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農業革命、産業革命、IT革命。そして今、脳科学研究が新たな革命を導きつつある。グーグル、マイクロソフト、IBM、ディズニー、ユニリーバ、フィリップスなど、積極的に研究開発に取り組む米欧企業群。日本企業の後れは致命的なダメージとならないか? 脳科学の産業応用に通暁した著者が描くニューロイノベーションの最前線。
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Posted by ブクログ
脳科学については元々興味があったが、それがどのような「行動経済学」にどのように影響しているかだとか、ブランドやマーケティングに どのように影響しているか等、非常に興味深い内容だった。 勿論『人事管理』についても触れており、この内容については目新しいものがあったわけではないが改めておさえておく/認識...続きを読むしておく べきだと感じた。 *************************************************************************************** ・日米欧では文化が違う。人、何よりも脳が違う。 それを無視して表面なことを真似する。成功している企業をベンチマークして、欠けている能力を強化しようとする。 結局うまくいかず、ボロボロになり、元に戻す。その間に競争力までも失う。 日本人は不安傾向が強く出るセロトニンが多い。自分を守る行動に出るのは当然。 ・人事制度上、何をグローバル化で共通にし、何をローカライズするか。 言語は文化と密接に関連しており、言語によって思考そのものも変わる。 何が失われるかも考えることが必要。 ・組織は手段であり、目的ではない筈が、時を経てその意味を忘れ、故に組織の維持拡大が目的化してしまう。 これは不安回避方向性が働いている結果。 ・95%の無意識判断。5%程しかアンケートには現れない。プレゼンや提案もやり方を変える必要があるが、従業員サーベイなんかも 同じことが言える。 ・ダイバーシティで重要なことは数や比率ではなく、男女の違い、脳のつくりの違いをいかに活かすか。 女性がいるチームは確かにグループIQが高い。個人能力の合計...といったことを超越する。 *************************************************************************************** (その他メモ) ・自動車他社(ヒュンダイ、ダイムラー)は脳波測定もマーケティングに入れている。 ・人間の資格、聴覚などの感覚器官には同時に1100万子の情報が入ってくるが、その中で意識して扱っている情報は多くても40個ほど 無意識に脳は情報を処理する- 生存に必要 ・認知活動の95%は無意識に行われており、意識しているのはわずか5%である。 ニューロマーケティング、ニューロエコノミクスはこの95%の無意識の領域に焦点をあてる。 ・無意識での認知活動は0.5秒:意識するおおむね0.5秒前には脳は意思決定を行い、命令を出している。 ・共感覚:数字や曜日に色が付いて見える現象 200人に1人- 脳の中で、無関係に思える者どうしを結び付ける能力。 ・会社名称、ロゴデザイン、商品名と商品デザインの関係の重要性 ・認知バイアスが意思決定に影響を及ぼす 経済学に心理学、脳科学を持ち込み、経済学の枠組みを変える。 ・①人は何かを変える時よりも何かを失う時の方に強く反応する(損失回避性)。 ②人は負の選択をするときには、リスクを追求する傾向があり、正の選択をするときはリスクを回避する傾向にある。 人は不確実性のある状況においては、決して合理的な選択をするとは限らない。 ・代表的なヒューリスティック3つ ①利用可能性ヒューリスティック (availability heuristic):脳が検索容易な事柄や事項を優先して評価して判断・意思決定する ex. 身近にある成功事例を見て、その裏側にある会社の違いを無視して、他社の真似をする場合。 ②代表性ヒューリスティック (representative heuristic):特定のカテゴリーに典型的と考えられる事柄や事項を過大評価して、判断意思決定すること。 ex. 海外ベンチマークして、文化の違い、市場に違い、国民性の違いもジャンが得ず、その指標を重視してしまう場合。 ③固有性ヒューリスティックまたは係留と調整 (anchoring and adjustment):最初に示された情報を基準に、その中に含まれ特徴を重視し、その後の 意思決定がその結果に引っ張られる。 そのため、いつまでたっても解決策が得られない。 ex. 売上を上げないと成長しない----->利益を増やして成長することを忘れ、売上増加に向けた施策に囚われてしまう。 人は知らず知らずのうちに勝手に何かを基準にして、またはある物事にフォーカスして枠組みを作ってしまう。
蛇を見た時、怖いから飛び退くわけではなく、無意識のうちに飛び退いてから怖い、と思う。 意識する0.5秒前に脳は意思決定を行い行動の命令をしている。 脳には、認知バイアスがある。 プロスペクト理論(カーネマン)=小さくても確実な利益を好み、損をする場面ではリスクを負う。 利用可能性ヒューリスティック...続きを読む=脳が想起しやすい事項を優先する 代表制ヒューリスティック=典型的な事柄で評価しやすい 固着性ヒューリスティック=最初の情報を重視し、その後の意思決定がその結果に引っ張られる。 認知バイアスは、快不快という情動にも関係していて、本人は意識できないことが問題。 東海光学は遠近レンズの開発で、脳計測の評価を導入した。 人の情動を決める脳内物質 セロトニン=多い人は楽観的。日本人は少なめ ドーパミン=行動の動機付け。不足すると意欲が少なくなる オキシトシン=人を信頼しやすくなる。利他的行動を促す。 アメとムチ。ビスマルクは、社会主義者を鎮圧しつつ、社会保障制度を創設して貧困層を助けた。 日本人のセロトニンが少ない体質を考えると、信賞必罰の人事制度よりも安定した制度のほうが適している。 スピーチの最初にジョークを入れる。可笑しくなくても笑う。 うれしいから笑うのか、笑うからうれしいのか。 うつ病は女性に多い。セロトニンの活性化に違いがある。 マーケティングの理想は販売を不要にすること。 チョイスブラインドネス=自分の選んだものに肩入れする。 パブロフ型、習慣型、ゴール思考型の思考に支配されている。
主に欧米で進んでいるニューロマーケティング。その基は脳科学の進歩であり、心理学を含めて、米国の企業ではマーケティングを始め多くの部門においてこの分野を学んだ社員が採用されているという。わかりやすいので、ざっくりとこの分野に触れたい人にはいいかもしれない。個人的には楽しく読めた。
脳科学の知見をビジネスに活かすことについての提案書というよりも現在の状況をまとめた報告書であると感じた。 ビジネスの新しい今後の可能性として、脳科学の存在感を強く感じた一冊である。
■脳科学ビジネス A.人間の脳は、人、男女、人種、職業によって異なる。 B.人の意思決定のほぼ全ては、無意識に行われている。すなわち、意識して意思決定をしていると思っていることも、全て脳が決定した後に、意識に上っているだけである。 C.脳の認知活動は、感覚器官から脳に伝達された情報を処理する「...続きを読むボトムアップ処理」と、脳内に記憶されている情報に基づく「トップダウン処理」の2 つによって行われる。この2 つの処理も、全て無意識に、短時間で行われている。 D.最近、英語を会社の公用語にする企業があるが、言語が変わると考え方が変わる可能性があることに留意すべきだ。 文化が違うと脳も違う。その違いを知り、多様な文化の特徴を上手にビジネスに活用することが重要である。
脳科学がビジネスにまで及んでいることにビックリした。(遅い!) 脳科学は、農業革命、産業革命、IT革命に続く、第4の革命であるという。経済、社会ともに、人間の情動によって、価値判断が変わり、物事の意思決定がされている。この情動を解き明かす手法が脳科学である。 人間の判断基準として、損失回避性に対する...続きを読むプロスペクト理論が紹介されて、大変興味を持った。実験例として、8万円を取得する場合と8万円を損する場合に起こる選択基準が合理的でないことが証明されていた点である。
応用脳科学とは脳に関する様々な研究成果や知見を産業に応用することを目的とした科学であり、 特にマーケティングに脳科学を活かすニューロマーケティングが注目されている。人が無意識のうちに意思決定していることが多く、それは本人も気づいていない。それを脳科学の知見で明らかにしようというもの。これからはこんな...続きを読む時代になるんだろうか。
「かわいい」という情動をKindchenscemaと共に紹介したところが面白い。この本の書かれた動機はどちらかと言うと日本の脳科学という学術研究の未来への不安によるものだ。 これは悪い面を見たらそうなのだと思うがほんとうにそうなのだろか。 かわいいのように日本人に根ざすモノが我々の強みであるはず。 ...続きを読むそれに向き合った内容もあるべきだと思う。
欧米では脳科学の知見はマーケティングやエコノミクスだけでなく、経営や政治にも活かされている。日本は遅れている。 脳関係の本は最近よく目にするし話題にもなってると思っていましたが、導入遅れがそんなにヤバい状況だとは。
グーグル、マイクロソフト、IBM、フィリップスなどの欧米企業は積極的に脳科学を研究しているのに対して日本は遅れていると警鐘を鳴らし、マーケティング、R&D、グローバル化など経営への脳科学の応用について考察している。 うーん、脳科学というより心理学あるいは社会心理学のビジネスへの適用といった...続きを読む印象、それはそれで様々な事例などは勉強にはなりますが、脳科学の本はもっと「へぇ」とか「ほう」が欲しいですね。。。
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