横手慎二のレビュー一覧
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人間の評価は、善悪どちらかになかなか割り切れるものではない。
ソ連の重工業化を推し進めて軍事大国に成長させた指導者スターリンにも、それは当てはまる。
高みの見物を決め込んで世界史の三大悪人を決めるなら、必ずその中にランキング入りするであろう。
重工業化のために農村を犠牲にし、それに反発する多くの農民は簡略な裁判でシベリアの流刑地送りにされた。
半強制的な穀物徴発と、重工業化の資金獲得のために必要な外資導入のための飢餓輸出は、数百万とも言われる餓死者を生んだ。
反革命的な者は粛清し、同じ共産党幹部であっても、自分の地位を脅かす危険性を少しでも感じたのなら、アンチのレッテルを貼り付けて、 -
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スターリン
「非道の独裁者」の実像
著:横手 慎二
中公新書 2274
スターリンがヒトラーとともに20世紀を代表する独裁者である
だがヒットラーは死に、スターリンは、その生を全うした
農民を弾圧し、急速な工業化を成し遂げ、欧米に対抗する力を得たソ連は、反体制派や非協力者をシベリアに抑留して体制を維持した。それは、スターリンの指示によるものだった。
気になったのは、以下です
■スターリンの成長
・スターリンとは、鋼鉄の人を意味する。本名は、ソソという
・レーニンの片腕となり、革命家として成長していく
・レーニンたちは、ヨーロッパの同士と連携して革命を進めてしようとしたが、スターリ -
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あらゆる世界史に出てくる登場人物の中で最もヤバイ人「スターリン(鋼鉄の人)」の出生から没後まで。
私達非ロシア人のぼんやりとした「独裁・粛清・虐殺の歴史的極悪人」と現代のロシア人一般市民との間でどうしてこれ程スターリンの評価に乖離があるのか(未だに人気は高いとか、賛否両論分かれるとか、少なくともシンプルに完全無欠の最大悪呼ばわりされることはない未解決の歴史評価といえる)に一つの納得を与えてくれる実に良いバランスの本。
敬虔な母に良かれと思って神学校へ進められた美しい詩を紡ぎ比較的優等生といえるグルジア人少年「ヨシフ・ジュガシヴィリ」から体制(少年の彼にはとってそれは例えば神学校だ)への不審 -
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【スターリンは今もなおロシアと外部世界の間にあって、両者の関係を示す重要な指標なのである】(文中より引用)
「非道な独裁者」として語られる一方、少なくない数のロシア国民から今なお高く評価されているスターリン。ロシアという窓を通し、スターリンについて、そしてスターリンという窓を通してロシアについて思考を巡らせた作品です。著者は、『東アジアのロシア』等を世に送り出している横手慎二。
これまで数多くの評伝が数多くの評価と共に著されてきたスターリンですが、近年までに公開された資料に基づき、その評価の幅までをも射程に収めて概観した有意義な作品。スターリンという人物がどのようにロシアにおいて語られてい -
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青年期から殺伐とした革命運動に身を投じた結果、政治における組織論の重要さに早くから気づき、また組織内の敵・味方を峻別する鋭敏な感覚を身に付けていったスターリン。その結果、彼は革命成就後も「社会主義-資本主義」という国家外部におけるイデオロギーの対立を国家組織内部の「体制-反体制」という構図に投影してしまう。これが第一次世界大戦におけるそれよりも多くのロシア国民犠牲者を出し、後世まで彼の評価が定まらない最大の原因である「大粛清」に繋がったと著者はみる。
本書の出色はレーニン没後の共産党内部における権力闘争の記述。第一次世界大戦により荒廃した産業の再建策についての深刻な対立の結果、スターリンが政 -
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司馬遼太郎「坂の上の雲」で注目されるようになった日露戦争。しかし、その評価は戦争そのものよりも、秋山好古や東郷平八郎、乃木希典などの日本人物史の背景としての要素が強い。それでは、世界戦争史の中で日露戦争とはどう位置づけられるのか。
日露戦争をきっかけに塹壕戦や機関銃が登場し、陸軍と海軍の綿密な連携などが戦争技術の主流となった。その結果、戦争は大規模化し、国家は勝利のために経済のほとんどをつぎ込むようになった。また、日露それぞれはイギリスとフランスと同盟を結んでいたので、日露戦争が世界大戦に発展する可能性もあった。
こうして考えると、日露戦争は10年後の第一次世界大戦につながるプレ世界大戦だ -
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ネタバレ二十世紀における最初の大国間戦争であり、日本とロシアが対決した日露戦争について解説した本。日ロ双方の戦史・外交史を用いながら、戦争の背景・経過・影響を概説する。
本書の最大の特徴は、日露戦争を日本とロシア双方の視点から論じている点である。特に多くのページが割かれている日露戦争の背景(前史)においては両国の外交の内部事情が詳細に記されており、中・高の日本史では取り上げられなかった戦争の裏事情が語られている。個人的に驚きであったのは、戦争の要因の一つとされる「ロシアの南下政策」が一貫したものではなく、寧ろ日本とロシアの相互認識のズレが戦争の要因であったという指摘だった。
既に他のレビューでも述べら -
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スターリンの人間性や言動の背景について、これまでの「極悪非道」といった彼への評価に対して、広範な歴史資料をもとに慎重に検討した一冊。大粛清に至った側面よりも、スターリンが最高指導者の座を獲得するまでの道程により焦点が当てられていた向きがあった。スターリンが理論的な指導者であるというよりも、実践的な革命家であったことが印象的。後半になるにつれて、スターリンの思想の内実ではなく、ソ連やその周辺国における史実が中心に扱われていた点が惜しいと思った。スターリンの猜疑心が強くなっていった道程や、若き頃の思想からの変化がどのようであったかがもう少し描写されていると、より楽しめたかと思う。
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日清戦争とともに華々しい勝利を遂げた日露戦争であるが、では、なぜ、明治維新が起きて間もない日本が、超大国ロシアに勝てたのかを分析した本である。20世紀において世界各国で帝国主義を掲げて、植民地を求めて他国との戦争が勃発した時代であったが、当時列強諸国に遅れて発展した日本が勝利したのは不思議である。なぜなら、当時のロシア(ロマノフ王朝)は、近代において世界中を震撼させた天才軍師ナポレオンですら突破できなかった国であるからだ。しかし、ある点に注目すると、ロシアが敗北した要因が見えてくる。
それは日本とロシア双方の軍隊に注目すると一目瞭然である。日本はたしかに、資源が乏しく、軍も結成してそれほど -
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ネタバレやはり人を中心としての歴史の方が分かりやすいので
大河ドラマは人気なのだろうか。
本作はスターリンの一生を当時の情勢を含めて(多分)さらりと紹介している。
(側近や条例など、掘り下げようとすればもっと分厚い本となるだろうが、初心者にも手に取りやすい一冊であった)
出生年代が不確かだったり、父親疑惑や貧しい家庭、地方出身というのは意外であった。
(また、家族が結構不幸というか、幸せな一家団欒ではないのだなぁ。。)
断言せず、可能性を示唆したり、違う方面の情報も紹介してくれたりと
可能性の一部として提示してくれているので更にとっつきやすいかと思う。
ジョブズ氏も一緒に働く事で同僚に嫌われた