作品一覧

  • 大磯随想・世界と日本
    3.5
    1巻1,210円 (税込)
    引退後ほどなく、政治の「貧困」を憂いつつ未来への希望をこめて綴ったエッセイ集「大磯随想」。その最晩年に、マッカーサーやアデナウアー、ケネディら内外の政治家を回想し、日本外交について縦横に語った「世界と日本」。保守政治のエッセンスを余すことなく語った二篇。 〈解説〉井上寿一
  • 回想十年(上)
    3.0
    1~3巻1,540円 (税込)
    昭和二十九年十二月に政界を引退した吉田茂が、その二年後から数年をかけ、池田勇人や佐藤栄作らを相手に語った回想記。戦時中の終戦工作に始まり、自ら政権を率いて戦後日本を形成した数年間の政治の内幕を語りつつ、日本が進むべき〈保守本流〉を訴える。 〈解説〉井上寿一。
  • 回想十年(合本)
    -
    1巻4,620円 (税込)
    昭和二十九年十二月に政界を引退した吉田茂が、その二年後から数年をかけ、池田勇人や佐藤栄作らを相手に語った回想記。

ユーザーレビュー

  • 回想十年(下)

    Posted by ブクログ

     「負けっぷりを立派に」。痛快ではあっても作りもののTVドラマ「半沢直樹」と、この言葉をもとにした現実のドラマ「吉田茂」とでは違うという論評を読み、原典にあたってみました。

     「負けっぷりを立派にするということは、何もかもイエス・マンで通すということではない。また表面だけはイエスといっておいて、帰ってから別の態度をとるという、いわゆる面従腹背などは、私の最も忌むところであった。要は出来るだけ占領政策に協力するにある。しかし時に先方に思い違いがあったり、またわが国情に副(そ)わないようなことがあったりした場合には、出来るだけわが方の事情を解明して、先方の説得に努めたものである。そしてそれでもな

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    2021年07月12日
  • 大磯随想・世界と日本

    Posted by ブクログ

    「戦争に負けて外交に勝った歴史がある」吉田は首相を引き受ける覚悟を決めた時こう語ったという。ニューディーラーの牛耳るGHQ民政局が理念先行で日本の実情を顧みない過激な民主化を断行しようとしたのに対し、ウィロビーら参謀部の理解を取り付け、時にマッカーサーとの直談判を通じて軌道修正を図るなど、 敗戦国の首相としては、吉田は実にしたたかに立ち回り、また言うべきを言う指導者であったのは事実であろう。東アジアでの冷戦構造が鮮明になる中で出てきたダレスの再軍備要求に対し、あくまで経済再建を優先し、平和憲法を盾に断固拒否したというのも語り草になっている。本書においても吉田の弁舌が最も冴える箇所である。

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    2023年12月29日
  • 大磯随想・世界と日本

    Posted by ブクログ

    戦後12-17年程経った中で吉田茂が語った話。まだ日本に民主主義が根付くのか不明な中、日本人よもっと自信を持てと鼓舞している。この人は共産主義嫌いだったようで、自壊すると言っている。また知識人は共産主義こそ資本主義が昇華した形だと言っていて、そう言う時代の空気が分からないと理解出来ないのだろう。戦後76年も経つと当時がどうだったのか、戦争の記憶もないし、民主主義が当たり前と思って生活しているが、それこそ吉田茂なんかは敗戦後の日本を如何に立て直すかに尽力してくれたのであり、まだ不安定なはずの新しい仕組みを根付かせる苦労も多かったのだろう。外遊に行っても日本を嫌う国も多かった時代。もう少しこの時代

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    2021年11月29日
  • 回想十年(下)

    Posted by ブクログ

    下巻は、ドッジライン、朝鮮戦争特需、一兆円予算、三度の行政整理など。読み物として一番面白かった。上記のほかに、教科書に登場する歴史上の人物の思い出話が並んでいるからである。

    「予算閣議で色々な議論をきいていると、全く問題の複雑さと困難さに、どう片付けていいやらと思うときさえある。講和、独立、それは待望に待望を重ねて、やっと実現する。誠に結構なことだが、さて自らの責任と努力で国際社会に乗り出し乗り切っていくということは如何に難しいことであるか。賠償、対外債務の支払、安全保障、治安の確保、こういったことは、独立国として過去を清算し、将来に生きてゆく上に、どうしても考えなくてはならない。一方国内経

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    2021年08月08日
  • 回想十年(上)

    Posted by ブクログ

    楠木先生の読書履歴に載っていて、気になったので読んでみた。
    吉田茂の回顧録。現行の日本の基盤は当時つくられたものがほとんどであり、できた経緯などをつくった当人の言葉で振り返るのは価値があるように感じる。
    上巻で興味深かったのは、総司令部について(特にマッカーサー)、新憲法ができるまで、文教改革をめぐって、民主警察の完成まで。

    「東郷君はもとよりのこと、当時私が接した重臣層をはじめ、政治上層部の誰もがこの戦争には賛成していなかった。国民の大多数もまさか戦争になろうとは思っていなかったであろう。しかるにこれらの重臣層の人々は内心戦争に反対しながら、その気持ちをどうもはっきり主張したり、発言したり

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    2021年08月08日

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