作品一覧

  • 本と歩く人
    4.3
    1巻2,673円 (税込)
    老書店員と少女が織りなす現代のメルヒェン 本を愛し、書物とともにあることが生きがいの孤独な老書店員が、利発でこましゃくれた九歳の少女と出会い、みずからの閉ざされた世界を破られ、現実世界との新たな接点を取り戻していく物語。 老舗の書店〈市壁門堂〉に勤めるカール・コルホフは、特定の顧客にそれぞれの嗜好を熟知したうえで毎晩徒歩で注文の本を届け、感謝されている。カールは顧客たちをひそかに本の世界の住人の名前(ミスター・ダーシー、エフィ・ブリースト、⾧靴下夫人、朗読者、ファウスト博士など)で呼び、自らの暮らす旧市街を本の世界に見立て、そこで自足している。 ある日突然、シャシャと名乗る女の子がカールの前に現れる。ひょんなことからカールの本の配達に同行するようになり、顧客たちの生活に立ち入り、カールと客との関係をかき乱していく…… 歩いて本を配達するふたりの珍道中と、曲者揃いの客たちとの交流、そして思いがけない結末を迎えた後はほのぼのとした読後感に包まれる。読書と文学へのオマージュといえる、いわば現代のメルヒェンのような作品。 二〇二〇年の刊行後、ドイツで一年以上にわたりベストセラーの上位を占め、六十万部を記録した。現在、三十五か国で翻訳されている。 【目次】 第一章 独立の民 第二章 異邦人 第三章 赤と黒 第四章 大いなる遺産 第五章 言葉 第六章 未知への痕跡 第七章 夜の果てへの旅  謝辞/訳者あとがき
  • 彼女はマリウポリからやってきた
    3.0
    1巻2,772円 (税込)
    半世紀以上を経て娘が探し当てた亡き母の生 ロシアとウクライナの血を引くドイツ語作家が、亡き母の痕跡と自らのルーツを見いだす瞠目の書。 母エウゲニアは、著者が10歳のとき若くして世を去った。幼い娘が知っていたのは、母がマリウポリで生まれたこと、第二次世界大戦中、両親が強制労働者としてウクライナからドイツに連行されたこと、曾祖父が石炭商人、祖母がイタリア人だったらしいことくらい。母の運命を辿ろうとこれまで何度か試みたが、成果はなかった。ところが、2013年のある夏の夜、ふと思い立ってロシア語の検索サイトに母の名前を打ち込んでみたところ、思いがけずヒットする。ここから手探りの調査と驚くべき物語が始まる。 「ここ一年ほど悲しい姿ばかりが報道されたウクライナのマリウポリだが、その多文化都市としての輝かしい歴史と、そこに生きた作者の親族の運命が、この小説には知的なユーモアと息苦しいほどの好奇心をもって描かれている」(多和田葉子氏) ウクライナの船主、バルト・ドイツの貴族、裕福なイタリア商人、学者、オペラ歌手など、存在すら知らなかった親類縁者の過去が次々と顕わになり、その思いもよらぬ光景に著者は息を呑み、読者もそれを追体験する。忘却に抗い、沈黙に耳をすませ、失われた家族の歴史(ファミリーストーリー)を永遠にとどめる世紀の小説。ライプツィヒ書籍見本市賞受賞作。

ユーザーレビュー

  • 本と歩く人

    Posted by ブクログ

    本好きな人、本に救われたことのある人。そんな人に、おすすめしたい本。
    カールに寄り添ううちに、人生の終い方についても考えさせられた。
    映画も観てみたい。

    0
    2026年02月08日
  • 本と歩く人

    Posted by ブクログ

    保守的でおだやかなおじいちゃんと、奔放で猪突猛進な子ども。
    一見正反対にも思う組み合わせの化学反応が、なんと幸福なことか!
    誰もが好きになるに決まってるだろう!

    うわーん、素直に感動しかなかったよ。
    王道の展開ではあるものの、王道でありがとうとすら思えるから不思議。
    じわじわと沁みわたる、心の滋養剤です。

    0
    2026年02月07日
  • 本と歩く人

    Posted by ブクログ

    書店員の老人と9歳の少女、凸凹コンビの会話の掛け合いが面白く、微笑ましい一冊。本好きの方に勧めたい。

    2020年に刊行されたドイツの小説で、一年以上にわたりベストセラーの上位を占め、60万部を記録したらしい。映画化済みだが、日本ではまだ観られないみたい。

    主人公は72歳の書店員・カール。
    老舗の書店に雇われてはいるが店頭に立つわけではなく、面白い働き方をしている。毎日、数冊の本をリュックに詰め、歩いて顧客に届けているのだ。顧客との間には長年の付き合いがあり、どういう系統の本を好むか熟知している。顧客もカールを信用し、選書を任せている。

    カールは顧客たちをひそかに小説の登場人物の名前で呼ん

    0
    2026年01月27日
  • 本と歩く人

    Posted by ブクログ

    書店員の老人カール・コルロフは年季の入ったリュックに、丁寧に包装された本を詰めて二キロメートル四方の町に出ていく。それらの本はそれらを求めている人々にこれから喜びと楽しさをもたらす役目を担っている。ある日黄色の冬用コートを着て飛行帽をかぶった少女と出会う。その出会いというのは少女の溌溂さと好奇心全開なものだった。長年崩されることの無かったルーティーンがその一人の少女シャシャによって打ち砕かれるところから始まる。
    老人と少年少女のバディ的な作品が何かと好きな私にとって(その始まりはニューシネマ・パラダイスに由来する)、本当に求めていたものだった。それに加えて本という要素が加わってくるものだからも

    0
    2026年01月22日
  • 本と歩く人

    Posted by ブクログ

    海外文学に親しみたくて、これまでいろいろな翻訳作品を読んできたが、本作はその中でも特に心に残る一冊かもしれない。読み進めるうちに、登場人物たちがまるで舞台の上に現れて動き出したかのように感じられ、それほど物語の世界に引き込まれた。

    ドイツ文学というと、どこか堅くて重たい印象を持っていたのだが、この作品はそうしたイメージを良い意味で裏切り、柔らかく温かみのある物語だった。

    0
    2026年01月14日

新規会員限定 70%OFFクーポンプレゼント!