平山亜佐子の作品一覧
「平山亜佐子」の「断髪とパンツ 明治・大正・昭和 男装の「事件簿」」「明治・大正・昭和 不良少女伝 ──莫連女と少女ギャング団」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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ビジネス・実用
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Posted by ブクログ
驚き!明治十二年生まれの問題の女…本荘幽蘭…よく歴史の中から拾い上げて来ました。よく喋り、よく動き、よく男女関係を結び、だからこそ、よく問題を起こす、問題を起こすから有名になり、人と繋がり、また問題を起こす。その問題を著者・平山亜佐子は、いいぞいいぞとはやし立てる書きっぷりなので、まるで赤塚不二夫のマンガのキャラクターのよう。決して、後ろを振り返らず、未来も見ず、ひたすら今を騒々しく生きている。例えば、「村に火をつけ、白痴になれ」で出会った伊藤野枝の「生き方」のディープさ、に比べ、圧倒的にシュールな「生き方」。伊藤野枝がその革新性と悲劇性によって朝の連続テレビ小説の主人公になれそうもないのに比して、本荘幽蘭はその表面性と喜劇性によって同様にヒロインになれないはずです。野枝は殺され、幽蘭は戦後も生き延びる…だけど、その「今を生き延びる」生命力は、社会の同調圧力に声を潜めている気分の中で、ものすごく眩しく見えます。女性と社会の接点が摩擦を起こし始めた時代、平塚らいてうや伊藤野枝や相馬黒光、羽仁もと子にように後世語られる女性たちだけじゃなくて、幽蘭のような何も残さないけど存在感を発している女性も果たした役割は大きいのかもしれません。彼女が今、発掘されるのもだんだん大きくなっていくマスコミによる「問題の女」というタグ付けがあったからで、それはまさに明治、大正、昭和と大衆の欲望がむき出しになっていく歴史の合わせ鏡なのかもしれません。もし幽蘭が現代に生きていたとしたら、きっとまったくSNSの炎上を恐れないであろう、彼女の無邪気さと楽天さと軽さは、めちゃくちゃ先進的に思えました。
Posted by ブクログ
明治から大正、昭和にかけて、その奔放な行動で世間を騒がせた本荘幽蘭の評伝。
著者の本としては「破天荒セレブ」や「明治 大正 昭和 不良少女伝」の系譜に連なる自由な女についての一冊。
当時の新聞や雑誌の記事など幽蘭に関する細かなテキストを集約し時系列に並べて、そのいきあたりばったりの人生を浮かび上がせる労力はどれほどのものであったろうか? まさに労作としか言いようがない。とりあえず作者にはお疲れさまでしたといいたい。
本荘幽蘭という人は何かをなした人ではない。今よりも遥かに女性が生きづらかった時代に、常識や世間に縛られずただ好きなように思うままに生きただけのように見える人だ。本人の気持ちはともかくその結果に捕らわれない生き様は軽やかで人を魅了するものがある。彼女が自身の人生を楽しく思ったかどうかは判らないが、楽しく生きたいと思った人だったのだろう。
Posted by ブクログ
明治から昭和初期の近代日本における異装で生きた女性をカタログ的に紹介する本。
登場する女性は水の江滝子や川島芳子のような著名人もいるが、多くは当時世間を騒がせてはいたが今となっては無名の人が多く、異装の利用もさまざまだが、共通していえるのは現代よりも遙かにジェンダー規範が厳しいかったであろう近代日本で異装を貫くというのは相当に肝の据わった行為であったろうということ。にも関わらず本書に登場する女性はそんな規範など意にも介せず軽やかに越境していく。かつての日本にはそのような破天荒な人がおり、またそのような人を許容する余裕もあった。近代におけるこのような型破りな人たちのエピソードを読むと、現代の方がむしろ窮屈に思えてしまう。