寝る前のフォトリーディング。起きてからの高速リーディング。高速を交えて熟読。
速読用にすっ飛ばそうと思った箇所もかなりあったが、意外と面白かったので星をひとつ増やした。
特に日本論になるとドラッガーの外国人的な視点が気付きを与える。例えば日本画の風景にはほとんど人が移っていないとのこと。ドラッガ
...続きを読むーはこれを日本人が日本国と自分を同一させていることの表れと述べる。氏は日本で日本人が「我々日本人は・・・」というのをたびたび聞き、うんざりするほどだったとのこと。そのことで「うんざり」にとどまらず日本人の日本観を探求。絵画で解釈したとのこと。氏は日本画のコレクターでもあった。
同じく松下幸之助もドラッガーと同じような日本間に行き着いていたようだ。
下記に付箋を貼った箇所の要約をのせる:
74-75:(労働が西欧人の感覚で言えば聖書に記述されている「罪の呪い」であるとは、ドラッガーが言ったことらしい。でも彼は聖書は働くことの賜物も述べているという・・・。)
88-89:戦前の松下電器の逸話。新入社員と社長(幸之助)が酒の席で会話。新入社員は無線技術を学んだのに電池部門に配属され、会社を辞めるかも、と述べた。松下は「それは気の毒だが、松下は君が思う以上に言い会社だ。10年やってそれが嘘だったら、俺を殴りにきて良いよ。」と言ってなだめたとのこと。20年後、この社員は電池部門の工場長になっていた。
99:松下が述べるリーダー。「率先垂範」、「高潔な人格」、「みずからの欠点周知」、「愚痴を言える部下の存在」。
102:ドラッガーは「強みを生かす」と述べたが、松下のように「弱みを周知させる」こともリーダーとしての資質。
193:ドラッガーが日本を知ったのは1934年ロンドンで日本美術に接したのが初めて。
196-198:ドラッガーの考える日本の利点。日本人の大切にするものは合意。日本人の人材育成には、終身修練的な思想がある。西洋では適材適所の人を選ぶ基準を重んじるが、それだとその人物は同じ基準を維持したままである。日本人は成長し続ける。
201:ドラッガーが説く日本株式会社とは、一枚岩の単一組織のような強さではなく、合意を前提にしたたような考えの集合体。
206-211:日本社会はルールを重んじる縦の社会。外国人からすれば矛盾になる両極性を包含する。儒教社会でありながら女性が実権を握る家庭。甘やかされた子どもが小学校でマナーを学び、受験戦争で緊張して大学教育で弛緩する。組織においてもトップが独裁的なようで実は、合意や参画を大切にする。
西洋のように独裁か民主かではなく、両極の緊張をそのまま残す。
日本画に日本人が現れないのは日本国&日本国土=自分であると思っているから。日本人は自分たちがユニークな存在であると思いたいし言いたい。
日本人が外国のものを受け入れる基準5つ:
日本をより日本らしくするもの。
部分よりも全体がデザイン的に適合するもの。
日本人の人間関係にふさわしいもの。
日本独特の精神生活を豊かにするもの。
日本人の精神的価値に合致するもの。
(これらはキリスト教が受け入れられなかった理由でもある。個人よりも集団を考える日本人に対して、聖書の解く神との1対1の関係は突飛なアイデアか。)
ドラッガーの言う伝統的な日本人らしさまとめ:
総意を重視。
「道」を終生極める。
個々対立しながらも調和を見出し、全体的に収まる。
両極性を保持しながら、日本人らしさを保持すれば、新しいものや外国のものを受け入れる知覚力がある。
217-219:松下幸之助が考えた日本人らしさ3つ。
「衆知を集める」万機公論に決すべし。戦国時代でさえ大名は総意を意識して決定していた。
「主座を保つ」主体性、自主性をもって学ぶ。
「和を尊ぶ」