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2015 年ごろから国内でもブームとなったフィンテックでは、数多くのスタートアップが誕生したほか、メガバンクや地銀、大手の証券・保険会社に加え、通信キャリアなども巻き込み、大きなトレンドとなった。
本書のテーマである「エンベッデッド・ファイナンス」は、日本語では「組み込み金融」、「埋め込み金融」、あるいは「モジュラー型金融」などと呼ばれ、「金融以外のサービス提供企業(非金融企業)が、既存サービスに金融サービスを組み込んで金融サービスを提供する」ことを意味する。
代表的なサービスとして、EC サイトが提供する「後払い(決済)」サービスなどが挙げられ、フィンテックの次の一大トレンドとして注目されつつある。エンベッデッド・ファイナンスに対する取り組みはフィンテック同様、欧米企業が進んでいるが、国内企業もメルカリ(メルペイ)の「ふえるお財布」(資産運用サービス)やファミリーマートによる消費者金融事業への参入など、動きが盛んになっており、2021 年以降、金融機関はもちろんのこと、小売・通信・サービス・航空・ITといったさまざまな業界の企業を巻き込み、大きく進展していくと予想される。
本書では、エンベッデッド・ファイナンスの定義、背景などの基本から、国内外の具体的なサービスの紹介、AFA の取り組み、金融/非金融企業それぞれが考えなければならない対応策など、さまざまな観点から世界的に大きな盛り上がりを見せているエンベッデッド・ファイナンスの世界を詳細にレポートする。
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Posted by ブクログ
エンベデッドファイナンスの衝撃
近年のエンベデッドファイナンスの世界での流れや国内での流れについて幅広く書かれている。エンベデッドファイナンスとは何なのかを理解したい人にはうってつけの本であると感じる。エンベデッドファイナンスとは、一言でいうならば「人々の活動のコンテキストの中に金融体験を埋め込む(エンベデッド)ということ」である。では、なぜそんなことをするのか、それは経済活動のさらなる活性化のためである。現時点において経済活動が不活性化している原因があるとすれば、それは「カゴ落ち」をいう言葉に尽きる。「カゴ落ち」とは、何かを買おうとして買い物カゴにいれるのであるが、カゴに入れている間にいくつかの障壁を超えられず、結局買わずに終わってしまうことである。エンベデッドファイナンスの第一の目的は、購入までの導線の障害物をできるだけ取り除き、カゴ落ちを徹底的に減らすことである。例えば、何か買いたいけど今お金がないという場合には、その時点での利率で即座に融資を提案したり、分割払いや後払いを提案する。そして、その手続きも従来の細かい情報インプットなどはなく、既にそのインターフェイス上で受け取った情報をベースにして即座に行われることが基本である。コンテキストの中で行う上で、タイミングが何より重要であり、顧客の購買意欲が最大限に高まったタイミングを逃さないことがポイントだろう。こうした点でも、エンベデッドファイナンスの次の重要な点はタイミングとパーソナライズである。パーソナライズとは、それまでの行動や既にインターフェイス上に打ち込んだ情報から、すぐに金利や保険料率を提示することである。イメージとしては常連の美容室などに行った際に、自分の頭の形やいつもの髪型を理解している担当者が、阿吽の呼吸で物事を行ってくれているような形である。また、パーソナライズと言う観点では、性別や年収などの一般的な情報だけでなく、これまでのアクティビティデータやアクティビティログを参照するという点も画期的である。例えば、テスラの自動車保険では、テスラの車の運転データのよって保険料率を決定する。「あなたが誰であるかよりも、あなたがどのように運転するか」を評価するというコンセプトは、顧客の理解を得やすいであろう。
Posted by ブクログ
エンベデッド・ファイナンスについてよくまとまっている本。こういう本の傾向として旬を過ぎると読めなくなるけれど、まだ発売から1年ぐらいなので読むことができる。加えて著者が各ビジネスの構造をよく捉えているのも時の経過に抗える要因だと思う。
金融機関は土管化するかしないかというのは難しい問題。路面店もなく人件費負担が軽いGMOあおぞらのような新興は完全に土管化に舵を切れるけれど、ブランド力のあるメガはともかく、地銀はなかなか厳しいだろう。土管になりたくても土管として使ってくれる企業が少ないだろうし、土管になりきるには既存ビジネスをどうするのか問題がある。考えられるのは、路面店はサービス拠点にしてしまってコミュニケーションメインとし、定型業務は新銀行などのネットに移す。その先で地元企業などを相手に財務や資金繰り相談を含むコンサルサービスを提供するなどだろうか。それでも資金の供給源である個人顧客が今まで通りメイン口座として使ってくれるのかとか色々と気になる問題はある。
いずれにしても、最近のエンベデッド・ファイナンスの潮流を把握するにはいい本だし、ビッグテックが金融で圧勝するわけではないという点を理解する上でもいい本だと思う。
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ビジネス・実用
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