あらすじ
政府と日銀が紡ぐ「アベノミクスによって日本経済は回復しつつある」という「物語」。しかし、それは真実なのか。異次元緩和の始まりから一年がたった今、いくつもの「つまずき」を抱えたアベノミクスの実態が明らかになっている。政治のレトリックに惑わされることなく、客観的なデータにもとづき、警鐘を鳴らす。
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Posted by ブクログ
ちゃちゃっと読み終わり。
知ってることがほとんどだったものの、体系づけられてて頭の中が整理された。
とりあえず脳みその弱い人は読み切ることもできまい。
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本書によると安倍総理は13年春の党首討論で「13年度の経常利益は4兆ウン千億、それが賃金に変わる」と断言しているらしいが、現時点(14年夏)ですでに悪い結果がはっきりしているのに何故だれも総括しないのだろう。
「消費税10%は?」とか「第三の矢は?」とか行っている場合ではない。
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アベノミクスというよりもその理論的背景となっている金融緩和派や新自由主義を批判する内容となっている。私はどちらかといえばアベノミクス賛成だけどこの本の各種のデータには説得力があると感じた。
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経済学のあるていどの素養がないと理解しきれないが、現政権の経済政策の成果公表のなかにかなりの部分ウソ、ゴマカシがあるらしいということはわかった。
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アベノミクス批判の書。
「雨乞いで雨を降らせることができないならば、もっと強力な雨乞いを行えばよいのである。こうして雨乞い師の失敗は免責される。」(186頁)
2014.10.31BOJ異次元緩和第二弾(ハロウインサプライズ)により、とりあえず東京株式市場は盆と正月が一緒に来たかの状況だが・・・。
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内容は難しめとなっているので
あまり無理しては読まない方がいいでしょう。
ただし、この経済のシステムを読むと
いやというほど人間という生き物が
ご都合主義だということを痛感させられます。
そして、どの世界でもいえるのですが
何度失敗しても学びやしない。
終焉というか、
ボロが現在見え始めているのは
確実でしょう。
だけれども、無知(私も含む)な我々は
この人を推してしまったのです。
いつぞや理想のシステムが
あることに気づくことでしょう。
だけれども、そのシステムには誠実さと
個人のほうにも痛みが生じます。
今の生活を崩したくない一部の人は
絶対拒否するでしょうね。
世の中は、隅の隅まで日はあたりはしない。
Posted by ブクログ
本書は2014年8月の発行であるが、原稿は4月に上梓されていたそうである。昨年4月時点で現在の状況を的確に予想している点はすごいが、著書は元々「反アベノミクス論者」であるそうだから、内容は妥当なのかもしれない。
本書での経済予想は、現在から見るとあたっている点もやや的外れの点もあるが、全体的には、ほぼ的確な指摘となっているのではないか。
「黒田日銀」の「金融緩和」は、円安と輸出企業の好業績は一定程度もたらしたが、物価と経済を持ち上げるほどの力はなさそうだし、「財政政策」も持続性は困難だろうし、「成長政策」も農協の徹底抗戦の佐賀の選挙以来、どうも迫力不足となっている。
安倍政権は政治的には成功するかもしれないが、どうやらアベノミクスは本書の指摘どうりに失敗に終わる可能性が高いようだと、本書を読んであらためて思った。
Posted by ブクログ
自由な金融市場はバブルを作りやすい。
フード・ファディズム=マスコミに紹介された食べ物に飛びつく。まともな科学者は警告する。
経済政策のファディズムは、そうではない。専門家も理論に飛びついて拘泥する。
アメとムチ、はルーティン化した仕事に対しては機能する。創造的な仕事には機能しない。重要なのは内発的な動機付け。
ソニーの凋落。
トリクルダウンが機能しない。
ゾンビ経済学=大緩和時代、効率的市場仮説、DSGE(動学的一般均衡モデル)、トリクルダウン、民営化、経済を拡張させる緊縮財政
Posted by ブクログ
やはりそうだったか、というのが率直な印象。
景気回復はアベノミクスの開始前から始まっていること、ゼロ金利下での量的緩和(第1の矢)は経済刺激効果がないこと、公共事業(第2の矢)の経済刺激効果は微々たるものであること、規制緩和を主とする新自由主義的な成長戦略(第3の矢)は第2の矢と整合せず、輸出型産業の回復は国民経済に恩恵をもたらさないこと、などがデータを以て論じられている。
こうなると、どの党が政権を取ろうが、誰が首相になろうが景気変動にはおおよそ関係ないのではないか、との見方もできる。一部の利益享受者(今でいえば旧来型の重厚長大産業の経営者)には大いに関係するけれども。
Posted by ブクログ
現状の景気の良しあしについてはポジティブに考えたいところであるが、データに基づく著者の主張は説得力がある。そして自分の経済的なゆとり実感からもなるほどと思えてします。
この本は、新書ながら、大変丁寧な編集がなされているものと感じた。