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すべてがオンラインになる「アフターデジタル」の世界では、産業構造が大きく変わり、従来支配的な地位にあった企業がそうではなくなってしまいます。大企業にとっては大きな変革の必要を迫られる危機であり、同時に新たなステージに上がる機会とも言えます。著者の前著『アフターデジタル』『アフターデジタル2』にはビジョンや思想が語られていますが、実践するには具体的な方法論が必要です。それが本書で解説する「UXグロースモデル」です。
「アフターデジタル」という言葉を打ち出したビービット社内で使われている手法をまとめたもので、前著を読んで「危機感を抱いたが、どのようにすればいいのか分からなかった」という読者にとっては待望の本といえます。
中心にあるのは「UX」です。本書でいう「UX」とはデザインやアプリの使いやすさに留まらず、価値やビジョンをどのような体験で包括的に具現化するのかという意味であり、方法論の名称に使われるほど重要です。
また、方法論の前提として、「新たなユーザー理解」が説明されています。これは、人の購買行動などを理解する考え方を指し、「従来の考え方は間違っていたのではないか」と主張しています。これまで疑問を抱くことなく採用されていた「心理探究型」を「メカニズム解明型」に変えるべきであるという主張ですが、ただの主張ではなく論理的な説明になっているため、ここだけでも本書を読む価値があります。
アフターデジタル「初の実践書」である本書が多くの企業でバイブルのように使われたなら、デジタルビジネスで出遅れた日本企業の立ち位置が変わるかもしれない。そんな期待を抱かせる1冊です。
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
Posted by ブクログ
デジタル担当とか関係なく日本の全会社員に読んでもらいたい本です。
難しそうなタイトルだけども、とても読みやすく、わかりやすいです。
まず章末に必ずまとめが書いてあって、それがひたすらわかりやすい。
そしてところどころ挿入してある図もわかりやすい。
方法論だけでなく、具体例もいちいち書かれていて、自分の仕事だったら?と考えながら読み進められます。
忙しい人はまとめと図だけでもいいから目を通せばいいのではないでしょうか。私はじっくり読みました。
そもそもの話ですが、日本でDXというと、いわゆる【企業】の業務改善などでデジタル磁術を導入してDX化したという認識なのですが、本来は【ユーザー】の生活そのものデジタルを使ってトランスフォーム、豊かなものにしていこうぜ、という【起点】が違うのをまず認識すべきなのです。
そして、ユーザー体験の品質でデジタル大国に遅れをとってしまっているというのは、中国と日本を比較すれば一目瞭然だし、中国の例は「アフターデジタル」にも書いてあったと思います。
じゃあ、顧客体験(UX)を起点としたDXを推進するために、企業はどうすればいいか、というのが本書に書かれています。
その核となるのが、「バリュージャーニー型」と言われるユーザーの本質的な価値を提供するビジネスモデルです。
ナイキの例でいうと、「走りやすいシューズ」を提供するのではなく「コンディションの維持」をするために必要な体験(シューズ、アプリ、イベントなど)を一連で提供する、というものがこれに当たります。
バリュージャーニー提供型に転換できなかった企業は、(シューズ、アプリ、イベントなど)個々の機能提供側になることになります。これは悪いことではないけど、企業の意思決定者は自社がどちらの立ち位置にいるべきなのか、方向性を考え、共通認識として持っておいた方がいいと思いました。
Posted by ブクログ
■ニールセン・ノーマングループにおけるUXの定義
ユーザーエクスペリエンスとは、エンドユーザーと、企業およびそのサービスや製品とのインタラクションにおける、あらゆる状況を包括したものである。典型的なユーザーエクスペリエンスの第一要件は、いら立ちや面倒なく、顧客のニーズを正確に満たすことである。次に、所有や利用の喜びをもたらすプロダクトを生み出すような、シンプルさと気品が求められる。真のユーザーエクスペリエンスとは、単に顧客が欲しいと言ったものを提供したり、顧客が期待した機能のリストをただ提供したりするようなことよりもはるか先を行く。企業が質の高いユーザーエクスペリエンスを実現するには、多くの専門分野、例えばエンジニアリング、マーケティング、グラフィックデザイン、工業デザイン、インターフェースデザインなどをシームレスに統合することが必要である。
■DXとは
「デジタル技術を活用し、提供するユーザー体験および従業員体験を成長・進化させることによって、ユーザーとしての人々と、従業員としての人々の双方の生活に新たな成功をもたらす存在へと企業が変化・変身すること」
■人間の行動と選択は
「人間の心・深層心理(価値観、性格、信念、潜在ニーズ)」のみによって決まるのではなく、実際には「その瞬間に人間が置かれている状況・文脈」に極めて大きな影響を受ける
■「メカニズム解明型」のUX企画立案プロセス
「(1)ユーザーが成功を目指す道のりの中で遭遇しているペインポイント(=不自由や貧しさを感じる瞬間)を特定し、(2)そのペインポイントを発生させているメカニズムを解明すれば、UX企画の立案につながるインサイトを得られる」
■「既存サービスを抜本改善するUX企画」を立案する方法論
STEP1:行動フローの特定
STEP2:ペインポイントの抽出・構造化
STEP3:ペインポイントの発生メカニズムを理解
STEP4:UX企画の立案
STEP5:UX企画の評価・選別
STEP6:UX企画の統合・ジャーニー設計
■「既存サービスを抜本改善するUX企画」を検証・精緻化する方法論
STEP1:プロトタイプへの落とし込み
「コンセプトシート」を作成する
作業のコツ①ユーザー体験の解釈の余地をなくす
作業のコツ②UXの品質を担保できる根拠を明記する
作業のコツ③利用コストを明記する
作業のコツ④分業しない
STEP2:ユーザー調査
WHYを尋ねるのではなく、メカニズム探求型の枠組みにそって事実を集める
作業のコツ①事前の仮説を高い解像度で把握してからインタビューに臨む
作業のコツ②1日当たりのインタビュー人数は少なくする
STEP3:調査結果の分析・解釈
STEP4:UX企画のアップデート
■UX改善を着実に積み重ねるには
ポイント①設定した行動フローにおけるユーザーの行動の流れをデータで明らかにする
ポイント②明らかにしたユーザーの行動の流れを、ユーザーの立場に立って主観的に追体験する
■シーケンス分析
ポイント①現状のUX理解に絶対的な正解を求めない
ポイント②客観的な裏付けが必要な場合は、シーケンスの発生量を算出する
ポイント③新たにUX改善業務を構築せず、現行の業務サイクルに当てはめる
■行動ギャップの発見・要因分析
STEP1:シーケンスデータの観察・行動ギャップの発見
STEP2:行動理由の推察
STEP3:10人分繰り返し
【期待】ユーザーが( )と思っている中で
【顧客接点】現状の顧客接点が( )という作り・見せ方になっているため
【反応】ユーザーが( )と感じて/反応して
【行動】このような想定外の行動に至ったのではないか
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ビジネス・実用
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