どの業界も裏があり、その裏は業界人にはわかっていてもなかなか表には出てこないもの。本書は医学界のウラについて書いてあるのですが、基本的には暴露本、そして、医学界の問題点を表面には表してはいるけれども、最終章までくると医学界に心身ともに捧げて貢献している人、そして、それを何とかそのような人を守るために
...続きを読むはどうすればよいのかという提言にまで踏み込もうとしていることに好感をもてました。
医学部は普通の学部の中で孤立化するとともに、逆に言えば医学部内での連帯感が強まり、連帯感は学閥、医局の権力集中が悪癖を産むことはデメリットかもしれません。逆に言えばその連帯感を壊してしまうと、それまであったメリットも、やはりなくなってしまう。著者が最終章に書いている、医師を本当に特別な存在から、普通の専門職とすることにより、制度設計をすることが自分としても今できる納得できる解決法でした。機会あればもう一度読みたい本だと思います。
以下、目次のみ引用。
第 1 章 誰が医者になるべきか
第 2 章 パンダと病理医 ~知られざる医師不足
第 3 章 取っても食えない博士号と基礎医学の危機
第 4 章 医者ムラの住人はインテリヤクザ?
第 5 章 医療を変えるのは誰か