作品一覧

  • 海に沈んだ島の伝承と伝説 断層帯との関係を含めて
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    高麗島、お亀磯、瓜生島、戸島、鴨島、冠島…… 21世紀の被災経験が呼び覚ます “日本沈没”の民俗的記憶と古記録 2022年6月19日、石川県能登地方で発生した最大震度6弱の地震で「見附島」の斜面の一部が崩落した。「島」が地震によって崩落し、津波によって海没することがあるという現実に直面したとき、われわれが暮らすこの国土が、部分的にではあれ過去に沈没を経験してきた「島」である事実をあらためて思い知らされる。柳田國男の「高麗島の伝説」をはじめ民俗学は、お亀磯、瓜生島、戸島など海没したと言われる島々をめぐって日本人がいにしえより紡いできた物語を明らかにしてきたが、現代の海底調査に基づく実証的研究によれば、海没伝説は必ずしも伝説だったとは限らないことがわかってきた。本書『海に沈んだ島の伝承と伝説』は、民俗学、歴史学、地質学などの最新の知見を総動員しながら“日本沈没“の民俗的記憶に迫る。
  • 南方抑留―日本軍兵士、もう一つの悲劇―(新潮選書)
    4.0
    敗戦の屈辱に耐えながら炎天下で重労働を強いられた兵士たちは、飢えと望郷の日々の中で何を考え、どう行動したのか。英軍によるジャワ・シンガポール・ビルマ抑留から、米軍によるフィリピン抑留、豪軍によるラバウル抑留まで、日本軍人・軍属の貴重な日記類を読み解き、南方抑留の歴史的背景と過酷な実態を明らかにする。
  • 南方の志士と日本人 インドネシア独立の夢と昭和のナショナリズム
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    1巻1,485円 (税込)
    「インドネシア人」初の日本留学生、ウスマンとガウス。二人が来日したのは、一九三〇年代の日本。ナショナリズムが台頭するなか、頭山満らと出会い、大アジア主義を学び、アジア各地からの志士と交流を深めながら、インドネシア独立をひたむきに目指した。日本人女性との恋愛・結婚、特務機関への協力、独立の志士としての活動など波乱に満ちた人生を、国内外でのフィールドワークと膨大な文献から描き出す。「親日」と「反日」の間で揺れ動いた二人の軌跡から浮かび上がってくる昭和秘史。比類なき労作の誕生である。
  • 残留日本兵 アジアに生きた一万人の戦後
    3.9
    1巻946円 (税込)
    「恥ずかしながら帰って参りました」――。残留日本兵といえばすぐに思い浮かぶのが、横井庄一や小野田寛郎、そして、“水島上等兵”。彼らの苦難の歳月は、自伝をはじめ多くの書籍や映像で描かれてきた。だがいずれも悲劇の英雄として語られ、時々で話題を集めたにすぎない。本書は、アジア各地で綴られた全記録を辿り直すことで、「大日本帝国崩壊後」の残留日本兵たちの真の姿を明らかにする、初の試みである。
  • 国民生活を劣化させたのは誰だ 偏向された「学習指導要領」
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    1巻792円 (税込)
    「学習指導要領」の中の「入学式や卒業式などにおいては、その意義を踏まえ、国旗を掲揚するとともに、国歌を斉唱するよう指導するものとする」との拘束力と天皇神格化の動きが結びついて、国民の間に異常な感情が拡散している。  即ち、基本的人権と国民主権の尊厳性が抑止されると共に、過去(歴史)と正しく向き合うことができない日本人が多く誕生していることである。国民は早く、このゆゆしき事実を知ると共に、その是正に動くべきだ

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  • 戦犯の孫―「日本人」はいかに裁かれてきたか―
    3.0
    1巻660円 (税込)
    「戦犯」の末裔たちはどのように生きてきたのか。敗戦で個人に背負わされた“黒い烙印”は、その一族にどのような影響を与えてきたか。東条英機、土肥原賢二、広田弘毅、東郷茂徳という「A級戦犯」の孫たちの生々流転から、アジア地域での知られざる「BC級戦犯」の生き様までを掘り起こし、戦後から現在まで「国家と個人」の狭間で苦悩する末裔たちの宿命を、若き俊英が丹念な調査のもとに活写する問題作。

ユーザーレビュー

  • 残留日本兵 アジアに生きた一万人の戦後

    Posted by ブクログ

    本書で取り上げられた方々の“戦後”は様々である。且つ、膨大な人数の一部である。
    日本に帰らなかったのには、一人一人の人生があり、理由がある。
    「『生きるため」に「残留」』を選んだ人生を想う。

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    2017年04月23日
  • 南方抑留―日本軍兵士、もう一つの悲劇―(新潮選書)

    Posted by ブクログ

     1945年のシンガポールにて、記録映画「デリーへの道」の撮影に来ていた報道部の小津安二郎が、戦局に話が及ぶと「"デリーよりの道"になってしまいましたね」と肩を落としたというエピソードが紹介してある。その懸念通り、戦局悪化で撮影は中止され、やることのなくなった小津は日本軍がイギリス軍から接収したアメリカ映画の鑑賞にふけっていたという。「デリーよりの道」のエピソードは、日本興業銀行から南方派遣を命じられた園部達郎の日記をまとめた『レンパンに生きて』(1979)より、アメリカ映画を観ていた話は西原大輔『日本人のシンガポール体験―幕末明治から日本占領下・戦後まで』(2017)より

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    2025年10月08日
  • 南方抑留―日本軍兵士、もう一つの悲劇―(新潮選書)

    Posted by ブクログ

    シベリア抑留だけではなかった南方の抑留。
    「アーロン収容所」「虜人日記」で漠然とひ知っていたが、敗戦後も抑留され労役を課された旧軍人軍属たち。貴重な一次資料を駆使して抑留生活を再現していく。

    虐待された元捕虜と立場逆転した降伏兵。戦争という狂気の中で復讐と和解。歴史になるにはまだ早い近現代について考えさせらました。

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    2025年10月03日
  • 南方抑留―日本軍兵士、もう一つの悲劇―(新潮選書)

    Posted by ブクログ

    林禮二さんの手記が秀逸なので紹介する。
    参謀とは、人柄を知らない時には、全く素晴らしく偉い人に思はれるのだが、近附けば近附くだけ嫌になるやうな人柄の人が多い。軍が国民と全く遊離してゐるといふ時の軍人の典型は参謀である。全くの利己主義、独善主義、そして傲慢、而も立身に対する極端なる希求。早く、こんな型の軍人の消去るべき日の来らんことを」(一九四五年七月六日)、「軍人の視界は前方にだけ向いてゐる。その癖何でも知っていると自信満々。危いことはこの上もない」
    92ページの将校の人物描写もおもしろい。
    今も昔もこういう人困った上官いるよねという秀逸な描写。

    水木先生の「総員玉砕せよ!」で登場する人物が

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    2025年09月21日
  • 南方抑留―日本軍兵士、もう一つの悲劇―(新潮選書)

    Posted by ブクログ

    抑留といえば「シベリア抑留」ばかりが思い浮かぶが、南方でも抑留されていた兵士たちがいたことが頭になかった。日記類を読み解いたこの本は色々なことを知ることができ、また感じられることがあり、戦後80年の今年、とても良い本であった。

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    2025年08月16日

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