東崎惟子の作品一覧
「東崎惟子」の「竜殺しのブリュンヒルド」「君を狂気と呼ぶのなら(新潮文庫nex)」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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ラノベ
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少年・青年マンガ
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Posted by ブクログ
ジェットコースターのように凄まじい勢いで展開していくサスペンス。グロテスクで陰惨な不幸に向かって進んでいく物語でありながら不思議とスルスル勢いのまま読めてしまう。宗教二世の女の子の物語という点は今村夏子の「星の子」と共通しながらも物語はまったく異なる方向へと進む。
「聖書を勉強してみませんか?」優しそうなお姉さんの訪問が全ての始まりだった。
巧みな手練手管に飲み込まれるように母は宗教にのめり込み、そんな母親に娘はただ従う。お母さんを愛しているから。それに何より、お母さんの信じる神様に祈りを捧げれば家族四人が幸せになれると信じているから。願いとは裏腹に、幸せな家族はみるみるうちに崩壊していく。
転機となるのは、少女の初恋だった。
美しく成長した少女は聡明な文学少年と心を通わせ、次第にその想いはどんどん膨らんでいくーーひどくありふれた少年少女の間で交わされる淡い思いを、敬虔な信徒である母は決して赦さない。教団が彼女に与えた罰は彼女を壊し……。
くるだろうくるだろう、と身構えながら読んでいたら案の定降りかかる最悪の事態と、そこからの彼女の覚醒が凄まじい。
神に取り憑かれたのだという彼女の成そうとしたことは、悪魔の巣食うカルト教団を崩壊させること。数多の被害者と興味本位で顛末を見守る者たちは狂気に取り憑かれた彼女を祭り上げようとするが、ただひとり、彼女を愛した少年だけは違っていた。
信仰とはなにか。神の存在とは。救いとは。
陰惨極まりない悲劇を描きながらも、物語を一貫していたのは少年少女の淡い初恋の行き着く先を描いたジュブナイルストーリーであり、愛の物語だったように思う。