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政府・新型コロナウイルス感染症対策分科会会長、唯一のコロナ手記。
著者は世界保健機関(WHO)で西太平洋地域事務局長を務め、同地域のポリオ撲滅やSARS制圧に尽力した感染症対策の専門家だ。中国・武漢市で謎の感染症が発生したという話を聞いたときから「日本での感染拡大は時間の問題だ」という危機感を抱いていた。
政府・厚労省に感染症対策の専門家は少なく、2020年2月に入って立ち上がった専門家助言組織では国がしようとしている政策について意見を聞かれたのみ。このままでは対策が間に合わないと「ルビコン川を渡る決意をした」。専門家たちは土日などに集まっては手弁当で勉強会を開催し、対策の提言を出した。その数は3年間で100本以上になった。それらの提言の裏に、葛藤があった。
疫学データが足りない、政府と専門家の役割分担が不明確、社会経済活動と感染対策のバランスは? 一般医療とコロナ医療をどう両立するか。人々の価値観が多様で、唯一絶対の正解はない中で、どう社会の共通理解を見いだすか……。
新型コロナ・パンデミックは日本社会に様々な問いを投げかけた。
専門家のまとめ役として新型コロナ対策の中心にいた著者が、新型コロナの1100日間を自身が抱いた葛藤とともに振り返る。
Posted by ブクログ 2024年04月26日
長かったコロナ禍。いろいろな方面から矢面に立ちながらも方向性を提言・構築してくれた尾身さんはじめ専門家の方々のご苦労に心からの敬意を表します。この本の発刊を知った時、すぐにでも読みたい衝動に駆られました。コロナ禍の3年余り、私も管理職の立場にあり、常に判断と決断を迫られる日々を送っていました。葛藤も...続きを読む
Posted by ブクログ 2024年03月30日
本書を読むと、特にコロナ禍の後半では政府の情報の取り扱いや意思決定が非常に軽かったのが目立ってくる。 日本ではこれまでも、そして現在も日々当たり前のように事前リークが行われているが、政治や行政では既成事実を作って物事を進めると言うのが1つの様式になってしまっているように見える。
また実際には専門家...続きを読む
Posted by ブクログ 2024年03月24日
ここで書かれていることが全て真実だとは思わないが、マスコミで騒がれている(騒ぐことで儲けているライターの皆様)世界とは異なる尾身さんの世界観を知ることができた。
前線にいる一兵卒には、管理者や国の専門家たちがどのような仕事をしているのかよくわからなかったが、克明に描かれていたので、非常に学びとなっ...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年11月11日
新型コロナウイルス感染症対策分科会会長としての3年以上に渡る葛藤と格闘の記録。改めて、こんなにも緻密に膨大な量の分析と議論と行動をされてきたのかと思う。そして何よりも焦点が当てられているのは、政府・専門家・市民の三者の関係とコミュニケーションの取り方について。ここで著者は「オープン」と「共創」を大事...続きを読む
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