永吉希久子の作品一覧
「永吉希久子」の「移民と日本社会 データで読み解く実態と将来像」「日本の移民統合――全国調査から見る現況と障壁」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「永吉希久子」の「移民と日本社会 データで読み解く実態と将来像」「日本の移民統合――全国調査から見る現況と障壁」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
ビジネス・実用
ビジネス・実用
Posted by ブクログ
移民問題とされるものの多くはもともと日本社会がかかえる問題を外国人に押しつけて解決しようとして露見したほころびに過ぎない、という結論に納得させられる。(とりわけ技能実習生などは転職が許されないのをいいことに)劣悪な労働に従事させるからこそ、経済的に困窮して立ち行かなくなったり地域になじめなかったりといった課題が生じてくる。全体として共生を志向してはいるものの、議論は客観的な統計に基づいて展開される。外国人による犯罪は増えておらず、犯罪率には0.1%の差があるもののそこには人口構成比の違いや経済的不利等の事情がある。外国人の犯罪を報じるさいにはわざわざ国籍があわせて知らされたりすることも外国人犯罪の印象を増幅させる。福祉国家に惹きつけられるいわゆる磁石効果はさほどおおきくなく、また日本においては生活保護の受給は永住資格・難民認定・日本人との婚姻等の条件に適う者に限られる。移民の労働市場への参入は短期的には単純労働市場で在来の労働者と競合するが、長期的に見れば消費を促進する効果をもつ。一方で本来成り立たないはずの企業が低賃金労働で賄えてしまうため成長の阻害になる。二重労働市場理論というのをはじめて知った。昨今では排外主義をあおるような(しかももともと治安の悪い地域をさも移民のせいでそうなったかのように語ったりする悪質な)ショート動画が大量に出まわっており、本書で提示されるような資料や論点を皆が共有できれば望ましいが、そのような希望をもつことはそれはそれで難しく、また2026年の現時点において2019年に書かれた本書の議論が(具体的な統計に基づいたものだからこそ)どこまで妥当性をもうのかという点も慎重になる必要はあると思う。
Posted by ブクログ
リベラル左派の人たちはしばしば「ネット右翼はきっとこんな人間だろう」と語るが、それは多くの場合、色眼鏡を通した思い込みにすぎない。
また、ネット右翼とオンライン排外主義は混同されがちだが、実際には両者の間に微妙な違いがあり、その区別を曖昧にしたままでは現状を正確に把握することはできない。
本書は、平成以降の政治や社会の動きを背景に、ネット右翼がどのように生まれ、どのような人々が共鳴し、どのように影響力を増してきたのかを丁寧にまとめている。
私自身、これまでネット右翼の人々についてぼんやりとした印象しか持っていなかったが、この本を読むことで、彼らがどのような理屈や背景から右翼的な思想へ傾いていくのかを知ることができた。
日頃から偏見で人を判断しないように意識している者として、この本は読む価値のある一冊だったと思う。
ネット右翼の主張に賛同するわけではないし、立場としては相容れないものも多い。
それでも、彼らを少しでも理解しようとすることで、以前よりもフラットな視点を持てるようになったと感じている。
なお、本書は2019年に刊行されたものである。
それから6年が経った2025年の現在、世界各地で極右的な動きが強まり、日本でも参政党がTikTokを活用し、排外主義的な言説を入り口として幅広い世代を取り込みつつある。
もはや、2019年当時とは状況が大きく変化していると言ってよい。
だからこそ今、TikTokと参政党の登場が世論形成にどのような影響を及ぼしたのかを、改めて1冊の本としてまとめてほしいと感じる。