コンビニ記者が、セブンイレブンの商品開発について書いた本。取材が詳細でデータも正確、よくまとめていると思う。セブンの熱意が伝わってくる、いい本でした。
「流行っているから、面白そうだからというひらめきは、商品開発の種にはならない。MDが見ているのは、世の中、消費者の「変化」だけだ」p23
「セブンのコーヒーマシンは、富士電機製(高速道路のパーキングエリアなどで見かける大型の挽きたてコーヒー自動販売機のトップシェア)」p30
「ドリップコーヒーにミルクを加えて作るカフェオレは、エスプレッソ抽出したコーヒーに蒸気で温めたミルクを加えるカフェラテに勝てない(セブンは、専用のミルクを開発した)」p39
「(手巻きおにぎりのトップ5)梅、ツナマヨ、昆布、シャケ、辛子明太子(手巻き⇔じか巻き)」p63
「後日、他チェーンのおにぎりの大刷新のニュースが話題になった。しかし、気にする者(セブン社員)は誰もいない」p68
「(レンジめん)めんもスープも、具材も、毎日店の注文を受けてから工場で作っています。特に人気のタンメンの野菜は、以前は生野菜でしたが、今は炒め野菜ですし、味噌ラーメンの味噌は、最初に鍋肌で焼き炒めるという職人さんとほぼ同じ方法で調理しています。かきあげそばの天ぷらも、野菜を仕入れてきて、天ぷら粉をつけて、ひとつひとつ揚げているんですから」p82
「「コンビニの和菓子なんて」と思っている女性やシニアが多いからこそ、チャンス。やりがいがあるんです」p103
「モノづくりの姿勢は昔から全く変わっていません。とことん質にこだわり、おいしいものをご提供する」p123
「モノづくりには思いが大切だし、リーダーであるMDの思いが一番強くなければ、チームは前に進まない(熱意も)」p125
「(セブンにしかできないこと)圧倒的な差別化商品やサービスの創造ですね」p132
「今、MDとして歯を食いしばってやっている者には、最後までくじけずにやってもらいたい」p133
「もともとセブンのサンドイッチやおにぎり、弁当、惣菜、めんなどのオリジナル商品は、01年から「保存料・着色料」を使っていない。06年からは、サンドイッチやパンに使うハムやソーセージから「リン酸塩(保水剤)」を抜いている。同時に、クリームなどを「トランス脂肪酸」を抑えた原材料に切り替えた」p142
「(たまごサンド)大量生産で加工しやすい液卵でタマゴサラダを作る場合が多いですが、私たちは卵をゆでて、クラッシュして、オリジナルのマヨネーズとあえて、と、ご家庭で作るときと同じ方法で作っています」p149
「(レタス)きれいな水で流しながら、葉を1枚1枚、虫や異物がないか目で確認しながら、手でちぎっています。ふんわりしたパンに、あれだけのレタスを挟むって手ででしかできません。実はめちゃくちゃ大変です」p149