服部茂幸の作品一覧
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ユーザーレビュー
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170815 偽りの経済政策 服部茂幸 17年3月岩波新書
日本はバブル崩壊で目の前の短期的合理性に終始する政治と経営に堕してしまい、中長期の取組=愚直さを喪失した。
そのツケが「30年不況」 長期的・戦略的取組を回復しなければ、この国は滅びの道
安倍政権の短期決戦・スローガン政治は逆効果と思う
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アベノミクスの評価を問う 真っ当な本 4年を経て誰も評価を行わない 日本のダメなところ 「戦略トップ」が鍛えられない
著者は前著作「アベノミクスの終焉」(2014)で厳しい見立て 予想通り 国民には不幸
経済成長は政府支出・耐久財消費・住宅投資 消費増税後、経済成長は頓挫する
17年現在の評価
消費者物価の上昇 (1)賃金上昇によるものか○ (2)円安によるものか✕
雇用の回復 (1)短時間就業者の増加 長時間就業者は減少 (2)労働生産性の上昇はゼロ
企業利益の急回復 全体のパイが拡大しなくても、分配が企業にシフト
1-1
物価目標の先送り すべては「デフレ体質」の責任
完全雇用の実現 経済成長の余力がなくなり、現在の低成長が生じている 潜在成長率は高まらない
雇用者報酬は実質低下 税と社会保障費の負担増=家計の実質可処分所得の低下 →これが大きな要因
住宅投資は負の遺産(46) 景気対策として推進 相続対策も加わった しかし「空き家大国」
⇒アベノミクス 本格的な日本経済の衰退が始まった時期として歴史に刻まれる
[同感]甘い政策だけで20年の不況から転換できるというのは大間違い
痛みと意識改革が不可欠 現状からの構造転換が必要 既得権の打破・解消
2-1 雇用は増加せず
延べ就業時間 雇用増加を検証
労働生産性 実質GDP/延べ就業時間
経済成長がゼロの時、労働生産性上昇率は1%
医療介護の真の生産性 価格統制より高い生産性の可能性(87)
雇用の質的低下 非正規労働者の育成投資が不足 長期的人材育成に無責任な体制
「労働生産性の上昇」が鍵 賃金の上昇→消費の増加→景気の好転 と好循環の鍵(94)
3-1 デフレ脱却という神話
Posted by ブクログ
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経済理論的なところは難しかったけど、著者の言わんとしたことは大体わかったように思います。学問的な正邪はともかく、アベノミクスは国民を幸せにしなかったということ。
Posted by ブクログ
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ちゃちゃっと読み終わり。
知ってることがほとんどだったものの、体系づけられてて頭の中が整理された。
とりあえず脳みその弱い人は読み切ることもできまい。
Posted by ブクログ
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本書によると安倍総理は13年春の党首討論で「13年度の経常利益は4兆ウン千億、それが賃金に変わる」と断言しているらしいが、現時点(14年夏)ですでに悪い結果がはっきりしているのに何故だれも総括しないのだろう。
「消費税10%は?」とか「第三の矢は?」とか行っている場合ではない。
Posted by ブクログ
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(個人用の大雑把なメモのため誤りがあります。)
ケインジアンによる、リーマンショックの犯人としてのFRB当局(バーナンキ、グリーンスパン)およびその理論的支柱となった新自由主義への批判。
新自由主義による金融政策第一主義が、1%のスーパーリッチの富を拡大(所得の逆分配)し、リーマンショックを惹起し
...続きを読むた(貧者の生活を破壊)。リーマンショック直前の「繁栄」は住宅バブルにすぎず、政府の金融政策がバブルを更に加速させた(カジノ資本主義の形成)。この住宅バブルは、無価値の債権に利子の価値が次々と上乗せされていっているだけの、実態のないものである。労働により新たな財が生産されたのであれば社会は豊かになるが、株価・住宅価格が上昇しても新たな富が生み出されるわけではない。→株式・住宅はスーパーリッチが保有していたため所得の逆分配となった。
政府は、数々のバブル危機の直前に、金融機関を救済しつつ事なきをえていたが、救済した金融機関の経営政策を改めさせることがなかった(救済のもととなった国税を生かして、経営者には莫大な退職金を支払う)。このため、金融機関は救済後さらにバブルに加担した(危機が起きてもどうせ救われるため)。
(※リーマンショックの構図の説明は、先日読んだ池上彰氏の経済ニュースと同様の説明だった。)
なかには貧者を騙す性質のローンもあった。バブル時は、逼迫した債務者がローンを別のローンで返せたため事なきを得ていたため、バブルを煽る金融政策が更に正当化された。サブプライムローン(ハイリスク債権を分割しローリスク債権とセット販売)は「金融工学の発達の成果」として、社会全体としてはリスクがないものと考えられていた。しかし、分割されたハイリスク債権そのものは消えて無くなったわけではなく、米国のあらゆる機関から機関へ転売されて社会に残留しており、更にそこに不渡り時の保険が掛けられるなどして複雑に相互連動・接続され、1つが破綻するとドミノ崩壊する構図となっていた。
筆者は世界恐慌とリーマンショックを重ね合わせ、ケインズ回帰を主張する。金持ち減税は経済効果が薄く財政が悪化する(スーパーリッチが不況時に贅沢したところで、結局は所持する富のごく一部しか消費しない=「トリクルダウン」が実現しなかったということ)。財政緊縮(ex公務員を派遣化し賃金抑制)が経済悪化を招く。一定の説得力あり。ミクマクを勉強しなおして再読する必要あり。
冒頭ではレーガンやブッシュjrへの批判もあり興味深い。彼らが行ったことは新自由主義ではなく軍事ケインズ主義で、軍拡により軍事民間企業へ支出した(縁故資本主義)。
Posted by ブクログ
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