作品一覧

  • ありのままがあるところ
    4.6
    1巻1,760円 (税込)
    できないことは、しなくていい。 世界から注目を集める知的障がい者施設「しょうぶ学園」の考え方とは。 しょうぶ学園。そこは心が自分でいられる場所。 生きるということが誰にとっても意味があり素晴らしいと気づかされる場所。 そこに居る人も、訪ねる人もみんなそう思える場所。 ――皆川明(デザイナー/ミナペルホネン) 鹿児島県にある「しょうぶ学園」は1973年に誕生した、知的障がいや 精神障がいのある方が集まり、暮らしている複合型の福祉施設。 どのような歩みを経て、クラフトやアート作品、音楽活動が国内外で 高く評価される現在の姿に至ったのか。 人が真に能力を発揮し、のびのびと過ごすために必要なこととは? 改めて「本来の生きる姿」とは何かを問い直す。 その人にとって楽しいことなら、ずっとできる。 ここにいると、当たり前が逆転するんです。 僕は僕でしかないのに何を変われというのだろう。 【目次】 第1章:心ここにあらざれば見て見えず 木くずになるまで彫る しょうぶ学園で働きはじめた理由 できないことができるようになるとは? 固く縫い上げられた布 傷跡が装飾に見え始める 「五〇歳を過ぎれば誰も相手にしない」(他) 第2章:できないことはしなくていい 雨の日のふたつの出来事 選べることと迷うこと 相手に寄せず引かず自分を保つ できることからの発想――教えないということ 私が私を愛する――I LOVE ME.(他) 第3章:「今・ここ」でかなう自己実現と自己満足 健常者の知恵の特徴を自覚する 彼らのしきたりを尊重する 音パフォーマンスotto&orabuの誕生 共鳴する不揃いな音があった 自分をさらけ出す試み(他) 第4章:人が生まれ、生きているということ 時の流れと見えない世界 コミュニティーの中に共存する+特別な居場所をつくる 間違えたら進路を変える 自分そのものとして生きる姿を知らせる たった今の充足 世の中に合わせるということ(他) おわりに

ユーザーレビュー

  • ありのままがあるところ

    Posted by ブクログ

    障害とは、支援とは何なのか、実に考えさせられる。彼らは自分のことを障害者だと思っていないのに、健常者と比べてできないことを「劣っている」として自分たちの枠に招き入れようとする「支援」は正しいのか。答えは出ないがヒントがたくさん。

    p112
    アートにまつわる要望の背景には、障がいのある人に「生き生きとしてほしい」とか「アートの商品化で成功したら就労につながる」という考えがあるのだろう。いずれにしてもアートを活用すれば、精神的にも経済的にも自立につながるという期待がありそうだ。
    そのような時流があるからこそ、自立の取り扱いには十分に注意したほうがいいのは間違いない。とかく障がいの自立に関して議論

    0
    2025年04月08日
  • ありのままがあるところ

    Posted by ブクログ

    正しさを求めてしまう自分を見つめ直しながら読んだ。障がい者の違いを認めケアをするというと素晴らしいことに聞こえるが、「健常者」のエゴな気もしてしまう。はたして「ケア」で良いのか。障がいに限らず、人との違いに、どのように向き合えば良いのかと考えさせられた。
    この施設は成功例の様に見えるが、常に同じ方法で正解というわけにはいかないだろう。自分の生き方について答えは出ないが、新しい考え方で面白かった。

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    2023年11月28日
  • ありのままがあるところ

    Posted by ブクログ

    ノーマルに近づくことが、障害のある人にとって本当に良いことなのか?
    ふと、糸賀一雄氏の「この子らを世の光に」という言葉を想起した。彼らの行為には偽りがなく、その一途で純粋な無心さは、我々が理想を求めすぎて見失いつつあるものなのだと思う。

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    2020年09月12日
  • ありのままがあるところ

    Posted by ブクログ

    鹿児島県にある福祉施設「しょうぶ学園」がどのように入所者たちと向き合っているのか。彼らの暮らしぶりを通して「普通」の人間の生き方についても問いを投げかける。

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    2020年09月07日
  • ありのままがあるところ

    Posted by ブクログ

    小さい頃から、何かをつくることが好きでした。絵を描いて物語にしたり、布で服やバックを作ったり…手を動かして何かを生み出すことだけに集中する時間は生きていることを実感できる、かけがえのない時間だったように思います。
    だけど、働くようになって、自由な時間が希少なものとなった現在は、ただものをつくることに意味を求める様になっていたと気がつきました。
    この本では、しょうぶ学園の方の創作に向き合う姿勢や作品が紹介されています。
    自己の衝動のまま手を動かし、生きているこの瞬間を結晶化したものたちはただそれだけで尊いと感じました。

    「こうあるべき」と障がいを持つ方の幸せを定義してしまう思考の狭さ、危うさに

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    2020年02月26日

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