作品一覧

  • ぼくの色、見つけた!
    3.9
    1巻1,320円 (税込)
    第24回ちゅうでん児童文学賞で大賞をとった志津栄子の最新作! トマトを区別できない、肉が焼けたタイミングがわからないことから、色覚障がいが発覚し苦しむ信太朗。母親は悪気なく「かわいそう」といい、試すようなことをしてくるし、症状を知らないクラスメイトから似顔絵のくちびるを茶色に塗ったことを馬鹿にされ、すっかり自信を失ってしまう。眼科の先生は個性のひとつと言ってくれるけれど、まわりがそうはとらえてくれないし…。 学年が上がり、クラス担任が変わり自分自身に向き合ってくれたことで、信太朗は自分の目へのとらえ方がすこしずつ変わっていくことに気が付く。
  • 雪の日にライオンを見に行く
    3.6
    1巻1,265円 (税込)
    残留邦人の祖父を持つ、唯人(ゆいと)。父は中国で生まれ、日本で家族をつくったが、唯人がおさないころに帰国してしまった。 唯人は、何をするにも自信がなく、話すのも苦手。 大事なことを自分で伝えられず、いとこの洋(よう)ちゃんにくっついて任せてしまう。 洋ちゃんとクラスが離れた小学五年生の秋学期、クラスに転校生がやってくる。 クラスメイトがあれこれと話しかけても、転校生の生島梓(きじまあずさ)はそっけない返事ばかりして、クラスになじもうとしない。 唯人はそんな梓に親近感を覚えるようになる。 老人福祉施設を訪問してのクリスマス会、年末年始の家族のやりとり、年明けのなわとび大会…。 唯人は、中国残留邦人としておじいちゃんが抱えてきた悩みや家族への葛藤、梓が抱えている孤独を知っていくことになる――。 第24回ちゅうでん児童文学賞 大賞受賞作品。 [選考委員:斉藤洋氏、富安陽子氏、山極寿一氏] いろいろな者たちの孤独が、あるところでは重なり、他のところでは、同じ言葉ではあらわせないほど遠くへだたっている。元来、孤独ということは、そういうものなのだ。――斉藤洋 多種多様な子ども達を、「そんな子がいてもいいのです」という、小学校の先生の一言が支えます。その言葉のなんと強く、温かいこと!――富安陽子 いったい自分は何者なのか。アフリカの多くの民族が入り交じった地域でゴリラの調査をしてきた私には、その葛藤がよくわかる。――山極寿一

ユーザーレビュー

  • ぼくの色、見つけた!

    Posted by ブクログ

    色覚障害と向き合っていく主人公に心を動かされました。学校の友達や他の大人とは違う素敵な先生との関わり合いや家族の問題を経て成長する主人公に目を張るものがありました。色覚障害がコンプレックスになり、絵の具や色を使う授業が苦手だったのが、自分の世界の見え方に向き合い「光」を見つけて前に進むようになって感動しました。私も挑戦したり、今に向き合ったりしてララを探してみたいなと思いました。
    色覚異常に対応したチョークがあるのもこの本で初めて知りました。どんな人にも困ってることや人には言えない悩みがあると思います。言わないと伝わらないことがほとんどなので、伝える勇気が大切だと改めて実感しました。
    色覚障害

    0
    2025年11月17日
  • ぼくの色、見つけた!

    Posted by ブクログ

    何十年振りに課題図書を読んだ
    学生の頃は強制だった課題図書を、今日は自分で手に取って読んだ
    内容はもちろん、読みやすくて2、3時間で読み切った
    こんなにスッと読めるのに、読んだ後にこんなにホッコリするのに
    学生の時は本を読むこと自体が嫌いだった

    人って、戻ってみるのも大事だ

    0
    2025年08月17日
  • ぼくの色、見つけた!

    Posted by ブクログ

    色覚に障がいのあるこどもの物語。その子にしか見えない色がある。そして、若い両親と共にララ(本当にやりたいこと)を見つけていく物語。ある人にとってはダンスだったり、山登りだったり、恋人だったり、喝采を浴びることだったり、音楽だったりする。この子のお母さんのララは絵だったんだけど、こどもがララなんだと言い聞かせて自分の気持ちに蓋をする。私にとってのララは何だろうと夢を持たせてくれる物語。こどもにとっても大人にとっても良い物語。

    0
    2024年10月22日
  • ぼくの色、見つけた!

    Posted by ブクログ

    赤色がうまく判別できない色覚障がいを持つ信太朗。
    眼科では「個性のひとつ」と言われたけれど、母親は「かわいそうに」と言って過保護になってしまう。それをうるさく感じるけれど、言い出せない信太朗。
    学校でも色を判別できなくて、からかわれてしまう。

    そんな信太朗の気持ちを慮って、さりげなく支援の手を差し伸べる平林先生の存在が、この作品の中で一番光っていた。
    信太朗以外にも、困っているけれど「困っている」と言い出せない生徒はたくさんいる。
    先生は率先して本音を話すことで、みんなが安心して弱音を言える雰囲気を作っていく。

    先生の影響を受けて、自分の気持ちを正直に伝える信太朗。それに呼応するように、苦

    0
    2024年04月02日
  • 雪の日にライオンを見に行く

    Posted by ブクログ

    学校に居場所がない。
    今、自分のとても近くにあることに関することなんて、微塵も思わせない題名の本を手に取ったのはきっと偶然ではないんだな。

    想いを言葉にすることにとても力がいる唯人が、アズとの出会いによって少しずつ“自分”を抜け出せるようになっていく姿に勇気をもらえる。

    みんながおれを待ってくれる。笑たりなんかせぇへん。
    それやのにおれはひとりぼっちや。
    唯人が感じていたのはやさしさの中の孤独。
    だれかに理解してもらえるとは思えなかった。




    そして、私はあの時の事を思い出す。
    場面緘黙で言葉を発しなかった女の子。
    彼女が文字でのやりとりで想いを綴った一年目。
    「言葉を出す」ことに力を

    0
    2023年04月14日

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