鳩山郁子の作品一覧
「鳩山郁子」の「ゆきしろ、ばらべに―少年傑作集―」「ロマンティカ」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「鳩山郁子」の「ゆきしろ、ばらべに―少年傑作集―」「ロマンティカ」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
Posted by ブクログ
鳩山郁子の本は8割がた読んでいる。
毎回ため息をつくほど好きなのに、どこか走り去りゆく作者の背にタッチできないような、隔靴搔痒を感じていた。
が、今回は確実に、少しだけ触れた。
もちろん読後、その感触だけ残していつものように作者は逃げていったのだが、触れた瞬間の喜びと、走り去られるに違いない喪失感の予感とが、同時に感じられたこの読書体験だけは、憶えておきたい。
内容についてはもう、わざわざ書かない。
何度でも読み返すだろうから。
原作小説の展開のあとに、18ページほど、鳩山郁子なりの解釈が描かれているのだが、
ここだけで萩尾望都「残酷な神が支配する」の達成に、届かんとしていると思う。
鳩山
鳩山郁子のファンなので冷静に善し悪しを論じるのは難しい。
鳩山さんの作品は、言語化しづらい空気とか気配とか光の煌めきをそのまま漫画にしているというか…ただただキラキラした空間に圧倒されてる内に読み終えてしまう感じがします。
今回は原作つきとの事でしたがしっかり鳩山郁子ワールドを堪能できたと思います。
解説まで含めて一個の作品。
Posted by ブクログ
耽美で少しレトロ。とても繊細。そんな短編集。
グリム童話を原作とした表題作「ゆきしろ、ばらべに」は森の奥で『お父さん』と住まう少年たち、ゆきしろとばらべにのお話。二人が冬のある日、道に迷った熊さんを家に入れてあげるのですが、この熊さんがなんとなくエロい。
「ニオラの黒い騎士」寄宿学校に存在するらしい『騎士会』についての考察。
「ルケッタ」修道院の裏手にある菜畑で葉を摘む少年と、彼が出会った白い十字架を探す少年の話。
「すみれとピッケルハウベ」病に倒れ、部屋で伏せる祖父の枕元に、すみれの実と薬包紙で作った『すみれ爆弾』を置く少年。無邪気なのか違うのか。ピッケルハウベが意味深で、ゾッとした