窪田啓作の作品一覧
「窪田啓作」の「異邦人(新潮文庫)」「転落・追放と王国(新潮文庫)」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「窪田啓作」の「異邦人(新潮文庫)」「転落・追放と王国(新潮文庫)」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
Posted by ブクログ
不条理とは理屈の通らない不運、不幸。それは幸せとは真反対の現象である……そんな考えが覆される小説だった。
人間は生まれてから死ぬまで等しく不条理の支配する世界で生きている。それはある意味で平等な幸せなのではないか?ムルソーの顛末を読み、そんな思いを抱いた。
ムルソーは罪人なのか。殺人を犯した罪はある。だが、死刑を受けるほどの罪人ではない。善良で平凡な男だ。では何故、死刑判決を受けたのか?彼が自分自身、そして他者に真摯で誠実だったからだ。
母の死に涙を流さず、悲しむ振りもせず、神を信じないと言う。アラビア人を殺した理由は「太陽のせい」。
ムルソー以外の人間はどうか?皆、大なり小なりの嘘をつく。演
Posted by ブクログ
何度か読んだことがある作品だけど、シーシュポスの神話を読んで改めて異邦人を読み直した。シーシュポスが繰り返し岩を持ち上げるように不条理を生きるという姿がここではどのように描かれているのかという視点を持って。
主人公ムルソーは太陽、自然、夕暮れ、女、世界の色々な物事の美しさを感じ取る能力はある。しかし物事へのこだわりは極度に薄い。ほとんど全てのものが彼にとってはどうでも良いことだ。母の死すら彼の心に大きな感動を与えることはない。その感情の薄さや、「太陽のせい」で人を殺す論理の通らなさは、字義的には「不条理」という言葉に沿った人物のようにも見える。しかしカミュのいう不条理は単なる意味の通らな
Posted by ブクログ
「Il faut imaginer Sisyphe heureux」と彼が「シーシュポスの神話」にて述べたように、世界の捉え方は一切、その捉える主体であるその個人の意思によって定められるのだと自身は感じるのである。死という有限、別れ。それら事情に涙が付随するのはそこに我々主体が悲しみをもたらす意味を付随するからであり、その付随する行為は無意識的に思われるようで極めて能動的な営みなのかもしれない。すなわち彼が「慣れ」という言葉を多用するように、世界に溢れる制約=不条理は決してその事象そのものが不条理たるわけではなく、むしろ不条理と捉える我々主体の上に成り立つ概念であり、したがって慣れてしまえば、