マリアーナ・エンリケスの作品一覧

「マリアーナ・エンリケス」の「寝煙草の危険」「秘儀」ほか、ユーザーレビューをお届けします!

作品一覧

  • 寝煙草の危険
    4.1
    1巻3,000円 (税込)
    カズオ・イシグロ(ノーベル文学賞作家)絶賛! 「美しく、怖ろしい……近ごろ私が発見した最高に面白い小説」 ――ガーディアン紙「今年のベスト・ブック(2021)」 〈文学界のロック・スター〉〈ホラー・プリンセス〉エンリケスによる、12篇のゴシカルな恐怖の祭典がついに開幕!!! 寝煙草の火で老婆が焼け死ぬ臭いで目覚める夜更け、 庭から現れどこまでも付き纏う腐った赤ん坊の幽霊、 愛するロック・スターの屍肉を貪る少女たち、 死んだはずの虚ろな子供が大量に溢れ返る街…… 「もっと 火をつけねば」 〈スパニッシュ・ホラー文芸〉とは エルビラ・ナバロ、ピラール・キンタナ、サマンタ・シュウェブリン、フェルナンダ・メルチョール、グアダルーペ・ネッテル――今、スペイン語圏の女性作家が目覚ましい躍進を遂げている。作家によっては三十か国以上で翻訳され、世界中で好評を博すなど、現代文芸シーンにおける一大ブームとなっている。中でも、社会的なテーマを織り込みながら、現実と非現実の境界を揺るがす不安や恐怖を描いた作品群である〈スパニッシュ・ホラー文芸〉は、特に高く評価され、全米図書賞などの著名な賞の候補にも作品が上がるなど、今、最も注目すべき熱い文芸ジャンルの一つである。本書の著者マリアーナ・エンリケスは、〈文学界のロック・スター〉〈ホラー・プリンセス〉と称され数々の賛辞を受ける、現代アルゼンチン文学の頂点に君臨する作家である。 【2021年度国際ブッカー賞最終候補作】 LOS PELIGROS DE FUMAR EN LA CAMA, Mariana Enriquez, 2009

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  • 秘儀(上)(新潮文庫)
    完結
    4.5
    全2巻1,265円 (税込)
    “闇”の力を借りアルゼンチンの政財界の裏側で暗躍する〈教団(オルデン)〉と、それを司るブラッドフォード家。生贄を捧げる儀式で“闇”を呼びだす霊媒として利用され続けてきたフアンは、息子ガスパルも同じ力を有することに気づく。死期が間近の自分が倒れる前に、息子を逃がす計画をたてるが、〈教団〉の包囲網は次第に狭められていった……。現実と異界を行き来し繰り広げられる流血の狂騒曲!

ユーザーレビュー

  • 寝煙草の危険

    Posted by ブクログ

    貧困と社会不安から湧き上がってくるホラーを、ドライで簡素でありながらマジカルな筆致で描きだした短篇集。


    評判はかねがね聞いていたのでどんなものかと探る気持ちで読み始めた。「展望塔」辺りまでは語り口がスタイリッシュな今風のホラーだなくらいに思っていたら、「どこにあるの、心臓」以降キレ味鋭い作品がズラッと並んでいてすっかり参った。
    あけすけな語り口で身も蓋もないことがサクッと言葉にされているので、一瞬気づかず通り過ぎたあと二度見してギョッとする、みたいな文章が持ち味なのだが、エンリケスはジャーナリスト出身だそうでとても納得した。その身も蓋もなさには、どこかルシア・ベルリンのような味わいもある。

    0
    2025年11月11日
  • 秘儀(下)(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    こんなに長い本読んだのは久しぶり。
    最近の小説が値上がりしてるなか、この分量でこの値段!安い!かなり良心的、買う時絶対4000円超えると思ったのに。

    章ごとに視点と年代が変わるし、物語のジャンルみたいなのも変わってて楽しい。解説の杉江さんが書かれてるようにわたしもコーマック・マッカーシーとスティーブン・キングが頭に浮かんでたからびっくり!
    ガスパルのパートはITとかストレンジャーシングスを連想しながらだった。
    こんなに長いのにそこ?って言われそうだけど、上下巻通して第5部が1番面白かった。
    ここだけ雰囲気が全く違うし、ここ以外は教団に関わりがあって、ほとんど身内だけの視点だったのにいきなり外

    0
    2025年10月19日
  • 秘儀(上)(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    タイトルとカバー写真見てこれはもう買うしかないと、そして中身はぎっしりです。
    上から下までぎっしり文字が!隙間がないページがほとんどで活字中毒のための本かもしれない。
    儀式、怪しい組織、魔術のようなものを使える主人公、血と肉と狂気が詰まった儀式シーンは圧巻ですね。
    後半から息子のガスパル視点になり、フアンが一つも説明してくれないことに読んでるこっちも不安になってくる。見て覚えろ、やってみろ精神なのか口下手なのか。

    闇を神と崇めている組織があり、それを出現させるための霊媒がフアンであり、その力を息子ガスパルも引き継いでいるので組織に狙われているようですね。
    章ごとに視点が変わるので下巻では誰に

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    2025年10月10日
  • 寝煙草の危険

    Posted by ブクログ

    1973年ブエノスアイレスで生まれたアルゼンチン女性作家。
    ジャンルはホラー短篇なのですが、背景にはアルゼンチンの社会情勢、貧富や人種の格差、児童売買、女性への暴力などがあり、そして呪術や悪霊の存在が混じって、土着的な物語となっています。
    時代背景として、アルゼンチンでは1976年から83年の軍事政権時代に、警察や軍による市民弾圧がおこなわれ、3万人もの人々が姿を消した、ということがあります。
    グロテスクな描写、短篇の中では解決していない、弱者は酷い目にあう、などやりきれない展開ではありますが、そんな死んだ人、表面的にはきれいにされてもそこにある悲しみや苦しみ、霊となって戻ってきた者たちへを再

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    2025年09月12日
  • 寝煙草の危険

    Posted by ブクログ

    同発行元の「救出の距離」でスパニッシュホラーを知り、次に手に取った本書。本書も、むしろ本書が増して面白い。古くからある恐ろしいものが違和感なく現代に現れる短編集で、バナディス、フリエタと出てくる人名は馴染みがないものの、じわっとくる気味悪さはどこか親和性を感じ読みやすかった。

    ○ちっちゃな天使を掘り起こす
    雨の日に祖母が聞いていた泣き声。その元凶が突然ベッド脇に現れる。腐りかけのそれは主人公を終始追いかけるが、PC作業中に横で座っていたりと少し可愛く見えてしまった。

    ○湧水地の聖母
    ブスのくせに!というねっとりした嫉妬、正体不明の噂話、湧水の清らかさが美しく組み合わさった人怖。

    ○井戸

    0
    2025年08月24日

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