脳科学については元々興味があったが、それがどのような「行動経済学」にどのように影響しているかだとか、ブランドやマーケティングに
どのように影響しているか等、非常に興味深い内容だった。
勿論『人事管理』についても触れており、この内容については目新しいものがあったわけではないが改めておさえておく/認識
...続きを読むしておく
べきだと感じた。
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・日米欧では文化が違う。人、何よりも脳が違う。
それを無視して表面なことを真似する。成功している企業をベンチマークして、欠けている能力を強化しようとする。
結局うまくいかず、ボロボロになり、元に戻す。その間に競争力までも失う。
日本人は不安傾向が強く出るセロトニンが多い。自分を守る行動に出るのは当然。
・人事制度上、何をグローバル化で共通にし、何をローカライズするか。
言語は文化と密接に関連しており、言語によって思考そのものも変わる。
何が失われるかも考えることが必要。
・組織は手段であり、目的ではない筈が、時を経てその意味を忘れ、故に組織の維持拡大が目的化してしまう。
これは不安回避方向性が働いている結果。
・95%の無意識判断。5%程しかアンケートには現れない。プレゼンや提案もやり方を変える必要があるが、従業員サーベイなんかも
同じことが言える。
・ダイバーシティで重要なことは数や比率ではなく、男女の違い、脳のつくりの違いをいかに活かすか。
女性がいるチームは確かにグループIQが高い。個人能力の合計...といったことを超越する。
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(その他メモ)
・自動車他社(ヒュンダイ、ダイムラー)は脳波測定もマーケティングに入れている。
・人間の資格、聴覚などの感覚器官には同時に1100万子の情報が入ってくるが、その中で意識して扱っている情報は多くても40個ほど
無意識に脳は情報を処理する- 生存に必要
・認知活動の95%は無意識に行われており、意識しているのはわずか5%である。
ニューロマーケティング、ニューロエコノミクスはこの95%の無意識の領域に焦点をあてる。
・無意識での認知活動は0.5秒:意識するおおむね0.5秒前には脳は意思決定を行い、命令を出している。
・共感覚:数字や曜日に色が付いて見える現象 200人に1人- 脳の中で、無関係に思える者どうしを結び付ける能力。
・会社名称、ロゴデザイン、商品名と商品デザインの関係の重要性
・認知バイアスが意思決定に影響を及ぼす 経済学に心理学、脳科学を持ち込み、経済学の枠組みを変える。
・①人は何かを変える時よりも何かを失う時の方に強く反応する(損失回避性)。
②人は負の選択をするときには、リスクを追求する傾向があり、正の選択をするときはリスクを回避する傾向にある。
人は不確実性のある状況においては、決して合理的な選択をするとは限らない。
・代表的なヒューリスティック3つ
①利用可能性ヒューリスティック (availability heuristic):脳が検索容易な事柄や事項を優先して評価して判断・意思決定する
ex. 身近にある成功事例を見て、その裏側にある会社の違いを無視して、他社の真似をする場合。
②代表性ヒューリスティック (representative heuristic):特定のカテゴリーに典型的と考えられる事柄や事項を過大評価して、判断意思決定すること。
ex. 海外ベンチマークして、文化の違い、市場に違い、国民性の違いもジャンが得ず、その指標を重視してしまう場合。
③固有性ヒューリスティックまたは係留と調整 (anchoring and adjustment):最初に示された情報を基準に、その中に含まれ特徴を重視し、その後の
意思決定がその結果に引っ張られる。 そのため、いつまでたっても解決策が得られない。
ex. 売上を上げないと成長しない----->利益を増やして成長することを忘れ、売上増加に向けた施策に囚われてしまう。
人は知らず知らずのうちに勝手に何かを基準にして、またはある物事にフォーカスして枠組みを作ってしまう。