埴沙萠の作品一覧
「埴沙萠」の「足元の小宇宙 82歳の植物生態写真家が見つめる生命」「きのこ ふわり胞子の舞」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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Posted by ブクログ
たんぽぽの絵本はたくさんあり、特に平山和子(福音館書店)の『たんぽぽ』は科学絵本の名作だと思う。
たんぽぽ絵本は絵で描かれたものが多いので、これはその点でも貴重だと言える。
埴沙萠(1931〜2016)は植物の写真家で多くの写真絵本を残している。
この本は彼の写真から再構成された本。埴さんの写真を活かして、幼児から楽しめる絵本になっている。
見返しの、たんぽぽより下のアングルから撮った写真(地面に這いつくばって撮っただろう写真)は真っ青な空に向かって伸びるようにたんぽぽの花が咲いている。花にピントが合っているが、茎に生えている毛まで写っている。空とたんぽぽの分量が絶妙。
裏表紙の着地したタネに水滴が宿って、その水滴の中に空と木と太陽が逆さまに映っているのも素晴らしい。
根がまっすぐ地下に伸びていく様子はたんぽぽ絵本では定番で描かれているが、絵ではなく写真で捉えているのもすごい。深いガラスケースとかに移し替えて撮ったようには見えない。切れ切れになった根っこから芽が出てくるところも。地面を(何度も)掘って撮影したとしか思えない。
鈴木純さんがさまざまな植物で花を一つ一つ分解して並べるのをやっているが、埴さんが先駆者だということもわかった。
たんぽぽのライフサイクル、たんぽぽの生き残り作戦、その観察結果として「ひとがすき」という結論も納得できる。
埴さんの写真を知らない若い親や子どもたちもこの本で出会えると思うと嬉しい。