作品一覧

  • 資本主義は私たちをなぜ幸せにしないのか

    資本主義は私たちをなぜ幸せにしないのか

    ビジネス・実用

    4.1
    1巻1,177円 (税込)
    なぜ経済が発展しても私たちは豊かになれないのか。それは、資本主義が私たちの生活や自然といった存立基盤を餌に成長する巨大なシステムだからである。資本主義そのものが問題である以上、「グリーン資本主義」や、表面的な格差是正などは目くらましにすぎず、根本的な解決策にはなりえない。破局から逃れる道はただ一つ、資本主義自体を拒絶することなのだ――。世界的政治学者が「共喰い資本主義」の実態を暴く話題作。(解説・白井聡)
  • POSSE vol.48 特集「ジェネレーション・レフトの衝撃」

    POSSE

    ビジネス・実用

    -
    48~61巻1,540~1,760円 (税込)
    世界ではミレニアル世代やZ世代の若者たちが、資本主義に対して抗議の声をあげはじめた。彼/彼女らは「システムチェンジ」を掲げ未来に向かって歩みはじめている。一方で日本では若者の左傾化というよりは「保守化」の傾向が強いと言われている。しかし資本主義の行き詰まりのなかで、ジェネレーション・レフトへとつながる可能性は、ここ日本においても確実に芽生えつつある。本特集ではZ世代の若者たちの社会運動から、その可能性を探っていく。 【目次】 ◆特集「ジェネレーション・レフトの衝撃」 ジェネレーション・レフトになるために 斎藤幸平 「生理×社会問題」で資本主義と闘う 谷口歩実×福井みのり×塩野美里 気候正義を求めて闘うZ世代 山下颯太×北村達哉×郡さやか 多国籍労働組合で見た「ジェネレーション・レフト」たちの背景 松本瑞穂×リティカ・シン×ジョー・プラマー×オレン・フランクハム 社会を根本から変えるような運動がしたい 山本健太朗×岩本菜々×田所真理子ジェイ 素朴世代論を超える世代 萩田翔太郎 日本における「ジェネレーション・レフト」の可能性を探る 渡辺寛人(POSSE事務局長・本誌編集長) ポピュリズムに抗するZ世代の「労働運動」戦略 今野晴貴(POSSE代表) その他記事多数掲載。 【著者】 POSSE編集部 『POSSE』は日本で唯一の若者による労働問題総合誌として、2008年9月に創刊しました。NPO法人POSSEのスタッフが中心となり制作。労働・貧困問題をテーマに、現状、政策から文化までを論じています。 斎藤幸平 大阪市立大学大学院経済学研究科准教授。ベルリン・フンボルト大学哲学科博士課程修了。博士(哲学)。専門は経済思想。Karl Marx’s Ecosocialism:Capital, Nature, and the Unfinished Critique of Political Economy(邦訳『大洪水の前に』・堀之内出版)によって「ドイッチャー記念賞」を日本人初、歴代最年少で受賞。その他の著書に『人新世の「資本論」』(集英社新書)。 今野晴貴 NPO法人POSSE代表。年間5000件以上の労働・生活相談に関わり、労働・福祉政策について研究・提言している。

ユーザーレビュー

  • 資本主義は私たちをなぜ幸せにしないのか

    Posted by ブクログ

    本書は、資本主義の矛盾点を指摘し、新たなる社会システムへと移行することを促す。
    まずフレイザーは、資本主義を単なる経済システムとして捉えることは不完全な視点であり、それだけでは見落としてしまう資本主義の問題があるという。そこで、資本主義を、「制度化された社会秩序」として拡張して捉え、「資本主義経済」ではなく、「資本主義社会」と定義する。この視座に立って確認できることは、資本主義は経済的な条件のみならず、他にも四つの「非経済的な」条件の上で成り立っていることだ。そして、そうした条件があるからこそ、資本主義社会は、非経済的な現象に対しても強い影響力を持っている。その四つの「非経済的な」条件とは、収奪/搾取の分離、経済的生産/社会的再生産の分離、自然/人間の分離、経済/政体の分離だ。つまり、資本主義は、カラーラインを境界に人種的弱者から「収奪」し、「社会的再生産」を低価値に位置付けて社会的弱者に結びつけて現場を疲弊させ、「自然」をその自己回復能力を頼みに荒らし、経済と「政体」を切り離し、公的権力を疎かにし、余剰など社会形成の問題を資本が決定し、民主的決定ができなくなっている。すなわち、資本主義は自身が強大に振る舞うために、これら「非経済的な」条件を犠牲にしているのだ。そしてフレイザーは、こうした条件が資本主義自身の存立の条件として成り立っているのにも関わらず、資本主義自らがそれらを侵害し、不安定化させている点であり、資本主義社会を共食いの象徴として「ウロボロス」に例え、資本主義の自滅的性質、矛盾的・不安定な性質を指摘していることも注目だ。
    しかし、のちに新たな社会システムとして構想される「社会主義」に対して、それが具体的にどのようなものになるかはナンシー・フレイザー自身まだ考え中のようだ。資本主義の抱える矛盾点に対応できそうなものとして、社会主義を挙げるのはいいが、それがどこまで通用するかの構想はさほどされていない。しかしフレイザー自身、社会主義としての構想の正解が見つかっていないのは自覚しており、そして本書の主眼はおそらく資本主義の矛盾点に対する抗議のはずなので、そこまで問い詰める必要もない。
    これら四つの条件は、それぞれ2章、3章、4章、5章で詳述・考察されている。そして、それを踏まえて、6章では新しい「制度化された社会秩序」として、資本主義の概念同様に拡張された「社会主義」について構想している。

    「資本主義の本質を理解する上で第一級の文献である」と宣伝される本書は、まさしくその価値がある本だと思った。新自由主義など、現代資本主義について多少の知識があるとかなり読みやすいだろう。また、本書は資本主義を、もっぱら「経済体制」として見るのでなく、「社会秩序」として捉えることを大前提とし、それがいかに「非経済的な」ものから成り立っているかについて鮮やかに暴き出している。その本書に一貫している論理構成から、ナンシー・フレイザーが現代の思想家として目されるだけの人物であると思った。また、ナンシー・フレイザーは名前ばかりよく聞くので今回を機に熟読できたのは良かった。ただ、その丁寧すぎる手腕のせいか、2章、3章、4章、5章で、どの段階の資本主義社会でもそれが言える、ということを示すために、四つの資本主義の段階を時系列的に展開し、いちいち説明しているところを読むのは少々面倒だった。本書的には必要なんだろうが、読者的にはそこはあまり面白くなかった。

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    2026年01月18日
  • 資本主義は私たちをなぜ幸せにしないのか

    匿名

    購入済み

    資本主義を純粋に経済のシステムとして捉えるのではなく、社会全体に権力を行使するシステムとして、拡張して捉えなおすことの必要性を本書は何度も説いている。その例として、資本主義社会システムに埋め込められた人種差別、女性差別(女性にケア労働を押し付ける)、自然破壊、国家権力の溶解を挙げる。これらの領域の問題はしばしば資本主義とは無関係なものとして認知されているが、資本主義社会システムがその根本原因となっている、と本書は述べる。資本主義はそれらに依存することで、問題を引き起こしつつも、それらとの関係を否認する。
    著者は社会主義を鍛え直して、現在の資本主義へのオルタナティブとして提示せんとするが、著者も述べる通り、まだそれは素描の段階を出ない。

    0
    2024年12月03日
  • 資本主義は私たちをなぜ幸せにしないのか

    Posted by ブクログ

    「資本主義の本質を制度化された社会秩序と捉えるとき、経済的なものと政治的なものとを分離することは、秩序のなかの政治的な範囲を著しく制限してしまう。社会生活の多くの面を『市場』の支配に(実際は大企業に)委譲することで、資本主義はそれらの多くの面に向かって、民主的な意思決定、集団行動、公的支配は“立ち入り禁止”だと宣言した。この決定は、集団的に意思決定する私たちの能力を奪い取る。(中略)それゆえ、資本に備わった構造によって、資本主義は基本的に反民主主義だ。」(P.208)

    0
    2024年07月18日
  • 資本主義は私たちをなぜ幸せにしないのか

    Posted by ブクログ

    題名の通り、資本主義はなぜ私たちを幸せにしないかを歴史的、構造的に明らかにし、それを乗り越えるには難しいが、社会主義社会を作るしかないということである。一気に変えることは出来ない。まず、ケアの復権、自然保護、民主的な自治である。また社会変革のプロセスを民主化していくことである。米国の学者が著したものであるが、現代の日本に当てはまることばかりで、現状についての理解が深まると同時に今は大きな変化の時代であることも確信した。

    0
    2023年12月14日
  • 資本主義は私たちをなぜ幸せにしないのか

    Posted by ブクログ

    資本主義を経済だけでなく、社会ととらえて、問題を提起していた。「人種差別に依拠した収奪」「ケア労働の過小評価」「地球温暖化に代表される自然環境の破壊」「国家権力を骨抜きにする反民主主義」などに分けて、テーマ別に深掘りしていた。どんな社会関係を築いて、集団的に生産した社会的余剰をどのように使いたいのか、自然や将来世代とどんな関係を持ちたいのか、資本家任せではなく、私たち自身で決定したいと思った。

    0
    2024年10月05日

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