マリアーナ・エンリケスの作品一覧

「マリアーナ・エンリケス」の「寝煙草の危険」「秘儀」ほか、ユーザーレビューをお届けします!

作品一覧

  • 秘儀(上)(新潮文庫)
    完結

    秘儀

    小説・文芸

    4.2
    全2巻1,265円 (税込)
    “闇”の力を借りアルゼンチンの政財界の裏側で暗躍する〈教団(オルデン)〉と、それを司るブラッドフォード家。生贄を捧げる儀式で“闇”を呼びだす霊媒として利用され続けてきたフアンは、息子ガスパルも同じ力を有することに気づく。死期が間近の自分が倒れる前に、息子を逃がす計画をたてるが、〈教団〉の包囲網は次第に狭められていった……。現実と異界を行き来し繰り広げられる流血の狂騒曲!
  • 寝煙草の危険

    寝煙草の危険

    小説・文芸

    4.1
    1巻3,000円 (税込)
    カズオ・イシグロ(ノーベル文学賞作家)絶賛! 「美しく、怖ろしい……近ごろ私が発見した最高に面白い小説」 ――ガーディアン紙「今年のベスト・ブック(2021)」 〈文学界のロック・スター〉〈ホラー・プリンセス〉エンリケスによる、12篇のゴシカルな恐怖の祭典がついに開幕!!! 寝煙草の火で老婆が焼け死ぬ臭いで目覚める夜更け、 庭から現れどこまでも付き纏う腐った赤ん坊の幽霊、 愛するロック・スターの屍肉を貪る少女たち、 死んだはずの虚ろな子供が大量に溢れ返る街…… 「もっと 火をつけねば」 〈スパニッシュ・ホラー文芸〉とは エルビラ・ナバロ、ピラール・キンタナ、サマンタ・シュウェブリン、フェルナンダ・メルチョール、グアダルーペ・ネッテル――今、スペイン語圏の女性作家が目覚ましい躍進を遂げている。作家によっては三十か国以上で翻訳され、世界中で好評を博すなど、現代文芸シーンにおける一大ブームとなっている。中でも、社会的なテーマを織り込みながら、現実と非現実の境界を揺るがす不安や恐怖を描いた作品群である〈スパニッシュ・ホラー文芸〉は、特に高く評価され、全米図書賞などの著名な賞の候補にも作品が上がるなど、今、最も注目すべき熱い文芸ジャンルの一つである。本書の著者マリアーナ・エンリケスは、〈文学界のロック・スター〉〈ホラー・プリンセス〉と称され数々の賛辞を受ける、現代アルゼンチン文学の頂点に君臨する作家である。 【2021年度国際ブッカー賞最終候補作】 LOS PELIGROS DE FUMAR EN LA CAMA, Mariana Enriquez, 2009

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ユーザーレビュー

  • 寝煙草の危険

    寝煙草の危険

    小説・文芸

    Posted by ブクログ

    ものすごく久々に海外文学を読んだ…(韓国文学以外で)
    アルゼンチンすごい
    この惨状(貧困、薬物、人身売買、売春、ストリートチルドレン、狂人、暴力、犯罪etc)が本当に街中で起こっているっていうこと自体もすごいし…
    異世界 徹底的に汚く治安の悪いスラム…

    刹那的で、退廃的で、厭世観に満ちた世界
    日本が舞台の物語ではなかなかに表現できるものではない というか存在しない。

    訳者あとがきでのインタビュー紹介に『読者は私の小説を読んだ時、なんでこんなにぶっ飛んだことを書くのかと言うけれど、実はちっとも遠くない』と
    アルゼンチンその他日本ではない国の歴史と現状を知りたい、アップデートしたい

    0
    2026年08月26日
  • 寝煙草の危険

    寝煙草の危険

    小説・文芸

    Posted by ブクログ

    アルゼンチン。ホラー。短編集。
    めっちゃ面白かった。怖いしグロテスクなんだけどどこかに高潔さがあると思う。ゴシック??
    偏執的な妄想にとらわれている人の心理描写がすごい迫力で取り込まれそうになる。若い時に読んでいたらまずかったかもしれない…。

    0
    2026年08月19日
  • 秘儀(上)(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    物語の舞台は、1960年代から90年代にかけてのアルゼンチン。当時の社会状況を色濃く映し出したゴシックホラー。読み始めは全体像がつかみにくく戸惑ったけれど、読み進めるうちに断片がつながり、気づけば深く物語の中に引き込まれていた。教団をめぐる人物関係は複雑で少し覚えづらく、家系図を作って整理すると理解しやすかった(家系図を作ったのは『百年の孤独』以来かも)。
    フアンと教団に関わるパートは不気味さと恐怖が強く、一方でガスパルと友人たちの場面にはYA文学のような瑞々しさがあり、その対比も印象的。フアンがガスパルを傷つけてしまう場面は胸が痛み、読んでいてつらくなった。普段あまり手に取らないジャンルだけど、予想以上に面白く、すっかりハマっている。下巻を読むのが楽しみ!

    0
    2025年12月20日
  • 寝煙草の危険

    寝煙草の危険

    小説・文芸

    Posted by ブクログ

    貧困と社会不安から湧き上がってくるホラーを、ドライで簡素でありながらマジカルな筆致で描きだした短篇集。


    評判はかねがね聞いていたのでどんなものかと探る気持ちで読み始めた。「展望塔」辺りまでは語り口がスタイリッシュな今風のホラーだなくらいに思っていたら、「どこにあるの、心臓」以降キレ味鋭い作品がズラッと並んでいてすっかり参った。
    あけすけな語り口で身も蓋もないことがサクッと言葉にされているので、一瞬気づかず通り過ぎたあと二度見してギョッとする、みたいな文章が持ち味なのだが、エンリケスはジャーナリスト出身だそうでとても納得した。その身も蓋もなさには、どこかルシア・ベルリンのような味わいもある。以下、印象に残った作品の感想。

    ◆「ちっちゃな天使を掘り返す」
    結末に、確かに成仏って生者本位のシステムなのかもなぁと納得して笑ってしまった。語り手のヤケクソ具合も相まってコントのよう。

    ◆「湧水池の聖母」
    洋画・洋ドラを見ていると10代のドラッグとセックス問題が繰り返し描かれるので、ンモーこいつらも本当は何も楽しくないだろとうんざりだったのだが、この小説の少女たちが語る「湧水池の冷たい水で体を濡らしたまま、狭い浜辺で横になっている彼と代わるがわるセックスしながら、池の主がいつ発砲してくるかと待つ。そして、銃弾の雨が降る中を、半裸のまま幹線道路をめざして一目散に走るのだ」というスリリングな欲望は叶わないからこそ鮮烈で、私がうんざりしていたティーン表象をも説明してくれている気がしてストンと腑に落ちた。

    ◆「哀しみの大通り」
    腐臭の描写が上手くて嫌。政治的にはクリーンになったはずの都市にストリート・チルドレンの霊魂がうようよと犇めいているというイメージはかなり歌舞伎町っぽく、読みながらトー横ホラーという概念が頭に浮かんだ。この辺からエンリケスは物凄く絶妙なタイミングで物語をぶった切る天才だと気づく。

    ◆「どこにあるの、心臓」
    乙一の『GOTH』を初めて読んだときを思いだした。これ以降の三作は日本の90~00年代の青春ホラーと共通する空気が漂っていると思う。インターネット時代のゴスの生態。薄暗い熱病のようなフェティシズムと性描写の身も蓋もなさ。

    ◆「肉」
    夭折したスターとそのファンダムを聖書になぞらえて描いためっちゃ今っぽい話。スターの死にざまとその後の死肉食らいシーンは収録作中でも一番ゴアだが、カリカチュアライズされているせいか他の作品よりポップでもある。男性アイドルオタクとしては、ファンダム内の力関係でトップ2にいる二人が手を繋いで墓荒らしするという設定にリアリティが感じられて嫌だった(笑)。男性スターを人身御供に捧げて勃興するシスターフッド。津原泰水の『妖都』も思いだす。

    ◆「誕生会でも洗礼式でもなく」
    悪魔憑きを訴えるティーンの女の子を説得するため、ハメ撮り専門カメラマンを雇う母、という構図がもうダメなんだけど、父親による性的虐待の可能性に語り手が最後まで一切触れないのが一番不気味。この人の作風からして明らかに故意だろう。カメラマン本人ではなく彼の女友だちの視点から描くことで、悪魔憑きの女の子への好奇心ではなく彼女を取り囲む状況の不穏さに焦点を当てている。

    ◆「戻ってくる子供たち」
    これは本当に怖かったし居心地悪かったしマジで容赦ないな~~と思った。第一に、子どもたちの失踪にまつわる現実的な背景が恐ろしすぎる。児童保護施設に勤めながらも、記録庫の管理係という壁一枚隔てたところにいる語り手は、ジャーナリストに資料を差しだしながらも直接深入りしようとはしない冷淡さも卑近でリアルで、身に覚えのある感情だからこそ怖かった。この子どもたちのゾンビは「哀しみの大通り」の幽霊たちと同じで、個々人が蘇ったというより全員の意識を共有した、社会的な罪悪感の擬人化のようなものなのだろう。ホラーというエンタメが持つ、生者と死者の別れを切なく演出するためのロマンティックな甘さがこの作品には全くない。実録犯罪もののような緊迫した読み味。

    ◆「わたしたちが死者と話していたとき」
    こっくりさんをしながら知り合いに失踪者が何人いるかを自慢していく女の子たちの会話がリアルだなと感心していたが、解説で社会的な背景を知ると余計に恐ろしい。そして一番怖いところでスパッと終わる。最近はホラーでも腑に落ちるオチがあったり伏線回収したりするのが人気だけど、やっぱり無差別に襲い掛かる理不尽ほど恐ろしいものはない。そして、その点では幽霊も悪魔も邪神も犯罪組織も一緒なんだよな。

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    2025年11月11日
  • 秘儀(下)(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    こんなに長い本読んだのは久しぶり。
    最近の小説が値上がりしてるなか、この分量でこの値段!安い!かなり良心的、買う時絶対4000円超えると思ったのに。

    章ごとに視点と年代が変わるし、物語のジャンルみたいなのも変わってて楽しい。解説の杉江さんが書かれてるようにわたしもコーマック・マッカーシーとスティーブン・キングが頭に浮かんでたからびっくり!
    ガスパルのパートはITとかストレンジャーシングスを連想しながらだった。
    こんなに長いのにそこ?って言われそうだけど、上下巻通して第5部が1番面白かった。
    ここだけ雰囲気が全く違うし、ここ以外は教団に関わりがあって、ほとんど身内だけの視点だったのにいきなり外から見られる話になる。かなりスリリングでいわゆる普通のホラーだったりサスペンスものを感じたからかも。
    あとはあちら側ですね。やっぱりここが出てくるとこはめっちゃ面白かった。スカッとするし。ここまで搾取し続けてきた特権階級を皆殺しにする場面はイングロとかジャンゴを彷彿とさせるいい展開ですね。ここまでの長大な物語を締める、こんな歴史へのカウンターが用意されてるとは!最高ですね。

    地の文の中で会話が進行するのもスピード感があってよかった。こんなに長いのに流れるような読み心地です。
    短編集をまだ読んでないからいずれ読みたいな。

    0
    2025年10月19日

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