作品一覧

  • 資本主義は私たちをなぜ幸せにしないのか
    4.0
    1巻1,100円 (税込)
    なぜ経済が発展しても私たちは豊かになれないのか。それは、資本主義が私たちの生活や自然といった存立基盤を餌に成長する巨大なシステムだからである。資本主義そのものが問題である以上、「グリーン資本主義」や、表面的な格差是正などは目くらましにすぎず、根本的な解決策にはなりえない。破局から逃れる道はただ一つ、資本主義自体を拒絶することなのだ――。世界的政治学者が「共喰い資本主義」の実態を暴く話題作。(解説・白井聡)

ユーザーレビュー

  • 資本主義は私たちをなぜ幸せにしないのか

    匿名

    購入済み

    資本主義を純粋に経済のシステムとして捉えるのではなく、社会全体に権力を行使するシステムとして、拡張して捉えなおすことの必要性を本書は何度も説いている。その例として、資本主義社会システムに埋め込められた人種差別、女性差別(女性にケア労働を押し付ける)、自然破壊、国家権力の溶解を挙げる。これらの領域の問題はしばしば資本主義とは無関係なものとして認知されているが、資本主義社会システムがその根本原因となっている、と本書は述べる。資本主義はそれらに依存することで、問題を引き起こしつつも、それらとの関係を否認する。
    著者は社会主義を鍛え直して、現在の資本主義へのオルタナティブとして提示せんとするが、著者も

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    2024年12月03日
  • 資本主義は私たちをなぜ幸せにしないのか

    Posted by ブクログ

    「資本主義の本質を制度化された社会秩序と捉えるとき、経済的なものと政治的なものとを分離することは、秩序のなかの政治的な範囲を著しく制限してしまう。社会生活の多くの面を『市場』の支配に(実際は大企業に)委譲することで、資本主義はそれらの多くの面に向かって、民主的な意思決定、集団行動、公的支配は“立ち入り禁止”だと宣言した。この決定は、集団的に意思決定する私たちの能力を奪い取る。(中略)それゆえ、資本に備わった構造によって、資本主義は基本的に反民主主義だ。」(P.208)

    0
    2024年07月18日
  • 資本主義は私たちをなぜ幸せにしないのか

    Posted by ブクログ

    題名の通り、資本主義はなぜ私たちを幸せにしないかを歴史的、構造的に明らかにし、それを乗り越えるには難しいが、社会主義社会を作るしかないということである。一気に変えることは出来ない。まず、ケアの復権、自然保護、民主的な自治である。また社会変革のプロセスを民主化していくことである。米国の学者が著したものであるが、現代の日本に当てはまることばかりで、現状についての理解が深まると同時に今は大きな変化の時代であることも確信した。

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    2023年12月14日
  • 資本主義は私たちをなぜ幸せにしないのか

    Posted by ブクログ

    資本主義を経済だけでなく、社会ととらえて、問題を提起していた。「人種差別に依拠した収奪」「ケア労働の過小評価」「地球温暖化に代表される自然環境の破壊」「国家権力を骨抜きにする反民主主義」などに分けて、テーマ別に深掘りしていた。どんな社会関係を築いて、集団的に生産した社会的余剰をどのように使いたいのか、自然や将来世代とどんな関係を持ちたいのか、資本家任せではなく、私たち自身で決定したいと思った。

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    2024年10月05日
  • 資本主義は私たちをなぜ幸せにしないのか

    Posted by ブクログ

    文章は観念的で長い。くどい。もっと簡潔にお願いしたい。
    段落の頭尾に簡潔な文章があるので、それでなんとか付いていける。
    けど、資本主義が乗り越えるべき壁だということはよく伝わってきた。大変そうだけど、革命といっていいだろう大きな話だろうけど、血も流れるんだろうな、とも思うけれど。そうなるんだろうね。

    0
    2024年07月14日

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