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アフリカで生まれ、二足歩行を始めた人類は、空いた手で荷物を運び、世界にちらばっていった。この〈運ぶ〉という能力こそが、ヒトをヒトたらしめたのではないか? アフリカ、ヨーロッパ、東アジアの三つの地点を比較対照し、〈運ぶ〉文化の展開と身体との関係を探る。人類学に新たな光を当てる冒険の書。
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Posted by ブクログ
文化の三角測量と称して,西アフリカのモシの文化,日本の文化,西欧の文化を比較しながら,特異な視点でものを見ることを実践している好著だ.それぞれの文化の特徴を人間の道具化,道具の人間化,道具の脱人間化に類別して,それぞれの事例を列挙している.フランスの農業資料館で牛馬にひかせる荷車にブレーキがついてい...続きを読むることに驚いたエピソードで(p144),日本では考えられないことに気づいた件を吐露しているのが,とても素晴らしいと感じた.
インターネット、航空、鉄道、船、それより前まで遡って、人が物を運ぶという原始的な動作から浮かび上がる、根源的な、忘れられた違い。 フランス、日本、アフリカを比較することで、人種による身体の違い、違いからくる運び方の違い、そこから見えてくる文化発展の方向性の違い。面白い観点だと感じました。 やや古...続きを読むめの本なのでグローバルな視点に関してはもう一歩ほしかったなと思いましたが、読みやすく楽しめました。
人類の祖先が二足歩行で世界中に散らばったとき、その人々は子供や食料、基礎的な道具などを何らかの方法で「運んでいた」はずである。著者のこの視点自体が非常に興味深く感じました。そして運ぶスタイルは、人類の祖先が世界中に散らばるにつれて、現地の環境(気候や植生等)にあわせて変化しているはずであり、また人間...続きを読むの体型も地域によって変化してきますし、文化的な要素や価値観にも影響を受けるはずです。そしてこの違いをわかりやすく例示するために、著者が「文化の三角測量」と呼ぶところの、フランス、日本、西アフリカ(モシ王国)の違いを非常に端的にまとめている本になります。本書に掲載されている「技術文化」という概念ですが、これは本書以外で触れていましたが、さらに理解が深まりました。余談ですが、サイバーダイン(筑波大学発ベンチャー)が開発した装着型ロボスーツについて、まさに川田氏が本書で日本の特徴として述べている「道具の人間化」だと思いました。使い手の習熟によってパフォーマンスが変わる、人間の労力を省くのではなく投入するという文化です。
道具の人間化かあ。 運搬方法を題材に、文化の三角測量。 西洋が、道具の脱人間化、非人間化を指向するのに対し、日本は、人間化しちゃうと。この指向がいわゆる日本の技なのかもだが、一方で、人間を過酷なまで道具に合わせると。 人の力をいかに使わないかを指向する、非人間化。 これからの働き方を考える上で...続きを読むも、僕らの伝統的な生き方が邪魔してる側面あるようなので、思い切りいかないと。
西アフリカの友達のところに 寄せてもらった時に 頭に水壺を載せている女性を何人も見た 頭に山のような洗濯物を載せて歩いている女の子を何人も見た 先ず日本では見かけることのない「運び方」をたくさん見た その行為に人類学の視点を入れて見ていくと こんなふうに読み解ける 「運ぶ」という何気ない行為に ...続きを読むこんなにも 興味深い設問が立てられることが とても楽しい さりげない行為の中に 「ヒト」の文化が見えてくる
古代より、馬や牛など動物を使いモノを運ばせていた。少し時代が進めば車輪を利用していた。舟もあった。これは戦にも利用されていた。こうした点を考慮してないのは何故か?また、日本では馬車が利用されなかったのは何故か?福沢諭吉が初めてアメリカに渡ったとき馬車に驚いている。馬は勿論日本にあったが馬車として利用...続きを読むされることはなかった。牛車が主だった何故か?
歩き方、座り方などの身体技法を、三つの文化間で比較し、さらに道具を用いる運び方の比較に至る。 以前から、歩き方や座り方の文化について興味があったし、本書はたくさんの写真も載っていて、面白いかと期待していた。 が...。 なぜだろう。 ページは進んでいくのに、なかなか入り込めなかった。 最後の方はグロ...続きを読むーバル化社会とエスニックなものとの関係を考察していて、これも興味深いはずだけど、あまり響いてこなかった。 もう一度読み直すべきかな?
三角評価。◆黒人「人体の道具化」(例:長い腕を鍬のように使う)、頭部。◆白人「道具の脱人間化」(巧みさを必要とせず、人力をできるだけ省く)、肩。◆黄人「道具の人間化」(巧みさを重視する)、腰。◆◆だから、おんぶの高さが西洋人と違うのだな。
運び方に傾向はあるようですが、結局・・原則はなかったような印象です。 それでも、色々な学びがありました。 アフリカの人が屈んで草取りをしているのを見ても、これからは「たいへんだなぁ」とは思いません。楽なんでしょうから。
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