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1949年に誕生した国鉄は、復旧途上の設備で旅客・貨物輸送を一手に担い、戦後の高度成長を支え、新幹線もつくった。「鉄道は国家なり」であった。だが交通手段の多様化でシェアは低下、自立的な経営もままならず、赤字が雪だるま式に増え、労使関係も悪化、ついに1987年に分割民営化された。今、人口減、IT化、コロナ禍を受け、鉄道は再び危機に瀕している。国鉄の歴史に何を学ぶか、JR九州初代社長が明かす。
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Posted by ブクログ
筆者はJR九州の初代社長です。 国鉄のときは、乗客のことを「利用客」と呼んでいたのをJR九州が発足したときに「お客さま」と呼ぶようにした、ということが書かれていて印象に残りました。 横軸にJR各社の営業エリアの人口密度、縦軸に各社の収支率のグラフがあって、きれいな右肩上がりの直線になっていました。J...続きを読むR北海道が一番左下でJR東海が一番右上にありました。 JR北海道の営業苦戦のニュースを時々目にしますが、仕方ないのかなと納得しました。 日本は人口が減少していくので、これからは新幹線を貨物輸送に使うなどしていく方向に進むべき、と書いてありました。
元国鉄→分割後のJR九州初代社長が綴る国鉄の歴史と分割の内情。当事者として関わった中の人が書いているので迫力があります。JR東日本が湘南新宿ラインを作った背景や、JR九州がユニークな観光列車や不動産事業に投資したのかなど、現在の戦略の下地がわかるのも面白いのです。
中の人の回顧録だけではなく、今後の提言もあってバランスのいい展開だった。 提言が的を得ているかはかなり怪しいが。
今年は日本に鉄道が出来て150年。新聞や学校制度も同じ年に生まれています。日本を近代化するためのインフラ3点セットが同じ年に誕生したことを偶然にも、当然にも感じます。日本の隅々まで行き渡る鉄道網は近現代史の主役だったと思います。一方で今年、東北を旅した際、初めてBRTに乗車し鉄道の路線跡をバスで移動...続きを読むしながら地方の鉄道はこのシステムに乗り替わっていく予感に囚われたりもしました。150年の歴史のうち1949年から1987年の38年間だけ存在したのがJRと呼ばれる前の国鉄でした。その日本で一番大きい会社のクロニクルがこの新書です。去年の自分の中での新書ベストの「サラ金の歴史」や今年のベスト候補の「日本共産党」と共通して新書ならではの早送り感が心地よく、しかも日本の近現代史とのシンクロ感が深い一冊です。著者は民営化後のJR西日本の社長を担った人ですが、本書でも問題にされる三島会社であることや出自が技術畑であることによる距離感によるものなのか、立場によって見え方が違うこの公社の運命をバランスよく語っていきます。以前読んだ『暴君:新左翼・松崎明に支配されたJR秘史』のような濃厚な読後感ではありませんが、しかし、そもそも様々な矛盾を背負った国鉄という企業に対する苦い想いも響いてきます。特に国鉄が生まれるタイミングやJRに分割される時の分割の仕方については強い想いを感じます。そこには貨物物流という旅客視点では見えてこないテーマも含まれます。今年、よく報道されている路線別収支も自分が感じたBRT化のためのプロモーションにも思えてきました。実は本書、旅の途中で読む本が無くなって駅の構内の本屋さんで購入したのですがこういう本にすぐアクセス出来るって、日本すごいと思いました。
鉄道開業150年というタイミングで刊行されたこともあって、ややミーハー気分で購入した書であったが、ずっしりと読み応えのある内容であった。 新幹線物流の可能性に賭ける思いが良く伝わった。
書店で見掛けて興味を覚え、入手して紐解き始めた。本書の各章を実に興味深く読み進めた。出逢って善かったと思える一冊だ。 「国鉄」というモノが「分割民営化」で「JR」になってから既に三十数年なので、「全然知らない…」という人達の世代も広くなっていると思う。が、「国鉄」は日本国内で非常に大きな存在感を示し...続きを読むていて、後にも先にも「日本最大の企業」であったと考えられる。そしてその「国鉄」には、栄枯盛衰の様々な経過が在った。 本書では実に広範な話題について、非常に興味深く綴られている。 「国鉄」という略称でよく知られる「日本国有鉄道」という“公社”の体制が登場する以前の、昭和10年代の戦時体制下の色々な要因で疲弊した鉄道の様から、草創期の「国鉄」の状況等に関する話題が在った。 東海道新幹線が実現して行った経過、その大きな“達成”と、裏側で生じていた“問題”という話題が在った。 蒸気機関車が退場して行くことになる中でのディーゼル機関車やディーゼルカーの開発に纏わるような話題が在った。 「国鉄」の現場の様子、労使関係、複数在った“労使交渉”の主体になっていた組合、労使の対立ということに留まらず組合間の対立も存在していたというような話題が在った。 貨物輸送に関して、国内の輸送需要の中で圧倒的な部分を占めていた時代の後、ドンドンと占める部分が小さくなってしまって行ったというような話題が在った。 「国鉄」の部内に見受けられた様々な問題と、経営再建の難航、「分割民営化」への経過というような話題が在った。 「分割民営化」の後に登場したJRに関すること、更に昨今のJRの状況やという話題が在って、加えて鉄道の未来に関する提言も在った。 大雑把に振り返って、これだけの豊富な話題で、実に読み応えが在った。 著者は、所謂“キャリア”として国鉄に入社し、技術者として車輌開発に携わり、やがて様々な現場の管理職を務めるようになって行ったという方だ。国鉄の最末期には、首都圏本部長を務めていたが、部内の事情によって九州総局長に異動し、JR九州の準備に携わった。そしてJR九州の初代社長を務めたという。 こういうような著者で、鉄道の歴史に纏わる著作や、鉄道に関連する提言等も多くしている方であるという。本書に関しては「現場での様々な見聞や経験が在る者のみが語り得る…」というような内容も多く交っていて、実に興味深かった。 そして本書では、「国鉄」が「巨大に過ぎる硬直化した機構」であるが故に、色々と不具合が生じ、不具合を修正し悪くなり、現場の荒廃というような情況も見受けられた旨が語られる。こういうことを通じて「1940年代後半から最近までの我が国の社会?」という問題提起もしているかもしれないと思いながら読み進めていた。 鉄道の未来に関する提言ということでは、JR各社の中で“問題”が殊更に大きいように見受けられるJR北海道に関する事柄、北海道での鉄道による物流の可能性に関する話題が興味深かった。 また、鉄道の未来に関して、著者は「新幹線を物流に生かす」ということが必要であると強調していた。 非常に読み応えが在って興味深い一冊なので、広く御薦めしたい。
【星4.0】 国鉄→JR→現在と今後の課題、という感じで国家の鉄道網でについて語っている。 「国鉄」という響きの懐かしさからなんとなく手に取ってみたのだが、国鉄が抱えていた超ド級の問題、現状のJRの問題など、身近な鉄道について知らないことが多々あるという気付きに繋がった。
230314016 国鉄〜JRの歴史を踏まえて、これからの鉄道の未来を語る。国が関わってきたからこそ今のJRがあるのだから、地域と鉄道の未来について国や地公体自身がより深く考えることが必要。
国鉄の技術系職員出身でJR九州初代社長を務めた著者が、自身の経験も踏まえて約半世紀の国鉄の歴史を振り返り、JRの将来に向けて提言。 官僚主義的で中央集権・セクショナリズムが蔓延り、人を生かせなかった国鉄の組織経営的問題は、他の組織にも教訓になると感じた。 また、鉄道政策は、誰もが思いつきレベルのこと...続きを読むは言えるが、そう簡単にはいかない、なかなか奥が深いものであるということを感じた。 「新幹線物流」の推進など、著者の提言にも納得感があった。 車両の話なども豊富で、鉄道ファンなら一層楽しめると思った。
国鉄について、民営化に至った経緯、抱えていた問題点について、様々な視点からまとめられた内容でした 更に途中、著者が関わったディーゼル機関車開発の逸話も、私自身がエンジニアということもあり、かなり興味深い内容でした 物心ついた時が丁度JR発足間もない頃だったこともあり、国鉄の印象はほとんど無い状態...続きを読むでしたが、まさかこんなに桁違いな問題点をたくさん抱えていたとは思いもしませんでした 現在のJRの姿から考えると想像できません また、最後の方には未来への提言についてもまとめられていました。ものすごくグローバルで長期的な視線で考察されている内容でとても面白かったです 人口減少にIT化、DX化に向けて、旅客中心から貨物輸送中心へ転換を測ることが重要であること、そうすることで、環境対策にもつながると言うことが書かれておりとても興味深く、未来に向けた視野も広がった気がします
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国鉄―「日本最大の企業」の栄光と崩壊
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石井幸孝
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