福森伸のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
障害とは、支援とは何なのか、実に考えさせられる。彼らは自分のことを障害者だと思っていないのに、健常者と比べてできないことを「劣っている」として自分たちの枠に招き入れようとする「支援」は正しいのか。答えは出ないがヒントがたくさん。
p112
アートにまつわる要望の背景には、障がいのある人に「生き生きとしてほしい」とか「アートの商品化で成功したら就労につながる」という考えがあるのだろう。いずれにしてもアートを活用すれば、精神的にも経済的にも自立につながるという期待がありそうだ。
そのような時流があるからこそ、自立の取り扱いには十分に注意したほうがいいのは間違いない。とかく障がいの自立に関して議論 -
Posted by ブクログ
小さい頃から、何かをつくることが好きでした。絵を描いて物語にしたり、布で服やバックを作ったり…手を動かして何かを生み出すことだけに集中する時間は生きていることを実感できる、かけがえのない時間だったように思います。
だけど、働くようになって、自由な時間が希少なものとなった現在は、ただものをつくることに意味を求める様になっていたと気がつきました。
この本では、しょうぶ学園の方の創作に向き合う姿勢や作品が紹介されています。
自己の衝動のまま手を動かし、生きているこの瞬間を結晶化したものたちはただそれだけで尊いと感じました。
「こうあるべき」と障がいを持つ方の幸せを定義してしまう思考の狭さ、危うさに -
Posted by ブクログ
ネタバレこれは、生き方、在り方、価値観を揺さぶられる一冊だ。
「あるがままがあるところ」を読み始めて、
新年早々、自分自身の他人に対する態度を振り返り、何を基準にして生きているかを見直すことになった。
子育てをしている方、教育に携わっている方、指導や支援に携わっている方、
組織の中で管理職をされている方には、ぜひ、読んでほしい。
大人が子どもに対して、
職員が障害のある利用者に対して、
社会の中で生きていくために、「必要なこと」を身につけさせようとする。
それは、相手の「幸せ」を願ってのことだ。
しかし、その「幸せ」は、本当にそうか?
その「必要なこと」について、本当にそうか?
と、著者の福森伸