作品一覧

  • 日露戦争史 20世紀最初の大国間戦争

    日露戦争史 20世紀最初の大国間戦争

    ビジネス・実用

    4.1
    1巻814円 (税込)
    日露戦争は、日本とロシアにとってそれぞれにきわめて影響の大きい戦争であったが、客観的になかなか評価が確定していない。戦後一〇〇年にあたり、その地球規模での意味に言及する試みがなされているが、本書は、ロシア近現代史の視点も含めて、戦争の背景・経過・影響を通覧しようとするものである。双方の認識に極端な差があったことが、戦争の帰趨にどのように影響を及ぼしたかを明瞭に伝える。
  • スターリン 「非道の独裁者」の実像

    スターリン 「非道の独裁者」の実像

    ビジネス・実用

    4.1
    1巻990円 (税込)
    「非道の独裁者」――日本人の多くが抱くスターリンのイメージだろう。一九二〇年代末にソ連の指導的地位を固めて以降、農業集団化や大粛清により大量の死者を出し、晩年は猜疑心から側近を次々逮捕させた。だが、それでも彼を評価するロシア人が今なお多いのはなぜか。ソ連崩壊後の新史料をもとに、グルジアに生まれ、革命家として頭角を現し、最高指導者としてヒトラーやアメリカと渡りあった生涯をたどる。

ユーザーレビュー

  • 日露戦争史 20世紀最初の大国間戦争

    Posted by ブクログ

    横手慎二「日露戦争史」(中公新書)
    19世紀末は植民地戦争は多くあったが、大国間の戦争はあまり起きなかった。日露戦争は久しぶりに起きた大国間の全面戦争だという。本書はロシア側の資料も駆使して、日本とロシアの思惑のすれ違い、英国の事情などから日本とロシアが戦争に入っていく過程を丁寧に説明している。日本もロシアも決して一枚岩でなく政治家や軍首脳にもさまざまな思いがある。著者は軍事史家ではないが戦争それ自体の経過もよく理解できるし、双方が消耗して講和に至る過程や、そこでまた思惑がずれる様子も描写されていく。

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    2026年02月12日
  • スターリン 「非道の独裁者」の実像

    Posted by ブクログ

    人間の評価は、善悪どちらかになかなか割り切れるものではない。

    ソ連の重工業化を推し進めて軍事大国に成長させた指導者スターリンにも、それは当てはまる。

    高みの見物を決め込んで世界史の三大悪人を決めるなら、必ずその中にランキング入りするであろう。

    重工業化のために農村を犠牲にし、それに反発する多くの農民は簡略な裁判でシベリアの流刑地送りにされた。

    半強制的な穀物徴発と、重工業化の資金獲得のために必要な外資導入のための飢餓輸出は、数百万とも言われる餓死者を生んだ。

    反革命的な者は粛清し、同じ共産党幹部であっても、自分の地位を脅かす危険性を少しでも感じたのなら、アンチのレッテルを貼り付けて、処罰してしまう。

    非人道的なスターリンの恐怖政治には、決して正当性を与えることはできない。

    ただし、スターリンが急進的に推し進めた重工業化が、第二次世界大戦での勝利を支えたのは間違いなく、ナチスとの戦いを「大祖国戦争」と名づけ、ナショナリズムを鼓舞してヒトラーとの戦争に劇的勝利をもたらした指導者であることも、揺るぎない事実である。

    純粋な悪と決めつけ、思考停止に陥った歴史的評価を鵜呑みにするのではなく、知って、考えて、自分なりの結論らしきものを持てるようになりたいものである。

    面白く、考えさせられる好著でした。

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    2026年01月28日
  • スターリン 「非道の独裁者」の実像

    Posted by ブクログ

    スターリン
    「非道の独裁者」の実像
    著:横手 慎二
    中公新書 2274

    スターリンがヒトラーとともに20世紀を代表する独裁者である
    だがヒットラーは死に、スターリンは、その生を全うした
    農民を弾圧し、急速な工業化を成し遂げ、欧米に対抗する力を得たソ連は、反体制派や非協力者をシベリアに抑留して体制を維持した。それは、スターリンの指示によるものだった。

    気になったのは、以下です

    ■スターリンの成長

     ・スターリンとは、鋼鉄の人を意味する。本名は、ソソという
     ・レーニンの片腕となり、革命家として成長していく
     ・レーニンたちは、ヨーロッパの同士と連携して革命を進めてしようとしたが、スターリンは、ロシア一国で革命を進めることを目指した

    共産党の変容
     ・共産党の階層化
     ・国家機関の再編、共産党の一党支配へ
     ・国家機関の共産党による人事権の掌握

    ■スターリンの功績

    ソ連を農業国から、工業国へと転換するために、漸進的な工業化政策の転換
     ・ソ連は列国に対抗するために、速やかに工業化を目指さなければならなかった
     ・そのためには、農産物を売って、外貨を稼ぎ、水力発電所や鉄道を建設した
     ・農産物を隠そうとした農民を弾圧し、抵抗したものを、シベリアに流刑にし、また、粛清した
     ・重工業部門への投資を優先したがために、軽工業への投資がおざなりになり、日用品の不足が慢性化した

    飢饉
     ・農民から穀物を収奪した結果、ウラルやウクライナ、ヴォルガ地方で飢饉が始まった
     ・農民が、農村から出て行くことを禁止し、極秘指令を出し、北カフカースやウクライナの農民を弾圧した
     ・飢饉でなくなったのは400万人から500万人と推定される、それは、第一次世界大戦で死亡したロシア国民より多くのソ連人が命を落としたのである

    大粛清 
     ・処刑された女性は数万に及ぶ
     ・その中には、政治犯以外にも、聖職者や海外に親類縁者を持つ者、敵側の諜報員と連絡を取っているのではないかと疑われて、弾圧されて人々も入っている
     ・こうして、政治的な理由で逮捕されたのは、134万人に達し、そのうち68万人余りが処刑された

    強制移民
     ・中央アジアの少数民族の強制的追放政策を強力に推し進められた
     ・この地域に住んでいた、チェチェン人、ツングース人、バルカル人、カラチャイ人、カルムイク人は、ドイツ兵に協力した者がいたとして、これらの民族をはるか遠方に追放する策を勧めた
     ・ソ連国内の朝鮮人、ヴォルカ地域のドイツ人、バルト地域の3民族、ポーランド人などソビエト体制の敵になる可能性があるとみなした民族に対して、同様の追放措置をとってきた
     ・第二次世界大戦後、ユダヤ人排斥運動がおきた

    フルシチョフのスターリン批判
     ①スターリンの粗暴さ
     ②キーロフ暗殺以降の大粛清
     ③第二次世界大戦期のスターリンの失敗
     ④戦中、戦後の個人崇拝

    戦後のスターリンの妄想
     ・戦後のソ連は、ドイツと日本からの報復攻撃を極端に恐れていた

    目次
    はじめに
    第1章 ゴリの少年
    第2章 カフカースの革命家
    第3章 コーバからスターリンへ
    第4章 ロシアの革命と内戦
    第5章 権力闘争の勝者
    第6章 最高指導者
    第7章 ヒトラーとの戦い
    第8章 アメリカとの戦い
    終章 歴史的評価をめぐって
    おわりに
    主要参考文献
    スターリン関連年表
    主要人名索引

    ISBN:9784121022745
    出版社:中央公論新社
    判型:新書
    ページ数:320ページ
    定価:900円(本体)
    2014年07月25日初版
    2018年08月30日6版

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    2024年07月01日
  • スターリン 「非道の独裁者」の実像

    購入済み

    ロシアの源流?

    悪の権化といえば思考停止。そんな自分が本人に迫った。実は多くの知識や思想が彼を作り上げていた。必読すべし

    #タメになる

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    2023年11月04日
  • スターリン 「非道の独裁者」の実像

    Posted by ブクログ

    あらゆる世界史に出てくる登場人物の中で最もヤバイ人「スターリン(鋼鉄の人)」の出生から没後まで。

    私達非ロシア人のぼんやりとした「独裁・粛清・虐殺の歴史的極悪人」と現代のロシア人一般市民との間でどうしてこれ程スターリンの評価に乖離があるのか(未だに人気は高いとか、賛否両論分かれるとか、少なくともシンプルに完全無欠の最大悪呼ばわりされることはない未解決の歴史評価といえる)に一つの納得を与えてくれる実に良いバランスの本。

    敬虔な母に良かれと思って神学校へ進められた美しい詩を紡ぎ比較的優等生といえるグルジア人少年「ヨシフ・ジュガシヴィリ」から体制(少年の彼にはとってそれは例えば神学校だ)への不審とそれでも母との親密さ故にそう簡単に爆発には至らぬ葛藤を持つ「ソソ(冒険小説から)」へ、反骨の問題児となり退学後は猛烈なロマン・理想・美意識・思想そして不屈の実行力をもとに革命やひたすら邁進する「コーバ(冒険小説から)」そしてついに至る「スターリン(鋼鉄の人:の意、ジュガシヴィリよりはよりロシア人らしい響きではあるものの普通人名に使う言葉ではないという)」への道、そして第二次世界大戦・冷戦・没後の歴史的評価の混乱へと進む。

    特にやや「ロマンに過ぎる」ところすら感じる使命感に燃えた革命思想の「コーバ」時代の、常人なら絶対に折れている度重なる流刑とシベリア送り、その度の脱走と、内部からの密告で破られる何度でも破られる変装(本当に何なんだこの不屈の精神力は)、死を覚悟して金を無心する程の(しかもその手紙を送った相手は実はスパイだった)状況に追い詰められ、当然の如く陥る人間不信故のロマンからリアリズムの人「スターリン」へと至る道は凄まじい。

    スターリンに至る頃にはロマンや理想といった遥か彼方の「目的」の為にはもはや一切の「手段」を選ばぬ歩くリアリズム、文字通り鋼鉄の人に至っており、その際の高速で180°転換も厭わない実行手腕の貫徹したリアリズムからはもはやロマンの欠片も感じられない。「ソヴィエト」絶対死守の目的とした工業化の為に、これ程大量の人命を失う事への躊躇の無さ、権力闘争を勝ち抜く為のあらゆる手段のこれまた躊躇の無さ、ロマンなき故に誰にも信頼も寄せずよくもまぁこれ程までと驚く程の徹底的な粛清、晩年のヒトラーの姿もやや感じさせる噴出する猜疑心と狼狽の姿に、やはり私の少ない世界史知識の中ではあらゆる意味で最も「ヤバイ」人であることが再確認出来たと思う。

    ではスターリンがいなかったらロシア・ソヴィエトはどうなっていたのか?「歴史にifはない」というこの「歴史のif」と現実に向き合い続けなければいけなかったのがスターリン亡き後のソヴィエト連邦であり現在のロシアである。これに比べれば「ヒトラーがかの交通事故で死亡していたら」のifや、「神国日本ではない大日本帝国」のifの方がまだ簡単に見える程の大難題に感じる。前者は少なくともホロコーストは起きなかったであろうし、なんといっても前者も後者あそこまでヤラかしてドイツも日本も「敗けて」いるのである。しかしスターリンはありとあらゆるものを犠牲にしながら工業化を押し進め、歴史に残る甚大なる犠牲の上で戦争に「勝った」のだ。ではロシア・ソヴィエトはあの状況であの工業化なくして勝利はあったのか(ここにはヒトラーが存在するという前提があり、ifは二重になり更にややこしい)?では戦争に勝利できたならこれ程の犠牲は「致し方なかった」で済む話なのか?ではゴルバチョフが声明を出したように「良いところも悪いところもあった」で済むような次元の話なのか?現在も続くスターリンに対する正当な歴史的評価は最後まで読んでも私には判断出来なかった。

    とはいえ、今でもロシア国内でスターリンの評価がこうして国内外とで大きく分かれる理由の一旦は確実に一つ掴むことが出来た実感がある。

    本書は資料の少ない少年・青年時代の動向をよくぞここまで詳細に、という点もありつつも、むしろ資料が揃っているはずの「スターリン」時代の動向・思考への記述の少なさがやや気になるものの、著者としては「それは既にありとあらゆる世界で論じられきっているので」という前提なのだろうと納得し、己の基礎知識の無さを恥じ入るのみである。

    個人的に、これで大日本帝国・ナチス ヒトラー・ソヴィエト スターリンについての書籍をざっと読み終えたことになるけれど、こうなるとその前提としての世界大恐慌が社会に与えたインパクトと、スターリンに続く毛沢東の知識がなければ理解できないことが多すぎることに気付き(そしてもちろんチャーチルにルーズベルトにも理解が足りない)、読めば読むほど分からない部分が増えていく混乱にのまれている正月だった。

    0
    2022年01月10日

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