作品一覧

  • 死なないと、帰れない島
    値引きあり
    4.7
    誰も知らなかった。 あの日の別れが永遠のものになることを。 「いますぐ荷物をまとめなさい!」 「どうか妹たちをお願いします」 「俺たちはここで玉砕するよ……」 「お前にはいろいろと島のことを教えてもらった。ありがとう」 「今度の疎開は一時的なものです。勝ったらまた戻るのです」 「なんで日本はこんな戦争を始めちゃったのだろう」 1944年7月、硫黄島。 それは一時疎開のはずだった―― 散り散りになった島民たちは なぜ今も故郷に帰れないのか? ベストセラー『硫黄島上陸』著者が、 この国の暗部を暴く傑作ノンフィクション! 【目次】 プロローグ 村が消えた日 第1章 違憲の島を歩く 第2章 トキ坊の夢 第3章 硫黄島少年記 第4章 密室の議事録 第5章 新生硫黄島 第6章 硫黄島かく戦えり 第7章 祖国は島民を棄てたのか 第8章 2025年の硫黄島 エピローグ 天皇陛下の花
  • 硫黄島上陸 友軍ハ地下ニ在リ
    値引きあり
    4.3
    なぜ日本兵1万人が消えたままなのか? 滑走路下にいるのか、それとも…… 民間人の上陸が原則禁止された硫黄島に4度上陸し、 日米の機密文書も徹底調査。 新聞記者が執念でたどりついた「真実」。 「僕は、硫黄島発の電報を受けた側にいた父島の兵士の孫だった。 『祖父の戦友とも言える戦没者の遺骨を本土に帰したい』 13年前に一念発起し、政府派遣の遺骨収集団への参加を模索し続け、ようやく参加が認められたのだった。 僕の心には、あの電報があった。 『友軍ハ地下ニ在リ』 硫黄島の兵士たちは今も地下にいて、本土からの迎えを待っているのだ。 電報を信じ、地を這うように玉砕の島の土を掘りまくった。 結果、僕はこれまでにどの記者も挑まなかった謎の解明に、執念を燃やすことになった。 その謎とは――。 戦没者2万人のうち、今なお1万人が見つからないミステリーだ」――「プロローグ」より 【本書の内容】 プロローグ 「硫黄島 連絡絶ゆ」 第1章 ルポ初上陸――取材撮影不可の遺骨捜索を見た 第2章 父島兵士の孫が硫黄島に渡るまで 第3章 滑走路下遺骨残存説――地下16メートルの真実 第4章 情報公開で暴いた硫黄島戦後史 第5章 硫黄島「核密約」と消えた兵士たち 第6章 戦没者遺児との別れ、そして再上陸へ 第7章 硫黄島の元陸軍伍長「令和の証言」 第8章 硫黄島ノ皆サン サヨウナラ エピローグ 「陛下、お尋ね申し上げます」

ユーザーレビュー

  • 死なないと、帰れない島

    Posted by ブクログ

    8月になると戦争に関する番組が増えてくる。広島・長崎の原爆、特攻、東京大空襲、そして終戦の玉音放送。戦後生まれの自分には、今まで自分ごととして咀嚼することはできていなかった。昨年、沖縄のひめゆりの塔、平和記念館を訪れてから、気持ちが大きく変化を見せた。サトウキビの畑の中で、子供たちが死んでいく。防空壕に爆弾が投げ込まれる。多くの疎開の子供を乗せた船が爆沈される。悲しく悲惨な戦争。それは沖縄だけでなく、この本の硫黄島でも起こっていた。「死なないと、帰れない島」。はじめ、それは死んだら魂が本土に帰っていけるのかと解釈していたが、違っていた。アメリカの思惑、日本の思惑が絡んで、返還された後もアメリカ

    0
    2025年08月10日
  • 死なないと、帰れない島

    Posted by ブクログ

    著者の志に胸を貫かれる思いであった。
    硫黄島は太平洋戦争末期の激戦地であったことは知っていたが、そこに一般の人々の生活があったことを知らなかった。
    知らなかったことに恥じる思いでいる。
    今も島民の方々の戦争は終わっておらず、戦争がこれほどの長きにわたって、人々を苛むものであるという事実を、改めて噛みしめている。

    0
    2025年08月09日
  • 硫黄島上陸 友軍ハ地下ニ在リ

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    ネタバレ

    著者の祖父は父島に出征していた。
    そして、10歳のときに父を亡くした。
    祖父が出征していた父島は、硫黄島と同じ小笠原諸島の一つで、硫黄島の通信兵の一部は元々父島の通信隊の所属だった。
    そして、父が亡くなったのは戦争とは関係ないが、10歳で遺児となった彼は硫黄島の戦いで父を亡くした、戦争遺児と自分を重ね合わせた。
    そんな事情から、彼は硫黄島に関心を持ち、硫黄島での遺骨収集団に加わることになる。
    そこには未だに亡くなった兵士の半分ほどの1万人が眠っている。そこに彼は疑問を持った。
    その理由と思われるいくつかの仮説が本書に書かれているのだが、その中で戦後もなお米国の支配が続いているかのような硫黄島の

    0
    2024年08月13日
  • 硫黄島上陸 友軍ハ地下ニ在リ

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    酒井聡平さん著「硫黄島上陸 友軍ハ地下ニ在リ」
    作者は北海道新聞記者、過去3回政府派遣の硫黄島遺骨収集団のボランティアに参加されている。
    自分と同い年の同学年という事も踏まえて素晴らしい活動をされている方で同世代として誇らしく思う。

    自分と同年代の現40代50代の間でも第二次世界大戦の歴史に触れようとする人は極少数だと思う。何故か世間的にタブーな感覚が付きまとっており、すぐに極右的な思想と判断されてしまう事が多い。
    戦争や公務で母国日本の為に殉職された方々の英霊が祀られた「靖国神社」「護国神社」の参拝すらとやかく言われるこの世の中。
    忘れてはいけない事は後世の為にと命をかけた方々のおかげで今

    3
    2024年07月25日
  • 硫黄島上陸 友軍ハ地下ニ在リ

    Posted by ブクログ

    硫黄島での戦没者遺骨帰還事業について、進行していないという情報は知っていたのですが、何故進行していないのか、今後どうするつもりなのかなどについて刮目させられました。

    加えて、硫黄島は日本に返還された筈ですが、ご多分に漏れず米軍への提供地域が少なからず残っている上に、名目的には返還されたものの、何分遠隔地である上に民間人が訪れることはできない土地であるので、実体的な支配はどうなっているのか?という疑問点もある事が判りました。

    最後に、尾辻参議院議長の遺骨帰還事業に込めた思いというのは、この本で初めて知りました。深い思いがあるんですね。

    この本の内容は、もっと知られるべきだと思います。

    1
    2024年07月24日

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