ジョナサン・ゴットシャルの作品一覧
「ジョナサン・ゴットシャル」の「ストーリーが世界を滅ぼす―物語があなたの脳を操作する」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「ジョナサン・ゴットシャル」の「ストーリーが世界を滅ぼす―物語があなたの脳を操作する」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
ビジネス・実用
Posted by ブクログ
ストーリーが世界を滅ぼす
――物語があなたの脳を操作する
序 章 物語の語り手を絶対に信用するな。だが私たちは信用してしまう
第1章 「ストーリーテラーが世界を支配する」
第2章 ストーリーテリングという闇の芸術
第3章 ストーリーランド大戦
第4章 「ニュース」などない。あるのは「ドラマ」のみである
第5章 悪魔は「他者」ではない。悪魔は「私たち」だ
第6章 「現実」対「虚構」
終 章 私たちを分断する物語の中で生きぬく
なかなか衝撃的な本でした。物語が人の認知に与える影響は強力で、人に印象付けるためには物語の形式が最も優れていることは知っていましたが、本書で物語はそれ以上の威力があることを再認識しました。
物語は人の進化の過程で人を団結させるために脳に組み込まれてきたわけですが、団結するということは団結の輪の外の人たちを作るということ。そして、物語は常に輪の外の人たちを邪悪な敵、別の人たちに仕立て上げてそれを攻撃したり排斥したりすることによって団結を保つために使われてきたし、それを脳が逃れることは非常に難しいことを理解できました。
SNSは大小さまざまな物語を通して、輪の内と外に分断する道具として大きな役割を果たすことによって、今見る分断を世界中に広めています。
アメリカの某大統領の話が書かれていますが、彼は物語を通して偉大なアメリカを再びというスローガンで保守層を団結させ、その威力は左派が提示するファクトをことごとく粉砕してきたのは周知の事実だと思われます。
物語への対抗手段として理性と科学があるが、理性は感情に容易に屈してしまうし、科学は科学者のリベラル化により保守層からは信じてもらえなくなりつつある。
そんな状況の中でAIによる画像やテキストの合成により、フェイクは形を与えられ、ファクトは瀕死の状況となっていくという予想は当たらずとも遠からずの印象があります。
はて、さて、物語好きの竹蔵としては困った状況ですが、自分が物語を読んでいることを意識の片隅に置くことで、少しは狂信的になるリスクは避けられると願っています。
小説を読んだり映画を見たりするのは楽しいですから・・・
竹蔵
Posted by ブクログ
すごい興味深い内容だった。
自分が持っている知識は、自分が見つけ出した知識ではなく、他人が持っていた知識を信じている。みたいなのとかね。
それなのに著者のあの人が嫌いすぎる文章が強すぎて、笑ってしまう。
貴方のそれはナラティブに支配されている状態なのでは?
これ、ちゃんと自分が嫌いという気持ちに支配されている(あの人が悪というストーリーを自分が作り出している)と自覚されながら書いてるんだよね?
でも、読んでいるとそういう俯瞰して自分を見てないような気がして……少しあの人への悪い描写を削った、というところはあっ、ちょっとは俯瞰してみてるんだ。と思ったけど、そこだけだったしなぁ。
そのちぐはぐさがめちゃくちゃ面白かったです。
Posted by ブクログ
「物語」をテーマにした本.銃乱射事件,反ワク,テロ,ホロコースト,宗教,芸術…これら全部に「物語」が関わっている.
物語は人間は互いに意思を疎通し協力し合うための強力なツール.物語は複雑な現実を単純化する.結果,人々は各々の限られた認知能力の中で誰が敵で味方かと言った世界観を共有することができる.だからこそ地球の覇者になれた.
しかし昨今では物語が災いを招く事が往々にして起きている.陰謀論に取り憑かれ悪を懲らしめる正義というナラティブに侵された殺人犯による銃乱射事件.反ユダヤ主義を掲げたホロコーストなど.
2024年1月,世界経済フォーラムのグローバルリスク報告書は「誤情報」を最大のリスクとして報告した.
これも”物語”がもたらす負の側面が与える影響を憂いてのことだろう.
情報通信技術は物語を世界中に伝播するコストをほぼゼロにした.ポピュリズムの台頭,民族衝突,侵略戦争,感染症の世界的な流行,急進的技術革新など,人々を分断に陥れうる物語を生むさまざまな要因が今日散見される.また,この状況の中で自らの目的の達成を企む個人や組織,国家もいる.
人間の認知空間は陸海空,宇宙,サイバー空間に変わる新たな戦場だという主張を読んだことがある.これはまさに物語を駆使する戦争.
「誤情報」を無視できないリスクとせざるを得ない土壌が出来上がっているのは明らか.
今に始まった事ではないが物語を語る者に全幅の信頼をおかず,
また耳に入る物語を逐次疑い,批判する心構えがより一層必要となる.
ただその検証は物語を語る自分自身にも当てはめないといけないし,あらゆる物語全てを疑うことは大変な知的体力を必要とする.簡単なことではない.
また,似非科学信奉者やカルト宗教信奉者といった
自分にとっては不可解な人がどうしていなくならないだろうかという
疑問の答えも得ることができた.
・物語は人類にとって必要不可欠である
・宗教や似非科学は物語の一種である.
・ゆえに宗教や似非科学は人類に必要不可欠である
ということなんだろう.
「宗教や似非科学に類されない物語」だけを人類が受け入れる事ができれば,
3点目は成立しないことになるが,それは現実されていないし,これは
筆者が述べている「物語から毒性だけを抜くことはできないのか」という問いと,
それは不可能だろうという答えとも一致する.
現実の複雑さや退屈さ不合理さに対する許容度が高いか低いかは個人差(性格,知能力)があり,
この許容度が低い人ほど,上述の物語に溺れてしまうんだろう.
そうなってしまうと客観的エビデンスを伴った主張すら聞く耳を持たない状態になってしまい,
真実かどうかであることより,自分が信じる観念的世界に対して耳触りが良いかどうかの方を優先してしまう.
因果関係のないAとBを無理くり繋げて痛快で腹落ちする物語として認識してしまう.そうして世界の認識がさらに歪む.
無論,自分自分もある分野に対してはそういう傾向があるはずであるという謙虚さはもたねばならない.
全ての結果には,筋の通った原因がある
悪は必ず懲らしめられる.
xxxxは悪で,xxxxは正義である.
努力は絶対に報われる
自分が報われないのは,誰かの陰謀のせい
これら公平世界仮説も人間の物語によって生み出された産物であり,現実世界とは一切関係がないものと割り切らないといけない.
あと自分は美術館に行くのが好きだが,この本を読んで,「ああ自分はある種の物語を接種したいだけなんだな」ということに気づいてしまった.ちょっと覚めた.
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漫画家や映画監督,映像ディレクター,そしてスポーツ選手も「物語をつくる」ことで莫大な対価を得ている.
物語=あらゆる情報を保存し伝承する手段
ナラティブの最大の秘術として混乱を秩序に,狂気を意味に変える物語
→一見筋の通った物語(ナラティブ)は本来あるはずの混乱や秩序が隠されている
”私たちが音楽,彫刻,絵画,舞踏を愛するのはストーリーテリングへの熱中が形を変えたものと言っていい”
→美術館に赴きたい気持ちを抱くのは物語を欲しているから
”ストーリーテリングは人類にとって必要不可欠な毒”
”現実よりも痛快でわかりやすく描かれた物語に入り込み,退屈で道徳的にあいまいな現実世界より仮想現実の方が暮らしやすいからという理由でそこから出ようとしない,体験型ゲームに耽溺しやすい人間というものの性向を.私たちは個人レベルでもっと自覚する必要がある”
ナラティブ…事実とフィクションの間に横たわる得体の知れない谷
シオン賢者の議定書
→筆者曰く「世界中の悪いこと全てをユダヤ人のせいにする陰謀論の書」らしい
→そんなものあるんか...
”人間は物語を語る動物である”
”物語は古くから人類にとって恵みであり,災でもあった.
物語への没頭→フロー状態,ゾーンに入る→自分自身をも含めた現実からの忘却
→現実がうまくいかない人ほど,物語に没頭するということか…
中国のグレートファイアウォール,情報統制,弾圧=マトリックスの世界