作品一覧

  • 黄昏に眠る秋
    3.6
    1巻1,100円 (税込)
    霧に包まれたエーランド島で、幼い少年が行方不明になった。それから二十数年後の秋、少年が事件当時に履いていた靴が、祖父の元船長イェルロフのもとに突然送られてくる。イェルロフは、自責の念を抱いて生きてきた次女で少年の母のユリアとともに、ふたたび孫を探しはじめる。長年の悲しみに正面から向き合おうと決めた二人を待つ真実とは? スウェーデン推理作家アカデミー賞最優秀新人賞、英国推理作家協会賞最優秀新人賞受賞の傑作ミステリ。
  • 冬の灯台が語るとき
    3.8
    1巻1,298円 (税込)
    エーランド島の岬の古い屋敷に移り住んだ一家を不幸が襲う。そして、屋敷にも異変が起きて……「ガラスの鍵」賞ほか、三冠に輝いた北欧ミステリの傑作!
  • 赤く微笑む春
    4.0
    1巻1,980円 (税込)
    エーランド島の石切場のそばのコテージに暮らしはじめたペール・メルネル。ある日彼のもとに、疎遠にしていた派手で傲慢な父ジェリーから、迎えに来るよう求める電話が入る。渋々父の別荘に赴くと、そこに待っていたのは謎の刺し傷を負った父だった。そして直後に別荘は全焼する。なぜこんな事件が起きたのか? 娘の病気などの悩みを抱えながらも、ペールは父の暗い過去を探りはじめる――。エルフとトロールの伝説が息づく島で、人々の切ない記憶と過去が交錯する。英国推理作家協会賞受賞作家が贈る深い余韻が残るミステリ
  • 夏に凍える舟
    3.9
    1巻2,200円 (税込)
    エーランド島に美しい夏がやってきた。島でリゾートを経営する富裕なクロス一族の末っ子ヨーナスは、海辺で過ごす二年ぶりの夏に心躍らせていた。しかしある夜、ボートでひとり海にこぎだした彼の目の前に、幽霊船が現われる。やっとのことで陸に戻ったヨーナスは、元船長イェルロフのボートハウスの扉をたたく。少年から話を聞いたイェルロフは、不吉な予感を覚える……。一方その少し前に、復讐を誓うある男が島に帰りついていた。記憶と思いを丹念に描き上げた、エーランド島四部作をしめくくる傑作ミステリ!

ユーザーレビュー

  • 夏に凍える舟

    Posted by ブクログ

    北欧スウェーデン、エーランド島の四季四部作の四作目。最終巻。
    夏のエーランド島はスウェーデン各地から避暑客が訪れ、リゾート地と化す。
    夏のエーランド島に君臨する、リゾートホテルを経営するクロス一族と、様々な想いと因縁を抱いてエーランド島に集う人々。

    照りつける陽光の中に、厳寒の旧ソビエト連邦の話が入り組む。
    スターリンの粛清の恐ろしさに震えた後の真夏のエーランド島。
    心の気温変化が激しいのよ・・・。

    これまでの三作と違って伝説の生物や幻想的な某が出ては来ないが、これでもっての最終巻!
    しめくくりに相応しい傑作だった。

    ああ、終わっちゃった・・・読みおわっちゃった・・・
    このシリーズ、おも

    0
    2025年03月14日
  • 赤く微笑む春

    Posted by ブクログ

    北欧スウェーデン、エーランド島の四季四部作の三作目。
    エーランド島に春が来る。
    やっぱり家がいいと老人ホームから戻って来たイェルロフ。
    シングルファザーファミリーのペール・メルネルと双子たち。
    共依存夫婦のヴェンデラ・ラーションとマックス・ラーション。

    物語はシングルファザー、ペールにセックス産業を生業としていたペールの父から「迎えに来てくれ」と電話が来ることから動き出す。
    前作の冬はオカルト(死者・霊)で寂とした気持ちの悪い雰囲気だったのだが、今作はエルフやトロール、ヴァルプルギスの夜が幻想的かつ神秘的で、エーランド島の春の訪れを見ることができる。

    そして「性に奔放な国スウェーデン」のイ

    0
    2025年01月27日
  • 赤く微笑む春

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    エールランド島4部作もいよいよ3作目。長い冬を終え、春に突入…とはいえ、あったかポカポカ気持ち良い弛緩といかないところが、ヨハン・テオリンの作品。

    本作の主人公は2人、元ポルノ映画製作者、現在認知症を患う父と重篤なガン患者の娘を持つ、若干冴えない男ペール。
    もう一人は、元エールランド島の住人で、強圧的な夫に振りまわされて心が疲れている婦人ヴェンデラ。

    二人がエールランド島、シリーズ通しての主人公イェルロフ(83歳になり死に場所を求めて老人ホームを自発的に退所する)の近所に越してきたところから物語がギシギシと動き出す。氷河が溶けだして河口へ向かうように、ジワジワとでも確実に。

    今回も全2作

    0
    2020年03月21日
  • 冬の灯台が語るとき

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    なんとも、地っ味ぃ~な話(笑)
    もちろん誉め言葉。それも最大限!

    北欧ミステリーは前に何冊か読んだけど、どれもイマイチで。
    読んでる時はそこそこ面白いんだけど、読み終わった途端「あぁー、つまんなかった」と、なぜか口から出ちゃう昨今のハリウッド映画みたいだなーと、すっかり敬遠していたのだが、これは逆転満塁ホームランだった。
    とにかく地っ味ぃ~に、少しずつ少しずつ話が進んでいくところがよかったんだろうなぁー。
    最期の「なんだよ、それ?」的な明後日の方から飛んでくるような変化球が全然気にならないくらい、というより世の中の事件なんてまぁそんなもんだよなぁーと思えるのは、やっぱり地味なストーリーの一つ

    0
    2019年04月28日
  • 黄昏に眠る秋

    Posted by ブクログ

    スウェーデンの新鋭のデビュー作。
    哀切という言葉が似合う傑作です。

    20数年前、霧深いエーランド島の平原で、イェンスという5歳の男の子が行方不明になった。
    母のユリアは立ち直れないまま。
    少年の祖父イェルロフは元船長だが80歳を過ぎ、老人ホームに入っている。
    その父からユリアに電話があり、イェンスが当時履いていたらしいサンダルが送りつけられてきたという。
    今頃、誰が何のために‥?
    あれ以来、ユリアは父と疎遠になり、父さんと呼ぶこともなくなっていた。
    だが父が気になっている手がかりを追って、二人は島で聞き込みを始める。
    疑いをかけられた一人のニルス・カントは、事件当時既に死んでいるはずだった‥

    0
    2015年01月24日

新規会員限定 70%OFFクーポンプレゼント!