アフリカの歴史
著:川田 順造
出版社:KADOKAWA
角川ソフィア文庫 I 417 1
良書、わかりやすかった
アフリカ大陸をマルっと扱う点は一緒である。
まず、サハラ砂漠を南北に分ける
北部 白人コーカソイド、地中海世界、西アジアの一部、北アフリカ
言語、アラブ語、アフロ・アジア語族
南部 黒人ニグロイド、アフリカ、サブサハラ
言語、バントゥ語族
次に海岸線、海域で分ける
環地中海世界
環インド洋世界
環大西洋世界
内陸地帯 ニジェール川の上流など
歴史については、アラビア語圏では記録があり、ない地域でもアラビア語による記述が残っている
歴史を4つにわける
第1期:アフリカ諸文化の基層形成の時代
黎明の時代:太古~11世紀
第2期:大規模通商国家および都市の発達と、長距離交易を媒介とするアフリカ大陸内部の広範な文化交流の時代
初期国家形成の時代 8世紀~16世紀
第3期:ヨーロッパ勢力の進出とそれに伴うアフリカ社会の変動、様々な地域における政治的統合の時代
黒人帝国と植民地化の時代 15世紀~19世紀
第4期:ヨーロッパによる植民地化と、独立後の新しいアフリカへの模索の時代
植民地の時代 19世紀後半~現在
アフリカ史を貫く1つの糸がある、それは、アラブとイスラム化である
第1期:アラブは、地中海世界を制覇しマグリブを形成、イベリア半島へも進出した。ナイルを北上、クシュ、メロエが成立した。
第2期:アラブの商人は、インド洋にも進出し、アフリカの東海岸に拠点として、スワヒリ文化を築き、サハラと河川をさかのぼって、アフリカ内部にも進出した。要地エジプトをマルムーク朝が押えていて、モンゴル、十字軍を撃退してアラブ世界をまもった。
第3期:地中海をオスマントルコが押さていることから、ポルトガルはインド航路として、西アフリカ航路を開拓、その後、オランダが、南アフリカの拠点を確保、植民化がはじまった。
第4期:対宗主国闘争の精神的なささえとなったのは、イスラム精神である。氏族を中心とした社会を形成するイスラム世界はなじみやすいものであった。
気になったのは以下です。
第1期:国家形成
ナイル川 エジプト⇒クシュ⇒メロエ 黒人国家として現在のスーダンに成立
第2期:西進するイスラム
マグリブを制圧したイスラム商人は内陸へも進出する
ニジェール川 ガーナ帝国⇒マリ帝国⇒ソンガイ、カネム、ハウザ チャド湖へのびる流域
スワヒリ文化 サハラを超えるラクダのキャラバンをサーヘルというのに対して、アラビア半島から船をつかって、往来することを、スワーヒルという。その拠点が、ザンジバル・タンガニーカ一帯に繁栄したもの
第3期:奴隷貿易がさかんになったのは、金や、香辛料の価格が、アメリカ大陸などとの貿易が進んだところから下落した。そのため、貿易を維持するために、奴隷の需要が盛んになった。
第3期:南アフリカのボーア戦争。蘭英の貿易戦争の結果である。先に南アの拠点を押さえたのはオランダ人であったが、その後、7つの海を制覇した、英がその拠点を奪還したため。
欧州は拠点として押さえに行くのに対し、イスラムは、地域をまるっと押さえに行くのがおもろい
第4期:アフリカの植民地化が進んだのは、オスマントルコの敗北で、地中海世界から、イスラムのプレゼンスが低下したから。第1次世界大戦後、ウィーン会議で列強はアフリカの分割を行い、それが今日まで継承されている
第4期:アフリカ諸国の独立とは、部族国家としてなのか、民主国家としてなのか。欧米のように、市民革命を経ずして、国家となったことで、民主主義をささえる、市民階級はそだっていなかった。
それよりもむしろ、氏族社会であって、族長が話しあいで政治を決める方法のほうが、アフリカでは一般的であった。
目次
第一章 アフリカの黎明
無文字社会のメッセージ
描かれた緑のサハラ
クシュとアクスム
アラブと結ぶ海上の道
バントゥ族の拡散
サハラ以南の農耕
仮面と守護霊
アフリカの金属加工技術
技術の進歩と停滞
第二章 初期国家の形成
サハラを越える交易
ガーナ帝国の繁栄と滅亡
スワヒリ文化の形成
黄金の帝国マリ
西アフリカ史を育んだ川
練り土の城壁が守った手工業都市
”地域”の文化を超えるもの
第三章 黒人帝国と植民地化
ヨーロッパ人の到来
ソンガイ帝国の崩壊とハウサ商人の活躍
東アフリカ大湖地方の王国
南アフリカへの入植
狩り出される黒い肌
マダガスカルの王国
王権を生まないイボ社会
西洋世界の衝撃がもたらしたもの
第四章 新たなアフリカを求めて
列強の侵攻と抵抗
”ヨーロッパの大陸”へ
「黒人であること」の自覚と連帯
アフリカという地域から世界史へ
あとがき
文献案内
ISBN:9784044006914
判型:文庫
ページ数:240ページ
定価:960円(本体)
2022年05月25日 初版発行