"ビジネスモデル、フレームワークなど、恐らく基礎的な部分にはなるのだと思うが、
判りやすく説明されており、学びやすい一冊。
これは読んで良かった…が、やはり体系的に理解するのはまだまだ先の話で、本当に本当に入門なんだなと自分の立ち位置を感じる一冊でもあった。でも、読んで良かった。
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1.戦略的である為に
過去の成功例から、要素を読み取って行く
・顧客の経済合理性を満たしているか?(ex:地下鉄の駅の蛍光灯は一度に切れた方が良い)
・トレードオフをトレードオンに出来るか?(ex:ヤマトの時間指定配達はサービス向上<利益の仕組)
ヤマトが本当に優れていたのは、「サービスが先、利益が後」と決めていた事
⇒優先順位を決める事で、会社全体の行動がブレない
終了間際に残ったたった1つの荷物を届けるとCSは向上するが、コストは増える⇒このケースでも運ぶ
「迷ったら運ぶ」、現場の第一線がこの行動が出来るのは、スローガンのおかげ
ジョンソン・エンド・ジョンソンも誰を優先するかを定義している
顧客⇒社員⇒社会⇒株式の順、なのでまず”患者さんのため”という思考で動ける
外部との整合性が取れたら、次は内部との整合性を計る
⇒サウスウエスト航空の”15分ターン”
乗客に食事を出さない、自由席で素早い入れ替え、1機種で整備教育の簡略化など
◆業界のリスクとチャンスは何か?
1)置き換え:フィルムが半導体メモリになった
2)省略:フィルムの現像が無くなり、モニタで確認できる
3)束ねる:レンズ付きフィルムが一体化してデジカメに
4)選択肢の広がり:写真はアルバムに貼るだけでなくウェブやフォトフレームなど(楽しみ方の増加)
5)追加:撮影⇒保存・鑑賞だけでなく、送る、コミュニケーションなど
◆ビジネスモデルを想像する
セブン銀行:融資をやらずに、セブンイレブンで各社の取引をした際の”手数料”で設ける
ソニー銀行:従来の銀行と同じモデルだがネット専門なので店舗も行員もコストが無い
<ビジネスモデルに必要な3要素>
1)顧客への価値提案
2)儲けの仕組み
3)優位性を継続できる
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「マーケティングの目的はセリング(販売)を不要にする事である」byドラッガー&レビット
◆ポジショニングの7つの方法
<ナンバーワン・オンリーワン訴求>
1)製品属性:SONY HDR-HC3「世界最小・軽量」のハンディカムカメラ
2)機能性便益:花王エッセンシャルの「ダメージケア」
3)心理的便益:サントリーオールフリーのご褒美感、開放感の提供
4)提供価値:日産セレナの「モノより思い出」「家族の絆をシフトする」
<土俵を変える>
5)用途や目的:アサヒ「朝専用の」ワンダモーニングショット
6)製品カテゴリ:日清カップヌードルは世界では具沢山の""インスタントスープ""
7)市場地位:レンタカーのエイビス”We're only No.2 We try harder…”(2番手だからこそ高品質、を謳っている)
◆ポジショニングの特性
<↑価値は伝えやすいが、根拠は理解されにくい>
顧客価値
心理的便益
機能的便益
物的属性
<↓訴求しやすいが、価値が理解されにくい>
ex:花王エッセンシャルの再ポジショニング
顧客価値:「カワイイをつくる」
心理的便益:毛先15cmをケアし、思い通りのヘアスタイルを作ればカワイイは作れる
機能的便益:ダメージケア
物的属性:キューティクル保湿成分
イメージが確立されているブランドでも、提供価値を設定しブランドのコア機能と結びつける事で、リブランディングが可能
・ロングセラーブランドほど、機能訴求を中心としてきたブランドが多い
・機能面で新たな訴求ポイントを設定する事は難しい
・訴求されてこなかった”価値”については新たに設定する事は容易
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◆ジャパネットたかたの商品は”高い”か、”安い”か
・競争相手が誰か?
・顧客ターゲットは何処か?
・顧客にとっての価値は何か?
上記を分析する事で見えてくるもの
・”カカクコム”よりは明らかに高いが”町の電気屋さん”よりは安い
・カメラ、PCなどの初心者をターゲットにしている
・「何を買ったら良いか判らない」「何を組み合わせたら判らない」
⇒必要な物を一通りセットにする事で、これを買っておけば大丈夫という”安心感”を提供している
だから誰もが知るNB品しか売らない
NBメーカーは過度な値引きでブランドイメージを損ねたくない
ジャパネットたかたは”下取り”を行なう事で実質的な値引きを行ない、メーカーともWinWin
モデルケースから判ること
・顧客と競争相手によって、”適切な価格”は違う
・この戦略が良い悪いではなく、”整合性が取れていること”が大事
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◆経営の3要素
「ビジョン」「戦略」「オペレーション」
ピラミッドの一番上に来るのが”ビジョン”
”なぜ”この会社は存在するのか、という”Why”を担うもの
ビジョンだけでは飯が食えないので、戦略を組む
”何を”具体的な価値として生み出して行くのか、”What”を明らかにするもの
自分たちは、この価値で勝負しようということを決める
ビジョンも戦略も実現しなければ「絵に描いた餅」「机上の空論」
オペレーションは価値創造の”How”を担っている
【ビジネスモデル】とは、
戦略とオペレーションが一貫して整合性が取れている(=合体した)もの
強い企業には、”強い現場”がある
現場力を高める為の3条件
1)高い問題解決能力:業務遂行型⇒問題解決型
2)全員参加:現場力=組織能力なので、点の力ではなく面の力
3)独自の優位性:ダントツの価値、何かのトップを目指す、という目標を掲げ実現する事
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◆インターナルマーケティング(組織内部のマーケティング)
インターナルマーケティングの3要素
1)自社の従業員も顧客、というコンセプト
彼らにとっての商品=仕事
従業員に”仕事”を喜んで買い続けてもらい、満足してもらう。
会社のロイヤルティーを高めてもらうという発想=顧客満足への努力を惜しまなくなる
2)全員マーケター
企業の唯一の目的は”顧客の創造”だとすると、
企業に属するすべての人が顧客創造につながるマーケターであるべき
▼サムスン電子の例:
「品質は自分たちではなく、市場が決める」の信条のもと、
開発担当者、マーケティング担当者、デザイナーと誰もが一丸となって新製品を生み出している
3)全社的マーケティング
部門内、部門間、階層間を有機的に連携させる
▼サムスンの例:
市場のニーズが明確になったら、部門内外を問わず意見交換を行なう
それをチーム、プロジェクトベースで製品化まで落として行く"