川田順造のレビュー一覧

  • アフリカの歴史

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    アフリカの事知らなかった時は読めなかったけど、今はグイグイ読めて面白い。旅と読書は相性良い。

    川田順造
    1934年、東京生まれ。東京大学教養学部卒業、パリ第5大学民族学博士。西アフリカの無文字社会を中心に調査を重ね、語りや音楽に着目する口頭伝承論を切り開く。現在、東京外国語大学名誉教授、広島市立大学名誉教授。『曠野から』(筑摩書房)、『無文字社会の歴史』(岩波書店)、『口頭伝承論』(河出書房新社)、『レヴィ= ストロース論集成』(青土社)など著書多数。2021年に文化勲章を受章。

    「逆にヨーロッパ語で文学作品を書けば、地理的な意味では読者の範囲は広がるが、階層的にはアフリカの限られたインテ

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    2025年04月30日
  • 〈運ぶヒト〉の人類学

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    文化の三角測量と称して,西アフリカのモシの文化,日本の文化,西欧の文化を比較しながら,特異な視点でものを見ることを実践している好著だ.それぞれの文化の特徴を人間の道具化,道具の人間化,道具の脱人間化に類別して,それぞれの事例を列挙している.フランスの農業資料館で牛馬にひかせる荷車にブレーキがついていることに驚いたエピソードで(p144),日本では考えられないことに気づいた件を吐露しているのが,とても素晴らしいと感じた.

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    2018年07月09日
  • 〈運ぶヒト〉の人類学

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    インターネット、航空、鉄道、船、それより前まで遡って、人が物を運ぶという原始的な動作から浮かび上がる、根源的な、忘れられた違い。

    フランス、日本、アフリカを比較することで、人種による身体の違い、違いからくる運び方の違い、そこから見えてくる文化発展の方向性の違い。面白い観点だと感じました。

    やや古めの本なのでグローバルな視点に関してはもう一歩ほしかったなと思いましたが、読みやすく楽しめました。

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    2024年08月27日
  • 〈運ぶヒト〉の人類学

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    人類の祖先が二足歩行で世界中に散らばったとき、その人々は子供や食料、基礎的な道具などを何らかの方法で「運んでいた」はずである。著者のこの視点自体が非常に興味深く感じました。そして運ぶスタイルは、人類の祖先が世界中に散らばるにつれて、現地の環境(気候や植生等)にあわせて変化しているはずであり、また人間の体型も地域によって変化してきますし、文化的な要素や価値観にも影響を受けるはずです。そしてこの違いをわかりやすく例示するために、著者が「文化の三角測量」と呼ぶところの、フランス、日本、西アフリカ(モシ王国)の違いを非常に端的にまとめている本になります。本書に掲載されている「技術文化」という概念ですが

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    2023年04月28日
  • アフリカの歴史

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    アフリカの歴史を民族的・地理的・植民地支配等の歴史的背景から多角的になぞったアフリカ入門書。
    複数民族の支配を受けてきた地域における反発と受容の在り方など客観的に興味深く、アフリカに限らず今後の世界に求められる多様性への理解といったメッセージを受け取りました。

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    2022年10月23日
  • 〈運ぶヒト〉の人類学

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    道具の人間化かあ。

    運搬方法を題材に、文化の三角測量。

    西洋が、道具の脱人間化、非人間化を指向するのに対し、日本は、人間化しちゃうと。この指向がいわゆる日本の技なのかもだが、一方で、人間を過酷なまで道具に合わせると。

    人の力をいかに使わないかを指向する、非人間化。
    これからの働き方を考える上でも、僕らの伝統的な生き方が邪魔してる側面あるようなので、思い切りいかないと。

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    2019年01月18日
  • 〈運ぶヒト〉の人類学

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    西アフリカの友達のところに
    寄せてもらった時に
    頭に水壺を載せている女性を何人も見た
    頭に山のような洗濯物を載せて歩いている女の子を何人も見た
    先ず日本では見かけることのない「運び方」をたくさん見た

    その行為に人類学の視点を入れて見ていくと
    こんなふうに読み解ける

    「運ぶ」という何気ない行為に
    こんなにも 興味深い設問が立てられることが
    とても楽しい

    さりげない行為の中に
    「ヒト」の文化が見えてくる

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    2016年12月20日
  • マグレブ紀行 [復刻版]

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    ネタバレ

    内容が古いので、旅した部分の
    情景はもはや古い、というのは
    仕方のないことでしょう。

    ただし、宗教のところは
    参考になるように思えます。
    どうして、同じ人間なのに関わらず
    無益な敵対心を燃やすのか。

    確かに文化の違いもあるのですが、
    きっとそれらはある種の優越感が
    あるからのように思えてなりません。

    他にも、マグレブの子供たちのところも
    興味深かったです。
    どこか、違うんですよね。

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    2014年08月15日
  • 〈運ぶヒト〉の人類学

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    古代より、馬や牛など動物を使いモノを運ばせていた。少し時代が進めば車輪を利用していた。舟もあった。これは戦にも利用されていた。こうした点を考慮してないのは何故か?また、日本では馬車が利用されなかったのは何故か?福沢諭吉が初めてアメリカに渡ったとき馬車に驚いている。馬は勿論日本にあったが馬車として利用されることはなかった。牛車が主だった何故か?

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    2025年03月10日
  • 〈運ぶヒト〉の人類学

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    歩き方、座り方などの身体技法を、三つの文化間で比較し、さらに道具を用いる運び方の比較に至る。
    以前から、歩き方や座り方の文化について興味があったし、本書はたくさんの写真も載っていて、面白いかと期待していた。
    が...。
    なぜだろう。
    ページは進んでいくのに、なかなか入り込めなかった。
    最後の方はグローバル化社会とエスニックなものとの関係を考察していて、これも興味深いはずだけど、あまり響いてこなかった。
    もう一度読み直すべきかな?

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    2015年11月05日
  • 〈運ぶヒト〉の人類学

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    三角評価。◆黒人「人体の道具化」(例:長い腕を鍬のように使う)、頭部。◆白人「道具の脱人間化」(巧みさを必要とせず、人力をできるだけ省く)、肩。◆黄人「道具の人間化」(巧みさを重視する)、腰。◆◆だから、おんぶの高さが西洋人と違うのだな。

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    2020年07月27日
  • 〈運ぶヒト〉の人類学

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    運び方に傾向はあるようですが、結局・・原則はなかったような印象です。
    それでも、色々な学びがありました。
    アフリカの人が屈んで草取りをしているのを見ても、これからは「たいへんだなぁ」とは思いません。楽なんでしょうから。

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    2014年10月23日