【感想・ネタバレ】1100日間の葛藤 新型コロナ・パンデミック、専門家たちの記録のレビュー

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Posted by ブクログ

社会は、日常に戻ってきている。あの大変だった日々.その中でのプロセス、専門家会議の提言。感染症危機に強い社会への展望 。
普通の市民にとっても、大変だった日々を思い出しながら、読み終えた。
思わず、タイトルのみで、購入してしまった.
購入して、読めて良かった!

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2024年04月27日

Posted by ブクログ

長かったコロナ禍。いろいろな方面から矢面に立ちながらも方向性を提言・構築してくれた尾身さんはじめ専門家の方々のご苦労に心からの敬意を表します。この本の発刊を知った時、すぐにでも読みたい衝動に駆られました。コロナ禍の3年余り、私も管理職の立場にあり、常に判断と決断を迫られる日々を送っていました。葛藤もありました。本書の中で様々な分野の専門家たちが集まり、それぞれの知見をぶつけ合う。感情論になることもあり、人間関係がギスギスする中、尾身さんは「そんな内輪もめをしている場合か。仲間内の人間関係についてくだくだ言うよりも闘うなら、もっと大きな目的のために闘おうではないか。私たちに与えられたミッションを忘れちゃだめ」の発言の場面がありました。尾身さん自身の覚悟が伝わってきて、胸を打たれました。このメンバーの立場には上下関係もなく、年齢差もなく、お互いの忖度もない。政府に対しても同様のスタンスでありました。そこに専門家それぞれの卓越した識見に対する誇りと矜持を感じました。

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2024年04月26日

Posted by ブクログ

本書を読むと、特にコロナ禍の後半では政府の情報の取り扱いや意思決定が非常に軽かったのが目立ってくる。 日本ではこれまでも、そして現在も日々当たり前のように事前リークが行われているが、政治や行政では既成事実を作って物事を進めると言うのが1つの様式になってしまっているように見える。

また実際には専門家に相談していないにもかかわらず、専門的な知識から決定したと言うのは、厳密には嘘のわけで、この辺もわが国の政治における言葉の軽さが如実に現れていると感じた。

本書が書かれた理由の一つでもあり、専門家の奮闘を支える原動力の一つとなっていたが「対策は最終的には歴史が判断する」という価値観だ。言葉が軽い、あるいは情報の取り扱いが軽いという人の価値観はいわばその対局にあるわけで、究極的には「今を生きる」政治家や官僚と、「歴史の一部である」専門家たちの価値観と違いがそこにはあったように思う。もちろん個人的には、自分は後者にシンパシーを感じているのは言うまでも無い。

一般的には「終わった」ことになっているコロナとの戦いがまだ続いていることを改めて思い出させるとともに、何があったのかを当事者が残す貴重な一冊になっている。

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2024年03月30日

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ここで書かれていることが全て真実だとは思わないが、マスコミで騒がれている(騒ぐことで儲けているライターの皆様)世界とは異なる尾身さんの世界観を知ることができた。

前線にいる一兵卒には、管理者や国の専門家たちがどのような仕事をしているのかよくわからなかったが、克明に描かれていたので、非常に学びとなった。

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2024年03月24日

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尾身先生はじめ、分科会の皆様の葛藤がとても伝わる内容でした。とても貴重な資料です。
今後のコロナ対策、そして次のパンデミックに対して、自分自身がどう備えられるか、考えていきたい。

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2023年11月24日

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当時のことを振り返りながら読ませていただきました。
ただただお疲れ様、そして感謝の言葉しかありません。

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2023年10月11日

Posted by ブクログ

ネタバレ

社会は許容できる死亡者数を決められるか…。
あまりにも重い提言だ。どうしても出せなかったとはいえ、こんなことを検討しなくてはならないほど逼迫した状況を3年も戦い続けてくれた専門家の皆さんにまずは感謝したい、と本書を読んで思った。

誰も最も最良と言える確かな判断を出来ない状況の中で、時には怒鳴り合いながら六時間以上も話し合うのはものすごい精神力や忍耐や体力も必要だったことと思う。
そしてこれだけ詳細なデータややり取りを残しておくこと自体も必要とはいえ大変な作業量だったことと思う。
よくぞこれだけの文章にまとめられたものだと思う。
著者は常に矢面に立たされる立場だったことから世間から批判されることも多かったと思う。
本書には感情表現はほぼなかったけれど(あえて記録に徹しようとする本書の著者のスタンスだったのでしょう)記録を掘り起こして書きながら、その時の辛さが耐え難かったことを思い出されたりしたこともそれはそれは多くあっただろうと文のあちこちで推察させられた。

まだコロナは収束していっているとはとても言えないけれど、何十年後かにこの本の記録の価値を今以上に見直さなくてはならない時は必ず来ると思う。
それは今のコロナ禍が終息を迎えたときかもしれないし(終息、するだろうか?)、新たなパンデミックに見舞われたときかもしれない。

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2024年04月20日

Posted by ブクログ

あの極限状態の中で「葛藤を突き詰める」ことから真正面から向き合える人は尾身先生ぐらいしかいないんじゃないかなと思う。尾身先生の一番すごいと思う所はとにかく「辛抱強い」とこだと思う。

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2024年02月04日

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先生に対してお礼の言葉以外になにがある?

・葛藤は避けるのではなく、突き詰める。
わからないこと、もやもやしていることがあると、つい避けたくなる。逃げたくなる。そこをこらえて突き詰めることで、道が開ける。まさに。

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2024年01月31日

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新型コロナウイルス感染症対策分科会会長としての3年以上に渡る葛藤と格闘の記録。改めて、こんなにも緻密に膨大な量の分析と議論と行動をされてきたのかと思う。そして何よりも焦点が当てられているのは、政府・専門家・市民の三者の関係とコミュニケーションの取り方について。ここで著者は「オープン」と「共創」を大事な原則として挙げられていると理解した。この点は大いに共感。隠したりいがみ合ったりすると結局はうまくいかない。政府や市民をいたずらに悪者にせず、冷静に分析・提言をされていると感じた。

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2023年11月11日

Posted by ブクログ

この人の立場でしか語れない、貴重な話だらけだ。
歴史書としての価値もありそう。
ただ、同じ話の繰り返しであったり、冗長だな、と感じる部分もあった。
「1100日間の葛藤」ということであれば、最終章に書かれていることに集約されると思う。
尾身氏への敬意を抱かざるを得ない書。

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2023年11月08日

Posted by ブクログ

今は花粉症対策でマスクをする人があちこちで見られるが、
コロナ禍の、全員必須、しなければ国賊、というような緊張感はなくなった。
あ、病院だけは相変わらず必須だが。

2020年2月に始まり、2023年5月の5類移行に終わったコロナ禍で
「専門家会議」の会長だった尾身茂氏が、その3年の活動をまとめた本

基本は記録。
正体不明の新型ウィルス、志村けん、岡江久美子の死で一気に緊張感が高まり、
当時の安倍首相以下政府の迷走が思い出される。
学校の全国一斉臨時休業、緊急事態宣言、アベノマスク、三密、無観客東京オリパラ、、

未知のウイルスに対する試行錯誤は当然ではある。
専門家といっても、未知なものは未知。未来予測はできない。
打つ手が外れることは当然ある。
それでも必死にデータをもとに統計的に科学的に分析し、提言をする。
しかし、、

偏差値優等生の官僚は、正解しか許せない。
世襲政治家は自分の頭で考えない。大局など見ない。
そんな連中に、専門家が提案をしても、
暖簾に腕押しだった様子がこの本からは見て取れる。

その後、統一教会とキックバックが明らかになり、
世襲以外の自民の政治家は自分の当選のことしか考えていないことがばれてしまった。
そして一方世襲議員はやはり考えてない。
そんな連中の施策がまともであるはずがないのだ。
予算を組むなどもってのほか。当時は五輪、今は万博、そして軍備に金を使い、
献金してくれる財界だけを潤すことしか考えられない。
三度の食事も満足にとれない子供を救おうとはしない。
出生75万人、婚姻50万人も当然だ。

それでも民主主義しかない。独裁政治はだめだ。
チャーチルの
「民主主義は最悪の政治形態といわれてきた。他に試みられたあらゆる形態を除けば」
には納得せざるを得ない。ロシアや中国を見ていると。

であれば、下手を打った政権に退いてもらう、それしかないのだ。
あとはあとだ。

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2024年03月06日

Posted by ブクログ

コロナ対策を振り返る尾身会長の手記。コロナ対策は必ずふりかえって置かなければならず、尾身氏は対策の中枢であった人。具体的なコロナ対策の記録という点でも価値があるが、このような困難な問題と状況で、きちんと文書を残し、粘り強くコミュニケーションをし、ときには苦言を呈し、内部からの反発もあったり、外部状況の急速な変化に対応したり、それを自分自身が悩みを含めて語っているところに価値がある。専門家としてのリーダーシップのあり方を示した。

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2024年01月28日

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