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  • 1100日間の葛藤 新型コロナ・パンデミック、専門家たちの記録
    4.4
    1巻1,980円 (税込)
    政府・新型コロナウイルス感染症対策分科会会長、唯一のコロナ手記。 著者は世界保健機関(WHO)で西太平洋地域事務局長を務め、同地域のポリオ撲滅やSARS制圧に尽力した感染症対策の専門家だ。中国・武漢市で謎の感染症が発生したという話を聞いたときから「日本での感染拡大は時間の問題だ」という危機感を抱いていた。 政府・厚労省に感染症対策の専門家は少なく、2020年2月に入って立ち上がった専門家助言組織では国がしようとしている政策について意見を聞かれたのみ。このままでは対策が間に合わないと「ルビコン川を渡る決意をした」。専門家たちは土日などに集まっては手弁当で勉強会を開催し、対策の提言を出した。その数は3年間で100本以上になった。それらの提言の裏に、葛藤があった。 疫学データが足りない、政府と専門家の役割分担が不明確、社会経済活動と感染対策のバランスは? 一般医療とコロナ医療をどう両立するか。人々の価値観が多様で、唯一絶対の正解はない中で、どう社会の共通理解を見いだすか……。 新型コロナ・パンデミックは日本社会に様々な問いを投げかけた。 専門家のまとめ役として新型コロナ対策の中心にいた著者が、新型コロナの1100日間を自身が抱いた葛藤とともに振り返る。

ユーザーレビュー

  • 1100日間の葛藤 新型コロナ・パンデミック、専門家たちの記録

    Posted by ブクログ

    最近の仕事で感じていた「有識者および専門家と政策形成の関係・役割のあるべき姿とは」という問題意識に合致し非常に面白かった1冊だった。シーシャ屋で軽い気持ちで読み始めたら最後まで一気に読んでしまった。

    本著では新型コロナに対応した尾身茂氏が、時系列に氏を中心とした有識者の振り返りと、それらを踏まえた課題を整理されている。

    有識者と政府がメディアで思われている以上に同一の存在ではなく、緊張関係にありつつ、専門的観点から政府に提言し続け、その都度政府側が様々な反応があり、様々なやり取りをしつつ、コロナ対応を推進する模様を描かれているのは、回顧録としても非常に面白かった。

    本著からは「専門性の重

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    2025年02月23日
  • 1100日間の葛藤 新型コロナ・パンデミック、専門家たちの記録

    Posted by ブクログ

    新型コロナ発生から関わってこられた尾身先生による手記です。読んでみて印象に残ったのは、平時への移行フェーズに関しては専門家と社会の齟齬が生じて、尾身先生をもってしても舵取りに苦慮したという下りでした。

    ステークホルダー間の利害対立を調停するのは本来政府の役割であって、専門家が主導する(あるいはそのように見える)のは望ましくないというのが本来のお考えでしょうけど、危機的状況にあたりあえてそこを越えたことについては、今後評価されることになるのでしょう(個人的には当時政府のメッセージが弱すぎたと感じました)。

    5類化の議論については、分科会内では重症化だけでインフルエンザとは比較できないという至

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    2024年08月14日
  • 1100日間の葛藤 新型コロナ・パンデミック、専門家たちの記録

    Posted by ブクログ

    社会は、日常に戻ってきている。あの大変だった日々.その中でのプロセス、専門家会議の提言。感染症危機に強い社会への展望 。
    普通の市民にとっても、大変だった日々を思い出しながら、読み終えた。
    思わず、タイトルのみで、購入してしまった.
    購入して、読めて良かった!

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    2024年04月27日
  • 1100日間の葛藤 新型コロナ・パンデミック、専門家たちの記録

    Posted by ブクログ

    長かったコロナ禍。いろいろな方面から矢面に立ちながらも方向性を提言・構築してくれた尾身さんはじめ専門家の方々のご苦労に心からの敬意を表します。この本の発刊を知った時、すぐにでも読みたい衝動に駆られました。コロナ禍の3年余り、私も管理職の立場にあり、常に判断と決断を迫られる日々を送っていました。葛藤もありました。本書の中で様々な分野の専門家たちが集まり、それぞれの知見をぶつけ合う。感情論になることもあり、人間関係がギスギスする中、尾身さんは「そんな内輪もめをしている場合か。仲間内の人間関係についてくだくだ言うよりも闘うなら、もっと大きな目的のために闘おうではないか。私たちに与えられたミッションを

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    2024年04月26日
  • 1100日間の葛藤 新型コロナ・パンデミック、専門家たちの記録

    Posted by ブクログ

    本書を読むと、特にコロナ禍の後半では政府の情報の取り扱いや意思決定が非常に軽かったのが目立ってくる。 日本ではこれまでも、そして現在も日々当たり前のように事前リークが行われているが、政治や行政では既成事実を作って物事を進めると言うのが1つの様式になってしまっているように見える。

    また実際には専門家に相談していないにもかかわらず、専門的な知識から決定したと言うのは、厳密には嘘のわけで、この辺もわが国の政治における言葉の軽さが如実に現れていると感じた。

    本書が書かれた理由の一つでもあり、専門家の奮闘を支える原動力の一つとなっていたが「対策は最終的には歴史が判断する」という価値観だ。言葉が軽い、

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    2024年03月30日

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