企画」。つまり「頭と心の汗」をかいた良い企画だ。その反対が「汗をかいていない企画書」。薄っぺらく、考え抜かれていないもの。『誤字脱字』があるということだけで、手を抜いていて、仕事に対して不誠実だというこ...続きを読むとを顕著に表している。正確な仕事の大切さだけでなく、「提出する前に一度も見直しをしなかった」といういい加減な印象を与える。またその企画に対する真剣さも伝わってこない。顧客は、企画書に書かれた企画だけを見るのではなく、本当の目的はそれを実行することにある。実際に売り込んでいるのは、企画ではなく、それを立案し、提案し、実行する「人間」だ。・・・そう考えると、提案書、原稿、日々の書類、なんにでも当てはまる。ダメだしされるのにはそれなりの理由があるってことがわかる。まじめに取り組んだかが全て表れてるってことだ。
企画力には、実行力も含まれる。 実行されなければ、企画とは言えない。 しかし、いまは企画を立てることと、実行することが切り離されている。 この知行分離が現代の病だ。
実行力の原動力になるものが企画。それには、物語性を持たせる。夢を見させるのだ。それは芸術のように美しいものであるといいい。でも、夢だけでなく、現実ともバランスのとれた中庸の道を保つべし。 また、自問自答も大切な手段である。 なぜを追求し、顧客に興味を持ってもらわないといけない。それには、問題提起をす...続きを読むる必要がある。 企画には、自立性が必要であって、説明資料となってはいけない。単独で一人歩きできるものにしないといけない。 個人的にもっとも大切なのは、個人技に頼らないこと。
・「最高の企画書」とは「最高の推理小説」である ・「何を行うか」よりも「なぜ行うか」を語れ ・タイトルで「企み」を語る。それが、最高の「掴み」 ・社会や市場や企業に「これから何が起こるのか」、その「ビジョン」を語れ。 ・「企み」を構造化された目標に翻訳せよ ・読みやすい企画書は「自問自答」のスタイル...続きを読む ・「三の原則」を用いて企画書を削れ ・関係者からの想定質問に耐えうるように「ディフェンシブ」な姿勢で見直す ・以下の順で書く 表紙のタイトルで「企み」を短く、力強い言葉で。 第一ページで「企み」の背景にある「ビジョン」を。 第二ページで「企み」を「目標」に翻訳 第三ページからは「目標」⇒「戦略」⇒「戦術」⇒「行動計画」
良い企画書とは、「採用される企画書」である。いくらプロセスが良くても、使われなければその企画書はゴミでしかない。表紙のデザインから、その内容に至るまで、共感が人の心を動かす。
"採用されない企画書は、紙屑でしかない" プロとしての覚悟を持ち続ける意思と、紙屑となったものを踏み越えて、より洗練し、積み上げていく知識と経験から発せられる言葉にまとわれる重みと力強さ。 人間を相手にすることの現実。 持てるものを費やし、汗をかくことを厭わず、為したいこと事を説...続きを読むく。 ゴールではなく、スタートラインに立つ事。 見失うことのないように、刻まねば。
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