平山亜佐子のレビュー一覧

  • 問題の女 本荘幽蘭伝

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    明治から昭和にかけて生きた破天荒な女傑を描いたノンフィクション。当時は誰もが知る有名人にして偉業は成し遂げていないという歴史の裏面な方。賛否両論あるが父親及び愛人が冷淡、婚約者擬きから強姦されて堕胎を要求されたとなればおかしくもなるだろう。その後の職業の数と夫の数とご性交された相手の数が桁外れであるが針小棒大な物言いと妙なところで律儀というか明確な悪事はしないところに哀しさと信念を感じた。

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    2024年10月21日
  • 問題の女 本荘幽蘭伝

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    驚き!明治十二年生まれの問題の女…本荘幽蘭…よく歴史の中から拾い上げて来ました。よく喋り、よく動き、よく男女関係を結び、だからこそ、よく問題を起こす、問題を起こすから有名になり、人と繋がり、また問題を起こす。その問題を著者・平山亜佐子は、いいぞいいぞとはやし立てる書きっぷりなので、まるで赤塚不二夫のマンガのキャラクターのよう。決して、後ろを振り返らず、未来も見ず、ひたすら今を騒々しく生きている。例えば、「村に火をつけ、白痴になれ」で出会った伊藤野枝の「生き方」のディープさ、に比べ、圧倒的にシュールな「生き方」。伊藤野枝がその革新性と悲劇性によって朝の連続テレビ小説の主人公になれそうもないのに比

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    2022年01月29日
  • 問題の女 本荘幽蘭伝

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    明治から大正、昭和にかけて、その奔放な行動で世間を騒がせた本荘幽蘭の評伝。
    著者の本としては「破天荒セレブ」や「明治 大正 昭和 不良少女伝」の系譜に連なる自由な女についての一冊。
    当時の新聞や雑誌の記事など幽蘭に関する細かなテキストを集約し時系列に並べて、そのいきあたりばったりの人生を浮かび上がせる労力はどれほどのものであったろうか? まさに労作としか言いようがない。とりあえず作者にはお疲れさまでしたといいたい。
    本荘幽蘭という人は何かをなした人ではない。今よりも遥かに女性が生きづらかった時代に、常識や世間に縛られずただ好きなように思うままに生きただけのように見える人だ。本人の気持ちはともか

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    2021年10月28日
  • 問題の女 本荘幽蘭伝

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    何かを成し遂げるとは何なのかを考えさせられる。自らの欲望に正直に、何事にも貪欲に、いつの時代であってもそれこそが理想であり、だからこそ難しい。

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    2022年05月10日
  • 明治・大正・昭和 不良少女伝 ──莫連女と少女ギャング団

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    <目次>
    第1章  明治 銀杏返しの莫連女たち
    第2章  大正 洋装の不良少女団
    第3章  昭和 断髪の少女ギャング団

    <内容>
    2009年刊(河出書房新社)の加筆版。明治後半から昭和戦前にかけて、東京でブイブイ言わせていた「不良少女たち」の行状を新聞や雑誌の記事などからまとめたもの。著者も言うように、必ずしも事実だけとは言えないが、14~22歳辺りの「美貌」の少女たちが、刺青を入れ、男言葉で啖呵をきり、拳銃までぶっ放して、放蕩無頼(これは男のためのことばかと思っていたが)をやりまくっていたらしい。丸ビルの「モガ」たちが、徒党を組んで男をだまし、金品を巻き上げていたなど、想像もつかない。でも

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    2022年03月23日
  • 問題の女 本荘幽蘭伝

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    本荘幽蘭というひとは、明治から大正にかけて有名人だったようである。きわめてゴシップ的な意味での有名さであり、いったいなにをしていた人なのかといえば、ただの奔放な一般人ではある。

    有名になった要因は主にふたつある。
    ひとつは本荘幽蘭の挑発的振る舞いがある。いまでいうとSNSで注目を集め、承認欲求を満たすために過激なことを繰り返すようなものだろうか。ふたつは、新聞というメディアと識字率の上昇がある。それ以外にメディアといえるものがない以上、有名になるのも頷ける。

    さて、それで本書がおもしろいかといえば、微妙なところ。つまらなくはないし、幽蘭自身の振る舞いも、いまの視点で見ても奔放ではあるのだが

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    2024年12月10日
  • 明治・大正・昭和 不良少女伝 ──莫連女と少女ギャング団

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    平山氏は、当時の新聞記事などを詳細に探し出して紹介してくれるので、空気感もそのまま味わうことが出来る。「女子の美」はいつの世も、どうしても影響力が強いことが分かる。

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    2022年09月05日
  • 明治・大正・昭和 不良少女伝 ──莫連女と少女ギャング団

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    当時の新聞記事から不良少女の変遷(1896-1936)を辿るドキュメンタリー。莫連女、バッドガールの列伝の数々に驚き。解説の井上章一さんが紹介するフェミニスト高群逸枝の予言も興味深い。

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    2022年04月29日
  • 明治・大正・昭和 不良少女伝 ──莫連女と少女ギャング団

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    「不良少女」の事件が報道された新聞を集めたスクラップブックのような列伝。かっこいいとは思わないけど、ここまで突き抜けた悪事を働く少女がいたのかと驚く。当時の新聞の報道姿勢も知れて、興味深かった。

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    2022年03月30日
  • 明治・大正・昭和 不良少女伝 ──莫連女と少女ギャング団

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     新聞、雑誌の事件記事を通して、明治・大正・昭和戦前期における不良少女の在り様を浮かび上がらせようとしたもの。

     プライバシーなどという概念もなかった時代、新聞記事には住所や親の職業、本人の実名や学校、勤め先等の個人情報満載である。
     もちろん記事の記述は、読者の興味を引くように"盛った"ところもあっただろうし、世間の良識を背景とした記者の眼を通して描かれている訳だが、それでもなお、世からはみ出した不良少女振りの実相をかなりの程度正確に表しているのだと思う。

     また、記事を通して、当時の時代環境や文化的、社会的背景などがヴィヴィッドに味わえるのも面白い。映画や浅草オペラ

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    2022年03月22日