作品一覧

  • ソリティアおじさんがいた頃

    小説・文芸

    3.4
    1巻1,800円 (税込)
    第175回芥川賞候補作 人生を切りひらく決断と成長の一手 京都にある味噌製造会社につとめるわたし。ある冬の寒い朝、出勤すると社内のあちこちでささやかされる噂にになつかしい名前を聞く。 「亡くならはってん、黒野田さん」 かつてわたしが心のなかでこっそり「ソリティアおじさん」呼ばわりしていた人が死んだ。 「火事やってんて」 ひょんなことからソリティアおじさんの通夜に参列したわたしは、ずるずると交際の続く恋人、将来の見通しのたたない仕事、それぞれに踏ん切りをつけるためある決断を下す。 軽妙な京都弁で女性の内面を鮮やかに描き、誰にでもある変わらぬ日常におとずれる些細な変化こそが、人生の行き先を変える様を控えめに、けれど確かに物語る胸に染み入る傑作小説。 ソリティアのように無数の選択肢がある人生で、わたしが選んだ次の一手。クリアとなるか、手詰まりか。

ユーザーレビュー

  • ソリティアおじさんがいた頃

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    親戚のたけしおじちゃんが亡くなったのは、
    社会人2年目の冬だった。

    私の実家は一階が車庫で、
    その中に小さな事務所があった。
    父の実家がやっていた電器屋の名残りみたいなもので、そこにはいつもたけしおじちゃんがいた。

    ひいおばあちゃんの血の繋がらない息子。
    私の親戚で、一番好きなおじちゃんだった。

    学校から帰ると玄関に入る前に、
    たけしおじちゃんのいる事務所に向かった。

    おじちゃんは、当たり前のように「おかえり」と
    言ってくれてその頃はディアゴスティーニが出してた戦艦大和の模型を作っていた。

    「これおじちゃんが作ったの!?」
    「そやで。綺麗に塗れとるやろぉ」

    そう言って頭を撫でてくれ

    0
    2026年08月03日
  • ソリティアおじさんがいた頃

    Posted by ブクログ

    30年くらい前、昼休みにソリティアをしていたおじさんを思い出した。
    仕事中もしていたのかなと思ってしまった。
    物語は、火事で亡くなったソリティアおじさんのことが元職場の女性の京都弁でテンポ良く語られる。「知らんけど」と言う方言が何回も出てきて、懐かしい。
    印象的な文章
    ⒈焼かれたというのでもなく、焼いたというのでもなく、ただ焼けたのだと思えば、だれのせいでもなく、事実を事実のまま受け止めることができる。
    ⒉人生が行き詰まるのではない、人間の思いが行き詰まるのです。

    0
    2026年08月24日
  • ソリティアおじさんがいた頃

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    三山味噌で働いていた黒野田さん(ソリティアおじさん)が火事で亡くなった。黒野田さんの最後の弟子にあたる海史の彼女である古井瀬瑠奈が主人公。彼女の視点で物語が進む。物語の調子は関西弁で貫かれ、とても軽い感じがする。瑠奈は海史の代役として黒野田さんの通夜に参列する。喪主である黒野田さんの娘との出会いがあり、海史との別れありで、物語のベクトルは定まらない。瑠奈と海史、味噌とチョコ、父と娘、など対立構造がありそうでないような、フワフワとする感じ。そこが読んでいて気持ちいいところである。ただし、作品が出す主張のようなものを感じ取れず、それで良いような気もするし、読み取れていない自分が残念なような気がする

    0
    2026年08月18日
  • ソリティアおじさんがいた頃

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    面白かった。
    何年も前に会社を退職したおじさんの急死〜葬儀〜知り合った娘さんとの交流が主人公視点で書かれている。
    特に大きな事件はなく日常のちょっと下出来事が主な題材だが、読後感がスッキリしてよかった。

    0
    2026年08月08日
  • ソリティアおじさんがいた頃

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    芥川賞候補作と知らずに読みました。

    結果、短い単語のリズムが心地よく、読みやすかったです。

    恋愛や結婚についていえば、良い人、気が利く人であれば結婚へたどりつくわけではないと実感させられました。
    結婚は恋や愛だけではなく、生活を一緒に作っていくパートナーである必要があるのだなと。
    未来が見えない相手とは続けていくことはできないのだなと。

    0
    2026年08月08日

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